第十八改正日本薬局方第二追補 変更点について
改正タイムラインについて
JP18→JP19 改正および追補タイムライン
・2021/06/03 JP18告示・施工
・2022/12/12 JP18第1追補告示・適用
・2024/06/28 JP18第2追補告示・適用
・2026/04 JP19告示・施工目標
第2追補の適用は告示日即日となっています。
また旧薬局方に既収載の医薬品に関しては、2025/12/31までは旧薬局方の基準を適用することができます(経過措置期間)。
また新規収載品で、告示日までに承認済みの医薬品に関しては、経過措置期間の間は収載されていない医薬品とみなすことができます。
また第2追補で元素不純物<2.66>試験法の「Ⅰ. 製剤中の元素不純物の管理 」に関し、「3. 経口製剤、注射剤、吸入剤及び皮膚に適用する製剤(皮膚適用製剤)における元素不純物のPDEとリスクによる分類 」(皮膚適用製剤の追記)、「4. 元素不純物のリスクアセスメント及び管理」 (皮膚適用製剤の追記およびCo・Niに対しCTCLを指標とすることを追記)、「5. PDE値と濃度限度値との間の換算」(皮膚適用製剤の追記およびCo・NiのCTCLの追記)が改正となっていますが、こちらは経過措置期間が2027/12/31となっています。
第十八改正日本薬局方第二追補 変更点
まえがき(改定)
まえがき(改定) | |
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第1追補 | 第2追補 |
8.純度試験の記載の順序 (16)チオシアン化物 | 8.純度試験の記載の順序 (16)シアン化物 |
右側が改正後です。
一般試験法(改定)
<2.03> 液体クロマトグラフィー | |
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1.薄層板の調製 | |
1. 器具及び装置 | |
2.操作法 | 2.操作方法 ※ひとつにまとめられていた操作法を (ⅰ)試料溶液のスポット (ⅱ)展開溶媒による展開 (ⅲ) 可視化及び検出 に分割 |
(ⅰ)試料溶液のスポット | |
試料溶液又は標準溶液をスポット | 試料溶液及び標準溶液などをスポット |
直径2 ~ 6 mmの円形状にスポット | 直径2 ~ 6 mmの円形状又は幅4 ~ 10 mmの帯状にスポット |
医薬品各条に規定する要件を満たす場合は、原線の位置及び原点の間隔を変更することができる。 | |
(ⅱ)展開溶媒による展開 | |
別に規定するもののほか、次の方法による。 | 通例,次の方法に従い、展開溶媒を飽和させた展開用容器内で成分を分離させる。 |
あらかじめ展開用容器の内壁に沿ってろ紙を巻き、ろ紙を展開溶媒で潤し、 | あらかじめ少量の展開溶媒を入れた展開用容器の内壁に沿ってろ紙を入れ,ろ紙を展開溶媒で潤し、 |
常温で約1時間放置し、 | 常温で約1時間放置し、展開用容器に気化した展開溶媒を飽和させる。なお、ここに示した以外の条件で調製した飽和展開容器を用いて展開する場合は別に規定する。 |
容器を密閉し、 | スポットが展開溶媒に浸かっていないことを確認後、容器を密閉し、 |
薄層板を取り出し、直ちに溶媒の先端の位置に印を付け、風乾 | 薄層板を取り出し、風乾する。なお、展開前に原線(原点)に、また展開後に展開溶媒の先端に印を付ける。 |
(ⅲ) 可視化及び検出 | |
医薬品各条に規定する方法によって、それぞれのスポットの位置及び色などを調べる。 | 薄層板上の被検成分のスポットを可視化し、色調やRf値を確認する。 |
R f=原線からスポット中心までの距離 原線から溶媒先端までの距離 | |
3. 確認及び純度の試験 | |
4. 確認試験の試験条件変更に関する留意事項 | |
5. 用語 |
第一追補でクロマトグラフィー総論が追加され、薄膜クロマトグラフィーに関しても用語の見直しと内容の拡充が図られました。
また、通例ですが、ろ紙を入れる前に少量の展開溶媒をいれることが規定されています。
また、4.として、検証の上で変更可能なパラメータについて追記されました。
<2.46>残留溶媒 | |||
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表2.46-2 クラス2の溶媒 | 表2.46-2 クラス2の溶媒 | ||
溶媒 | PDE(mg/day) | 濃度限度値(ppm) | |
シクロペンチルメチルエーテル | |||
t-ブチルアルコール | 3500 | ||
表2.46-3 クラス3の溶媒 | 表2.46-3 クラス3の溶媒 2-メチルテトラヒドロフラン |
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表2.46-4 適当な毒性データが見当たらない溶媒 | 表2.46-4 適当な毒性データが見当たらない溶媒 |
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1.1. 水溶性試料 1.1.1. 操作法A、1.1.2. 操作法B | 1.1. 水溶性試料 1.1.1. 操作法A、1.1.2. 操作法B クラス2用標準原液D、クラス2用標準原液E、クラス2用標準液D、クラス2用標準液Eの追加(操作、規格) |
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1.1. 水溶性試料 1.1.3. 操作法C クラス1用標準原液,クラス1用標準液,クラス2用標準原液A,クラス2用標準液A,クラス2用標準原液C,クラス2用標準液C及びクラス1用システム適合性試験用溶液は操作法Aを準用する. | 1.1. 水溶性試料 1.1.3. 操作法C |
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1.2. 非水溶性試料 1.2.1. 操作法A、1.2.2. 操作法B | 1.2. 非水溶性試料 1.2.1. 操作法A、1.2.2. 操作法B クラス2用標準原液D、クラス2用標準原液E、クラス2用標準液D、クラス2用標準液Eの追加(操作、規格) |
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1.2. 非水溶性試料 1.2.2. 操作法B | 1.2. 非水溶性試料 1.2.2. 操作法B なお,ジメチルスルホキシドはN,N-ジメチルホルムアミドの代替溶媒として置き換え可能である. |
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1.2. 非水溶性試料 1.2.3. 操作法C | 1.2. 非水溶性試料 1.2.3. 操作法C なお,ジメチルスルホキシドはN,N-ジメチルホルムアミドの代替溶媒として置き換え可能である. |
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1.3. ヘッドスペース装置の試験条件及びその他の留意事項 クラス2の溶媒のうち,2-エトキシエタノール,エチレングリコール,ホルムアミド,2-メトキシエタ ノール,N-メチルピロリドン及びスルホランはヘッドスペース法では感度が低く分析が困難 本試験法で溶媒として使用するN,N-ジメチルアセトアミド,N,N-ジメチルホルムアミドは上記の6種の溶媒と共に・・・ | 1.3. ヘッドスペース装置の試験条件及びその他の留意事項 クラス2の溶媒のうち,N,N-ジメチルアセトアミド,2-エトキシエタノール,エチレングリコール,ホルムアミド,2-メトキシエタノール,N-メチルピロリドン及びスルホランはヘッドスペース法では感度が低く分析が困難 本試験法で溶媒として使用するN,N-ジメチルホルムアミドは上記の7種の溶媒と共に・・・ |
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3. 標準品 | 3. 標準品 (ⅴ) 残留溶媒クラス2D標準品(t-ブチルアルコール) (ⅵ) 残留溶媒クラス2E標準品(シクロペンチルメチルエーテル) の追加 |
ICH Q3Cガイドラインの改正を反映した変更がされています。
<2.66>元素不純物 | |
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3. 経口製剤,注射剤及び吸入剤における元素不純物のPDEとリスクによる分類 経口製剤,注射剤及び吸入剤に対して設定された元素不純物のPDE値を表2.66-1に示す. | 3. 経口製剤,注射剤及び吸入剤における元素不純物のPDEとリスクによる分類 経口製剤,注射剤,吸入剤及び皮膚適用製剤に対して設定された元素不純物のPDE値を表2.66-1に示す.皮膚適用製剤のPDE値と皮膚及び経皮濃度限度値(CTCL)を有する元素の場合,両方の限度値に適合することが必要である. 皮膚適用製剤の最大総1日投与量は必ずしも明確に提示されていないため,元素不純物への曝露のワーストケースを適切に推定し,評価基準を設定することが,製品のリスクアセスメントには必要である.CTCLは1日1回の投与に基づき算出されることから,1日当たりの最大投与回数及び製剤の保持時間等の複数の要因に基づいて適切な濃度を修正する必要がある.皮膚感作が生じるリスクは投与当たりの用量に依存しないものの,同じ投与部位に対する複数回の適用により上昇する. |
表2.66-2 リスクアセスメントにおいて考慮すべき元素意図的に添加されない場合 | 表2.66-2 リスクアセスメントにおいて考慮すべき元素意図的に添加されない場合 皮膚適用製剤の列 追加 |
4.5. リスクアセスメントプロセスの概要 元素不純物の実測値の有意性の指標として,設定PDE値の30%のレベルを管理閾値と定義する.更なる管理の要否の決定に管理閾値を用いることができる. | 4.5. リスクアセスメントプロセスの概要 元素不純物の実測値の有意性の指標として,設定PDE値(及びCo及びNiの場合はCTCL)の30%のレベルを管理閾値と定義する.更なる管理の要否の決定に管理閾値を用いることができる. |
5. PDE値と濃度限度値との間の換算オプション1 このアプローチでは,各対象元素に関して,固定された一つの共通最大濃度を各構成成分1グラム当たりマイクログラムとして決定できる. ・・・に用いることができるものとする.表2.66-3の・・・ | 5. PDE値と濃度限度値との間の換算オプション1 ・・・に用いることができる.皮膚適用製剤のPDE値とCTCLを有する元素の場合,両方の限度値に適合することが必要である.表2.66-3の・・・ |
表2.66-3 オプション1についての元素不純物許容濃度表 | 2.66-3 オプション1についての元素不純物許容濃度 皮膚適用製剤の列(濃度および感作性の場合のCTCL) 追加 |
ICH Q3Dガイドラインの改正を反映した変更がされています。
<3.01>かさ密度測定法 | |
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条項名3.01 かさ密度及びタップ密度測定法 | 3.01 かさ密度測定法 |
まえがき かさ密度及びタップ密度測定法は,それぞれ粉末状医薬品の疎充?時及びタップ充填時におけるみかけの密度を測定する方法である | まえがき かさ密度測定法は,粉末状医薬品の疎充填時及びタップ充填時におけるみかけの密度を測定する方法である |
1. かさ密度 粉体のかさ密度は,タップしない(緩み)状態での粉体試料の質量と粒子間空隙容積の因子を含んだ粉体の体積との比である.したがって,かさ密度は粉体の粒子密度と粉体層内での粒子の空間的配列に依存する.かさ密度は,国際単位系ではkg/m³であるが,メスシリンダーを用いて測定するのでg/mLで表される(1 g/mL=1000 kg/m³).なお,これはg/cm³で表してもよい. 粒子は,一連のかさ密度を持つように充填することができ,また,粉体層をごく僅か乱すだけでもかさ密度は変化する.このように,粉体のかさ密度を再現性よく測定するのは極めて難しいので,結果を記録する際には,どのようにして測定したかを明記しておくことが重要である. | 1. かさ密度 粉体のかさ密度は,粉体試料の質量と粒子間空隙容積の因子を含んだ粉体の体積との比である.したがって,かさ密度は試料の真密度と粉体層内での粒子の空間的配列に依存するかさ密度は,通常,g/mLで表される(1 g/mL=1 g/cm³=1000kg/m³). 粒子は,一連のかさ密度を持つように充填することができる.それゆえ,疎充填かさ密度及びタップ充填かさ密度は区別する必要がある.タップ充填かさ密度と疎充?かさ密度は,粉体の流動性の評価に使用される.タップ充填かさ密度と疎充填かさ密度の比較により,粉体のバルク特性に影響を与える粒子間相互作用の相対的な重要度を間接的に測定できる. |
粉体のかさ密度は,ふるいを通してメスシリンダーに入れた既知質量の粉体試料の体積を測定する(第1法)か,又はボリュメーターを通して容器内に入れた既知体積の粉体試料の質量を測定する(第2法)か,若しくは測定用容器(第3法)を用いることによって求める.これらの中で第1法及び第3法を用いるのが望ましい. | 2. 疎充填かさ密度 "粉体の疎充填かさ密度は,ふるいを通してメスシリンダーに入れた既知質量の粉体試料の体積を測定する(第1法)か,又はボリュメーターを通して容器内に入れた既知体積の粉体試料の質量を測定する(第2法)か,若しくは測定用容器(第3法)を用いることによって求める. 疎充填かさ密度は特に凝集性のある粉体では粉体層をごく僅か乱すだけでも変化し得る.このような場合,粉体の疎充填かさ密度を再現性よく測定するのは極めて難しいので,結果を記録する際には,どのように測定したかを明記しておくことが重要である." |
1.1. 第1法 (メスシリンダーを用いる方法) 1.1.1. 操作法 0.1%の精度で秤量した約100 gの試料(m)を圧密せずに乾いた250 mLメスシリンダー(最小目盛単位:2 mL)に静かに入れる.必要ならば,粉体層の上面を圧密せずに注意深くならし,緩みかさ体積(V0)を最小目盛単位まで読み取る.m/V0によってかさ密度(g/mL)を計算する.この特性値を測定するためには,一般に繰り返し測定することが望ましい. 粉体の密度が小さすぎるか又は大きすぎる,すなわち,試料の緩みかさ体積が250 mL以上であるか又は150 mL以下の場合には,試料量として100 gを用いることはできない.したがって,このような場合には,試料の緩みかさ体積が150 mLから250 mL (メスシリンダーの全容積中に占めるかさ体積が60%以上)となるような,別の試料量を選択しなければならない.この場合,試料の質量を結果の項目中に記載しておく. 50 mLから100 mLのかさ体積を持つ試料については,最小目盛単位が1 mLの100 mLメスシリンダーを用いることができる.この場合,メスシリンダーの容積を結果の項目中に記載しておく. | 2.1. 第1法 (メスシリンダーを用いる方法) 2.1.1. 操作法 0.1%の精度で秤量した約100 gの試料(M)を乾いた250 mLメスシリンダー(最小目盛単位:2 mL)に静かに入れる.圧密ストレスを与えないように,例えば漏斗を使用したりメスシリンダーを傾けたりして注入する.必要ならば,粉体層の上面を圧密せずに注意深くならし,疎充塡体積(V0)を最小目盛単位まで読み取る.M/V0によって疎充塡かさ密度(g/mL)を計算する.異なる粉体試料を用いて繰り返し測定することが望ましい. 粉体の密度が小さすぎるか又は大きすぎる,すなわち,試料の疎充塡体積が250 mLよりも大きいか又は150 mLよりも小さい場合には,試料量として100 gを用いることはできない.したがって,このような場合には,試料の疎充塡体積が150 mLから250 mL (メスシリンダーの全容積中に占める疎充塡体積が60%以上)となるような,別の試料量を選択しなければならない.この場合,試料の質量を結果の項目中に記載しておく. 50 mLから100 mLの疎充塡体積を持つ試料については,最小目盛単位が1 mLの100 mLメスシリンダーを用いることができる.この場合,メスシリンダーの容積を結果の項目中に記載しておく. |
1.2. 第2法 (ボリュメーターを用いる方法) 1.2.1. 装置 ・・・このカップは円筒形(容積25.00±0.05 mL,内径30.00±2.00 mm)又は立方体(容積16.39±0.20mL,一辺の長さ25.400±0.076 mm)である. | 2.2. 第2法 (ボリュメーターを用いる方法) 2.2.1. 装置 ・・・このカップは円筒形(容積25.00±0.05 mL,内径29.50±2.50 mm)又は立方体(容積16.39±0.05mL)である. |
1.2.2. 操作法 ・・・. カップの上面に垂直に立てて接触させたヘラの刃を滑らかに動かし,圧密やカップからの粉体の溢流を防ぐためにヘラを垂直にしたままで,カップの上面から過剰の粉体を注意深くすり落とす.カップの側面からも試料を全て除去し,粉体の質量(m)を0.1%まで測定する.式m/V0 (V0はカップの容積)によってかさ密度(g/mL)を計算する.三つの異なった試料を用いて,3回の測定値の平均値を記録する. | 2.2.2. 操作法 ・・・. 傾斜させたヘラの刃をカップ上端面で滑らかに動かし,圧密やカップからの粉体の溢流を防ぐためにヘラを後傾させた状態で,カップの上面から過剰の粉体を注意深くすり落とす.カップの側面からも試料を全て除去し,粉体の質量(M)を0.1%まで測定する.式M/V0 (V0はカップの容積)によって疎充塡かさ密度(g/mL)を計算する.異なる粉体試料を用いて繰り返し測定することが望ましい. |
1.3. 第3法 (容器を用いる方法) 1.3.1. 装置 | 2.3. 第3法 (容器を用いる方法) 2.3.1. 装置 |
1.3.2. 操作法 ・・・粉体の質量(m0)を0.1%まで測定する.式m0/100によってかさ密度(g/mL)を計算し,三つの異なった試料を用いて,3回の測定値の平均値を記録する. | 2.3.2. 操作法 ・・・粉体の質量(M0)を0.1%まで測定する.式M0/100によって疎充塡かさ密度(g/mL)を計算する.異なる粉体試料を用いて繰り返し測定することが望ましい. |
2. タップ密度 タップ密度は,粉体試料を入れた容器を機械的にタップした後に得られる,増大したかさ密度である. タップ密度は粉体試料を入れた測定用メスシリンダー又は容器を機械的にタップすることにより得られる.粉体の初期体積又は質量を測定した後,測定用メスシリンダー又は容器を機械的にタップし,体積又は質量変化がほとんど認められなくなるまで体積又は質量を読み取る.機械的タッピングは,メスシリンダー又は容器を持ち上げ,自重下で以下に述べる三つの方法のいずれかによって所定の距離を落下させることにより行う.タッピング中に生じる塊の分離をできるだけ最小限にするために,・・・ | 3. タップ充塡かさ密度 タップ充塡かさ密度は,粉体試料を入れた容器を機械的にタップした後に得られる,増大したかさ密度である. タップ充塡かさ密度は粉体試料を入れたメスシリンダー又は容器を機械的にタップすることにより得られる.粉体の質量(M0)及び初期疎充塡体積(V0)を記録した後,各手法の項に記したように,メスシリンダー又は容器を機械的にタップし,体積又は質量変化がほとんど認められなくなるまで体積又は質量を読み取る.機械的タッピングは,メスシリンダー又は容器を持ち上げ,以下に述べる三つの方法のいずれかにより,自重下で所定の距離を落下させることにより行う.タップ後の表面がよりならされるように,・・・ |
2.1. 第1法 2.1.1. 装置 装置(図3.01-3)は,次の部品から構成される. (ⅰ) 質量220±44 gの250 mLメスシリンダー(最小目盛単位:2 mL) (ⅱ) 3±0.2 mmの高さから公称250±15回/分,又は14±2mmの高さから公称300±15回/分のタップ速度を与えることができる落下装置.メスシリンダー用の450±10 gの質量を持つ支持台. | 3.1. 第1法 (メスシリンダーを用いる方法 高落下) 3.1.1. 装置 装置(図3.01-3)は,次の部品から構成される. (ⅰ) 質量220±44 gの250 mLメスシリンダー(最小目盛単位:2 mL) (ⅱ) 14±2 mmの高さから公称300±15回/分のタップ速度を与えることができる落下装置.メスシリンダー用の450±10 gの質量を持つ支持台. |
2.1.2. 操作法 かさ体積(V0)の測定について先に述べたようにして行う.メスシリンダーを支持台に装着する.同じ粉体試料について10回,500回及び1250回タップし,対応するかさ体積V10,V500及びV1250を最小目盛単位まで読み取る.V500とV1250の差が2mL以下であれば,V1250をタップ体積とする.V500とV1250の差が2 mLを超える場合には,連続した測定値間の差が2 mL以下となるまで1250回ずつタップを繰り返す.なお,バリデートされていれば,粉体によってはタップ回数はより少なくてもよい.式m/Vf (Vfは最終タップ体積)を用いてタップ密度(g/mL)を計算する.この特性値を測定するためには,一般に測定は繰り返し行うことが望ましい.結果と共に,落下高さも記載しておく. 100 gの試料料を用いることができない場合には,試料量を減じ,240±12 gの質量を持つ支持台の上に固定された130±16gの適切な100 mLメスシリンダー(最小目盛単位1 mL)を用いる.V500とV1250の差が1 mL以下であれば,V1250をタップ体積とする.V500とV1250の差が1 mLを超える場合には,連続した測定値間の差が1 mL以下となるまで1250回ずつタップを繰り返す.試験条件の変更については,結果の項目中に記載しておく. | 3.1.2. 操作法 疎充塡体積(V0)の測定について先に述べたようにして行う.メスシリンダーを支持台に装着する.同じ粉体試料について10回,500回及び1250回タップし,対応する体積V10,V500及びV1250を最小目盛単位まで読み取る.V500とV1250の差が2 mL以下であれば,V1250をタップ充塡体積とする.V500とV1250の差が2 mLを超える場合には,連続した測定値間の差が2 mL以下となるまで1250回ずつタップを繰り返す.なお,バリデートされていれば,粉体によってはタップ回数はより少なくてもよい式M/Vf (Vfは最終タップ充塡体積)を用いてタップ充塡かさ密度(g/mL)を算する.この特性値を測定するためには,測定は繰り返し行うことが望ましい.結果と共に,落下高さも記載しておく. 試料の疎充塡体積が150 mLに満たない場合は,試料量を減じ,240±12 gの質量を持つ支持台の上に固定された130±16gの適切な100 mLメスシリンダー(最小目盛単位1 mL)を用いる.疎充塡体積は,50 mLから100 mLの間であることが望ましい.V500とV1250の差が1 mL以下であれば,V1250をタップ充塡体積とする.V500とV1250の差が1 mLを超える場合には,連続した測定値間の差が1 mL以下となるまで1250回ずつタップを繰り返す.試験条件の変更については,結果の項目中に記載しておく. |
2.2. 第2法 2.2.1. 操作法 250回/分の公称速度で3±0.2 mmの固定した・・・ | 3.2. 第2法 (メスシリンダーを用いる方法 低落下) 3.2.1. 操作法 250±15回/分の公称速度で3.0±0.2 mmの固定した・・・ |
2.3. 第3法 2.3.1. 操作法 図3.01-2に示した補助円筒を装着した測定用容器を用いて,かさ密度の測定法に従って行う.適切なタップ密度測定器を用いて補助円筒付きの測定用容器を50 ~ 60回/分でタップする.200回タップして補助円筒を取り外し,かさ密度測定における第3法で示した測定用容器の上面から過剰の粉体を注意深くすり落とす. タップ操作を更に400回繰り返す.200回及び400回タップ後に得られた二つの質量の差が2%を超えた場合には,二つの連続した測定値間の差が2%未満となるまで更に200回ずつタップして,試験を行う.式mf /100 (mfは測定用容器中の粉体質量)を用いてタップ密度(g/mL)を計算し,三つの異なった試料を用いて,3回の測定値の平均値を記録する.タップ高さも含めた試験条件を結果の項目中に記載しておく. | 3.3. 第3法 (容器を用いる方法) 3.3.1. 操作法 図3.01-2に示した補助円筒を装着した測定用容器を用いて,疎充塡かさ密度の測定法に従って行う.適切なタップ密度測定器を用いて補助円筒付きの測定用容器を50 ~ 60回/分でタップする.200回タップして補助円筒を取り外し,傾斜させたヘラの刃をカップ上端面で滑らかに動かし,圧密やカップからの粉体の溢流を防ぐためにヘラを後傾させた状態で,測定用容器の上面から過剰の粉体を注意深くすり落とす.あらかじめ測定しておいた空の測定用容器の質量を差し引くことによって,粉体の質量(M )を0.1%まで測定する.補助円筒を装着した測定用容器を用いて,疎充塡かさ密度の測定法に従ったタップ操作を400回まで繰り返す.200回及び400回タップ後に得られた二つの質量の差が2%を超えた場合には,二つの連続した測定値間の差が2%未満となるまで更に200回ずつタップして,試験を行う.式Mf /100 (Mfは測定用容器中の粉体の最終質量)を用いてタップ充塡かさ密度(g/mL)を計算する.異なる粉体試料を用いて繰り返し測定することが望ましい.タップ高さも含めた試験条件を結果の項目中に記載しておく. |
3. 粉体の圧縮性の尺度 粉体のかさ特性に影響する粒子間相互作用は,粉体の流動を妨げる相互作用でもあるので,かさ密度とタップ密度を比較することは,ある特定の粉体におけるこれらの相互作用の相対的重要性を示す一つの尺度となり得る.このような比較は,例えば,圧縮性指数又はHausner比のように,粉体の流れやすさの指標としてしばしば用いられる. 圧縮性指数とHausner比は,先に述べたように粉体の圧縮性の尺度となる.これらはそれ自体,粉体層の沈下能の尺度であり,これによって粒子間相互作用の相対的重要性を評価することができる.自由流動性のある粉体については,このような相互作用はあまり重要ではなく,かさ密度とタップ密度の値は比較的近接している.流動性の乏しい粉体では粒子間相互作用はしばしば大きくなり,かさ密度とタップ密度の間にはより大きな差違が認められる. これらの差違は圧縮性指数とHausner比に反映する. 圧縮性指数:次式によって計算する. 圧縮性指数=(V0 - Vf )/V0 × 100 V0:緩みかさ体積 Vf :最終タップ体積 Hausner比:次式によって計算する. Hausner比=V0/Vf 試料によっては,圧縮性指数はV0の代わりにV10を用いて求めることができる.V0の代わりにV10を用いた場合は,試験結果に明記する. | 4. 粉体の圧縮性の尺度 粉体のかさ特性に影響する粒子間相互作用は,粉体の流動を妨げるので,疎充塡かさ密度とタップ充塡かさ密度を比較することは,ある特定の粉体におけるこれらの相互作用の相対的重要性を示す間接的な尺度となり得る.このような比較は,例えば,圧縮度又はHausner比のように,粉体の流れやすさの指標としてしばしば用いられる. 圧縮度とHausner比は,先に述べたように粉体の圧縮性の尺度となる. 次式により圧縮度及びHausner比を計算する. 圧縮度=(V0 - Vf )/V0 × 100 V0:疎充塡体積 Vf :最終タップ充塡体積 Hausner比=V0/Vf 試料によっては,圧縮度はV0の代わりにV10を用いて求めることができる.V0の代わりにV10を用いた場合は,試験結果に明記する. |
PDG(薬局方調和国際会議)の調和合意内容を反映した変更となっています。
装置のサイズが変更になっていますので注意しましょう。
<3.07>動的光散乱法による液体中の粒子径測定法(追加) | |
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<3.07>動的光散乱法による液体中の粒子径測定法 |
参考情報から移項となっています。
またPDGの調和合意内容を反映した変更も実施されています。
<4.02>抗生物質の微生物学的力価試験法 | |
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4.02 抗生物質の微生物学的力価試験法 1.円筒平板法 1.10. 操作法 | |
・・・で16 ~ 20時間培養し,形成された阻止円の直径を,適当な用具を用いて,少なくとも0.25mmの差が確認できる精度で測定する.各操作は・・・ | ・・・で16 ~ 20時間培養し,形成された阻止円について,その直径を少なくとも0.25 mmの差が確認できる精度の器具を用いて測定又はその面積から直径を算出する.各操作は・・・ |
2. 穿孔平板法 2.1. 穿孔カンテン平板の調製 | |
・・・直径7.9 ~ 8.1 mmの円形の孔を,適当な用具を用いて4個あけ,ペトリ皿穿孔カンテン平板とする.大型皿・・・ | ・・・直径7.9 ~ 8.1 mmの円形の孔を器具を用いて4個あけ,ペトリ皿穿孔カンテン平板とする.大型皿・・・ |
2.2. 操作法 | |
・・・16 ~ 20時間培養し,形成された阻止円の直径を適当な用具を用いて,少なくとも0.25mmの差が確認できる精度で測定する.各操作は・・・ | ・・・16 ~ 20時間培養し,形成された阻止円について,その直径を少なくとも0.25 mmの差が確認できる精度の器具を用いて測定又はその面積から直径を算出する.各操作は・・・ |
1.円筒平板法の操作において、直径を面積から算出する方法が追加となっています。
一般試験法(追加)
<5.01>生薬試験法 | |
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5.01 生薬試験法 3. 鏡検 3.2. 鏡検用プレパラートの作成 | |
(ⅰ) 切片: 切片をスライドガラス上にとり,封入剤1 ~ 2滴を滴加した後,気泡が封入されないように注意してカバーガラスで覆う.観察に用いる切片の厚さは,通例,10 ~ 20 μmとする. | (ⅰ) 切片:横切片若しくは医薬品各条に記載された形態学的特徴及び要素を確認可能な任意の方向で切片を作成する.切片をスライドガラス上にとり,封入剤1 ~ 2滴を滴下した後,気泡が封入されないように注意してカバーガラスで覆う.観察に用いる切片の厚さは,通例,10 ~ 20 μmとする. |
3.3. 生薬の性状の項の各要素の観察 | |
切片は,通例,外側から内側に向かい,次いで細胞内容物の順に医薬品各条に記載されており,この順に観察する.粉末は,特徴的なもの又は多量に出現するもの,まれに現れるもの,次いで細胞内容物の順に医薬品各条に記載されており,この順に観察する. | 生薬の性状における鏡検は,原則,横切片について,通例,外側から内側に向かい,次いで細胞内容物の順に記載されており,この順に観察する.粉末は,特徴的なもの又は多量に出現するもの,まれに現れるもの,次いで細胞内容物の順に記載されており,この順に観察する. |
生薬の医薬品各条に関し、いくつかの生薬に関し鏡検による性状の表記が詳細化されており、
<5.01>生薬試験法に関しても鏡検用切片の作成に関し追記となっています。
第2追補標準品(一般試験法)
<9.01>標準品 (1)別に厚生労働大臣が定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けたものが製造する標準品 |
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新規収載 | アリピプラゾール標準品 システム適合性試験用アリピプラゾールN-オキシド標準品 オキサリプラチン標準品 純度試験用オキサリプラチン類縁物質B二硝酸塩標準品 ゴセレリン酢酸塩標準品 システム適合性試験用ゴセレリン酢酸塩類縁物質標準品 残留溶媒クラス2D標準品 残留溶媒クラス2E標準品 トルバプタン標準品 フェブキソスタット標準品 システム適合性試験用フェブキソスタット類縁物質A標準品 システム適合性試験用フェブキソスタット類縁物質B標準品 ロルノキシカム標準品 | (2)国立感染症研究所が製造する標準品 から削除し、 (1)に移動 | セフォゾプラン塩酸塩標準品 セフォぺラゾン標準品 セフカペンピボキシル塩酸塩標準品 セフジトレンピボキシル標準品 セフタジジム標準品 セフポドキシムプロキセチル標準品 |
削除 | アンレキサノクス標準品 トルブタミド標準品 |
<9.01>標準品 (2)国立感染症研究所が製造する標準品 |
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削除 | セファドロキシル標準品 |
第2追補 試薬・試液(一般試験法)
<9.41> | 試薬・試液 | |
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新規 収載 (35試薬) | 14-アニソイルアコニン塩酸塩 2-アミノピリジン 安息香酸、定量用 アンモニア水(25) オキサリプラチン 核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化酢酸 確認試験用テセロイキン 過マンガン酸カリウム試液、0.3 mol/L 還元試液 緩衝液、テセロイキンSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動用 緩衝液、テセロイキン試料用 酢酸アンモニウム試液、40 mmol/L 重水素化酢酸、核磁気共鳴スペクトル測定用 水酸化ナトリウム試液、0.02 mol/L 炭酸リチウム、定量用 定量用安息香酸 定量用炭酸リチウム | テセロイキンSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動用緩衝液 テセロイキン、確認試験用 テセロイキン試料用緩衝液 テセロイキン用ポリアクリルアミドゲル テセロイキン用リシルエンドペプチダーゼ テトラメチルベンジジン テトラメチルベンジジン試液 トリス緩衝液、1 mol/L、pH 9.0 薄層クロマトグラフィー用メチルオフィオポゴナノンA ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液、分離確認用 分離確認用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩 ポリアクリルアミドゲル、テセロイキン用 メチルオフィオポゴナノンA、薄層クロマトグラフィー用 2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸 ラウリル硫酸リチウム リシルエンドペプチダーゼ、テセロイキン用 両性担体液、pH 7 ~9用 |
改正 (9試薬) | アトラクチレノリドⅢ、定量用 アトラクチロジン、定量用 アトラクチロジン試液、定量用 シノメニン、定量用 水酸化カルシウム、pH測定用 | 10-ヒドロキシ-2-(E)-デセン酸、定量用 (E)-フェルラ酸、定量用 分子量マーカー、テセロイキン用 メチルチモールブルー・硝酸カリウム指示薬 |
試薬・試液に関する変更内容は、以下になります。
<9.41> | 試薬・試液 改正内容 | |
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運用の追加を伴うもの | アトラクチレノリドⅢ,定量用 | 1)定量用1純度試験類縁物質 デシケータ(シリカゲル)で24時間乾燥して用いる 試験条件:流量は「当帰薬散エキス」の定量法(3)の試験条件を準用 qNMRを使用した2)定量用2が追加 |
アトラクチロジン,定量用 | 定量用1又は定量用2 (qNMR純度規定)の試験に適合することが規定 (定量用2は定量法で求めた含量で補正して用いる) 1)定量用1と2)定量用2が追加 これまでの確認試験と吸光度、純度試験類縁物質は1)定量用に記載 1)定量用1純度試験類縁物質(ⅱ) 試験条件:流量は「当帰薬散エキス」の定量法(3)の試験条件を準用 |
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アトラクチロジン試液,定量用 | 調製法が上記アトラクチロジン,定量用1と定量用2に分かれて記載 | |
シノメニン,定量用 | 1)定量用1(紫外可視吸光度測定法)が削除 | |
10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸,定量用 | 1)定量用1(HPLC法)が削除 | |
(E )-フェルラ酸,定量用 | 1)定量用1(HPLC法)が削除 | |
メチルチモールブルー・硝酸カリウム指示薬 | 鋭敏度 本品20 mgを0.02 mol/L水酸化ナトリウム液100mLに溶かすとき,液の色は僅かに青色である.・・・→本品20 mgを0.02 mol/L水酸化ナトリウム試液100mLに溶かすとき,液の色は僅かに青色である.・・・ | |
記載整備 | 水酸化カルシウム,pH測定用 | 水酸化カルシウムをpH測定用に調製したもの.→水酸化カルシウム を参照. |
分子量マーカー,テセロイキン用 | リゾチーム,大豆トリプシンインヒビター,炭酸脱水酵素,卵白アルブミン,ウシ血清アルブミン及びホスホリラーゼbをそれぞれ0.4 mgずつ薄めたグリセリン(1→2) 200 μLに溶かす.→分子量既知のマーカータンパク質で分子量測定用に調整したもの.[分子量:1.0 ×10⁴,1.5 ×10⁴,2.0 ×10⁴,2.5 ×10⁴,3.7 ×10⁴,5.0 ×10⁴,7.5 ×10⁴,1.0 ×10⁵,1.5 ×10⁵,2.5 ×10⁵] |
環境技研では最新のNMRを使用したGMP試験が可能です。
お問合せ下さい(メールアドレスクリックするとメールソフトが開きます)
営業課(小野):t-ono@get-c.co.jp
第2追補 クロマトグラフィー用担体/充塡剤(一般試験法)
<9.42>クロマトグラフィー用担体/充塡剤 | |
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新規収載 (2種類) | 液体クロマトグラフィー用フェニルカルバモイル化セルロースで被覆したシリカゲル フェニルカルバモイル化セルロースで被覆したシリカゲル,液体クロマトグラフィー用 |
一般試験法(改定)
<9.62>計量器・用器 はかり(天秤)及び分銅 | |
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9.62 計量器・用器 はかり(天秤)及び分銅 | |
(1) 化学はかり 0.1 mgまで読み取れるものを用いる. (2) セミミクロ化学はかり 10 μgまで読み取れるものを用いる. (3) ミクロ化学はかり 1 μgまで読み取れるものを用いる. (4) ウルトラミクロ化学はかり 0.1 μgまで読み取れるものを用いる. | (1) 化学はかり(化学天秤):0.1 mgの桁まで読み取れるもの. (2) セミミクロ化学はかり(セミミクロ化学天秤):10 μgの桁まで読み取れるもの. (3) ミクロ化学はかり(ミクロ化学天秤):1 μgの桁まで読み取れるもの. (4) ウルトラミクロ化学はかり(ウルトラミクロ化学天秤):0.1 μgの桁まで読み取れるもの. |
(5) はかり(天秤)は,国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された校正を実施していること.また,下記に示す要件を満たす性能を有すること. |
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繰返し性(併行精度)の要件 | |
10回以上の分銅ののせ降ろし・・・ | |
正確さ(真度)の要件 | |
正確さ(真度)には感度誤差・・・ | |
(5) 分銅 器差試験を行ったものを用いる. | (6) 偏置誤差の確認を除き,はかり(天秤)の正確さ(真度)の確認に使用する分銅は,国際単位系(SI)へのトレーサビリティが確保された校正を実施していること.また,使用要件を満たす精度等級を有すること. |
はかり(天秤)のトレーサビリティに関する要件、性能検証の要件、
分銅のトレーサビリティに関する要件が追加となっています。
第2追補 医薬品各条(生薬以外)
新規収載医薬品 削除医薬品 | |||
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新規 収載 (12品目) | アリピプラゾール オキサリプラチン オキサリプラチン注射液 ゲフィチニブ錠 ゴセレリン酢酸塩 炭酸リチウム錠 トルバプタン トルバプタン錠 フェブキソスタット フェブキソスタット錠 ロルノキシカム ロルノキシカム錠 | 削除 (7品目) | アンレキサノクス アンレキサノクス錠 セファドロキシル セファドロキシルカプセル シロップ用セファドロキシル トルブタミド トルブタミド錠 |
元素不純物試験管理化に伴いヒ素試験が削除され、
純度試験の項番の繰上げがないものは下記になります。
ヒ素試験の削除のみ(項番繰上げなし)(12品目) | |
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ヒ素削除のみ (12品目) | 亜硫酸水素ナトリウム 乾燥亜硫酸ナトリウム 軽質無水ケイ酸 ケイ酸マグネシウム ステアリン酸カルシウム ステアリン酸ポリオキシル40 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 乾燥炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム水和物 ピロ亜硫酸ナトリウム モノステアリン酸アルミニウム ヨウ化ナトリウム |
元素不純物試験管理化に伴いヒ素試験が削除されたことに伴い、
ヒ素試験以降の純度試験の項番が繰上げになるものは下記になります。
ヒ素試験の削除のみ(項番繰上げあり)(9品目) | |
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ヒ素削除・ 項番繰上 (9品目) | グリセリン 濃グリセリン 白糖 パラフィン 流動パラフィン 軽質流動パラフィン ブドウ糖 プロピレングリコール メグルミン |
生薬等以外の医薬品各条の変更内容です。
赤字が変更部分になります。
エデト酸ナトリウム水和物 | 確認試験 (1) 本品0.01 gを水5 mLに溶かし,クロム酸カリウム溶液(1→200) 2 mL及び三酸化二ヒ素試液2 mLを加え,水浴中で2分間加熱するとき,液は紫色を呈する. (2) 本品0.5 gを水20 mLに溶かし,希塩酸1 mLを加えるとき,白色の沈殿を生じる.沈殿をろ取し,水50 mLで洗い,105℃で1時間乾燥するとき,その融点〈2.60〉は240 ~244℃(分解)である. (3) 本品の水溶液(1→20)はナトリウム塩の定性反応(1)〈1.09〉を呈する. | 確認試験 (1) 本品0.5 gを水20 mLに溶かし,希塩酸1 mLを加えるとき,白色の沈殿を生じる.沈殿をろ取し,水50 mLで洗い,105℃で1時間乾燥するとき,その融点〈2.60〉は240 ~244℃(分解)である. (2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭化カリウム錠剤法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める. (3) 本品の水溶液(1→20)はナトリウム塩の定性反応(1)〈1.09〉を呈する. |
カルメロースカルシウム | 冒頭 ・・・なお,三薬局方で調和されていない部分は「◆◆」で囲むことにより示す.・・・ | 冒頭 ・・・なお,三薬局方で調和されていない部分のうち,調和合意において,調和の対象とされた項中非調和となっている項の該当箇所は「◆◆」で囲むことにより示す.・・・ |
確認試験 (4) 本品1 gを強熱して灰化し,残留物に水10 mL及び酢酸(31) 6 mLを加えて溶かし,必要ならばろ過し,煮沸した後,冷却し,アンモニア試液で中和するとき,液はカルシウム塩の定性反応〈1.09〉の(1)及び(3)を呈する. | 確認試験 (4) 本品1 gを強熱して灰化し,残留物に水10 mL及び酢酸(31) 6 mLを加えて溶かし,必要ならばろ過し,煮沸した後,冷却し,アンモニア試液で中和するとき,液はカルシウム塩の定性反応〈1.09〉の(3)を呈する. |
|
純度試験 (3) 硫酸塩〈1.14〉 (2)の試料溶液10 mLに塩酸1 mLを加え,水浴中で綿状の沈殿が生じるまで加熱し,冷却した後,遠心分離する.上澄液をとり,沈殿を水10 mLずつで3回洗い,毎回遠心分離し,上澄液及び洗液を合わせ,水を加えて100 mLとする.この液25 mLを検液とし,試験を行う.比較液には0.005 mol/L硫酸0.42 mLを加える.検液及び比較液に3 mol/L塩酸試液1 mL及び塩化バリウム試液3 mLずつを加え,更に水を加えて50 mLとし,混和する.10分間放置した後,混濁を比較する.検液の呈する混濁は,比較液の呈する混濁より濃くない(1.0%以下). | 純度試験 (3) 硫酸塩〈1.14〉 製造工程において硫酸が使用される場合に適用する.(2)の試料溶液10 mLに塩酸1 mLを加え,水浴中で綿状の沈殿が生じるまで加熱し,冷却した後,遠心分離する.上澄液をとり,沈殿を水10 mLずつで3回洗い,毎回遠心分離し,上澄液及び洗液を合わせ,水を加えて100mLとする.この液25 mLをとり,3 mol/L塩酸試液1 mL及び水を加えて50 mLとし,検液とする.別に水25 mLに0.005 mol/L硫酸0.42 mLを加え,更に3 mol/L塩酸試液1 mL及び水を加えて50 mLとし,比較液として試験を行う.ただし,検液及び比較液には塩化バリウム試液3 mLずつを加える(1.0%以下). |
|
強熱残分〈2.44〉 10.0 ~ 20.0%(乾燥後,1 g). |
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クリンダマイシンリン酸エステル | 性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である.本品は水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)にほとんど溶けない. | 性状 本品は白色~微黄白色の結晶性の粉末である.本品は水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)にほとんど溶けない. 本品は結晶多形が認められる. |
確認試験 本品を100℃で2時間乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照スペクトル又は100℃で2時間乾燥したクリンダマイシンリン酸エステル標準品のスペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める. | 確認試験 本品を100℃で2時間乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法又はATR法により試験を行い,本品のスペクトルと100℃で2時間乾燥したクリンダマイシンリン酸エステル標準品のスペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める.もし,これらのスペクトルに差を認めるときは,本品及びクリンダマイシンリン酸エステル標準品50 mgずつをとり,それぞれに水0.2 mLを加えて加熱して溶かし,蒸発乾固した後,残留物を100 ~ 105℃で2時間乾燥したものにつき,同様の試験を行う. |
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クロニジン塩酸塩 | 性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である. 本品はメタノールに溶けやすく,水又はエタノール(95)にやや溶けやすく,酢酸(100)に溶けにくく,無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない. | 性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である. 本品は水にやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,酢酸(100)に溶けにくく,無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない. |
純度試験 (4) 類縁物質 本品0.20 gをメタノール2 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に100 mLとする.この液1 mL及び2 mLを正確に量り,それぞれにメタノールを加えて正確に20 mLとし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 2 μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にトルエン/1,4-ジオキサン/エタノール(99.5)/アンモニア水(28)混液(10:8:2:1)を展開溶媒として約12 cm展開した後,薄層板を風乾する.これを100℃で1時間乾燥した後,次亜塩素酸ナトリウム試液を均等に噴霧し,15分間風乾する.これにヨウ化カリウムデンプン試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット及び原点のスポット以外のスポットは,標準溶液(2)から得たスポットより濃くなく,かつ主スポット及び原点のスポット以外のスポットのうち標準溶液(1)から得たスポットより濃いスポットは3個以下である. | 純度試験 (4) 類縁物質 本品0.20 gをエタノール(99.5) 2 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,エタノール(99.5)を加えて正確に100 mLとする.この液1 mL及び2mLを正確に量り,それぞれにエタノール(99.5)を加えて正確に20 mLとし,標準溶液(1)及び標準溶液(2)とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験 を行う.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 2 μL ずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/エタノール(99.5)/アンモニア水(28)混液(17:2:1)を展開溶媒として約12 cm展開した後,薄層板を風乾する.これを100℃で1時間乾燥した後,次亜塩素酸ナトリウム試液を均等に噴霧し,15分間風乾する.これにヨウ化カリウムデンプン試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット及び原点のスポット以外のスポットは,標準溶液(2)から得たスポットより濃くなく,かつ主スポット及び原点のスポット以外のスポットのうち標準溶液(1)から得たスポットより濃いスポットは3個以下である. |
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シクロホスファミド水和物 | 冒頭 本品は定量するとき, シクロホスファミド水和物(C7H15Cl2N2O2P・H2O) 97.0%以上を含む. | 冒頭 本品は定量するとき, シクロホスファミド水和物(C7H15Cl2N2O2P・H2O) 97.0 ~ 101.0%を含む. |
性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない. 本品は酢酸(100)に極めて溶けやすく,エタノール(95),無水酢酸又はクロロホルムに溶けやすく,水又はジエチルエーテルにやや溶けやすい. 融点:45 ~ 53℃ | 性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である. 本品はメタノールに極めて溶けやすく,エタノール(95)に溶けやすく,水にやや溶けやすい. 融点:45 ~ 53℃ |
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確認試験 (1) 本品0.1 gを水10 mLに溶かし,硝酸銀試液5 mLを加えるとき,沈殿を生じない.この液を煮沸するとき,白色の沈殿を生じる.沈殿を分取し,この一部に希硝酸を加えても 溶けない.また,他の一部に過量のアンモニア試液を加えるとき,溶ける. (2) 本品0.02 gに薄めた硫酸(1→25) 1 mLを加え,白煙を生じるまで加熱する.冷後,水5 mLを加えて振り混ぜ,アンモニア試液で中和した後,希硝酸を加えて酸性とする.この液はリン酸塩の定性反応(2)〈1.09〉を呈する. | 確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉のペースト法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める. |
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純度試験 (3) 類縁物質 本品0.20 gをエタノール(95) 10 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,エタノール(95)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.これ らの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットす る.次に酢酸エチル/酢酸(100)/水/メタノール混液(50:25:17:13)を展開溶媒として約10 cm展開した後,薄層板を温風で乾燥し,100℃で10分間加熱する.展開用容器の底に0.3 mol/L過マンガン酸カリウム試液を入れた蒸発皿を置き,同量の塩酸を加え,加熱した薄層板を展開用容器に入れ,蓋をして2分間放置する.薄層板を取り出し,冷風で過剰な塩素を取り除き,テトラメチルベンジジン試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない. |
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定量法 本品約0.3 gを精密に量り,塩化水素・エタノール試液15 mLを加え,還流冷却器を付け,吸湿を防ぎながら,水浴中で3.5時間加熱した後,エタノールを減圧で留去する. 残留物を無水酢酸/酢酸(100)混液(7:3) 40 mLに溶かし,直ちに0.1 mol/L過塩素酸・1,4-ジオキサン液で滴定〈2.50〉する(指示薬:クリスタルバイオレット試液2滴).ただし, 滴定の終点は液の青色が緑色を経て黄色に変わるときとする. 同様の方法で空試験を行い,補正する. 0.1 mol/L過塩素酸・1,4-ジオキサン液1 mL =13.96 mg C7H15Cl2N2O2P・H2O | 定量法 本品約0.1 gを精密に量り,水酸化ナトリウムのエチレングリコール溶液(1→1000) 50 mLを加え,還流冷却器を付け,油浴中で30分間加熱する.冷却後,還流冷却器を水25 mLで洗い,洗液を先の溶液に合わせる.この液に2-プロパノール75 mL及び2 mol/L硝酸試液15 mLを加え,0.1mol/L硝酸銀液10 mLを正確に加える.0.1 mol/Lチオシアン酸アンモニウム液で滴定〈2.50〉する(指示薬:硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)試液2 mL). 同様の方法で空試験を行う. 0.1 mol/L硝酸銀液1 mL = 13.96 mg C7H15Cl2N2O2P・H2O |
|
貯法 保存条件 30℃以下で保存する. 容器 気密容器. | 貯法 容器 気密容器. |
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シチコリン | 純度試験 (3) 類縁物質 本品0.10 gを水に溶かし,100 mLとし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,水を加えて正確に200 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のシチコリン以外のピークの面積は,標準溶液のシチコリンのピーク面積の3/5より大きくない.また,試料溶液のシチコリン以外のピークの合計面積は,標準溶液のシチコリンのピーク面積より大きくない.ただし,シチコリンに対する相対保持時間約0.62,約0.64及び約1.3のピーク面積は自動積分法で求めた面積にそれぞれ感度係数1.2,0.7及び0.5を乗じた値とする. 試験条件・・・ | 純度試験 (3) 類縁物質 本品0.10 gを水100 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のシチコリン以外のピークの面積は,標準溶液のシチコリンのピーク面積の3/5より大きくない.また,試料溶液のシチコリン以外のピークの合計面積は,標準溶液のシチコリンのピーク面積より大きくない.ただし,シチコリンに対する相対保持時間約0.62の類縁物質A,約0.64の類縁物質B及び約1.3の類縁物質Cのピーク面積は自動積分法で求めた面積にそれぞれ感度係数1.2,0.7及び0.5を乗じた値とする. 試験条件・・・ |
その他 | ||
類縁物質A:P’’-(2-Aminoethyl) cytidine 5’-(dihydrogen diphosphate) |
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類縁物質B:Cytidine 5’-(dihydrogen phosphate) |
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類縁物質C:P’’-[2-(Trimethylammonio)ethyl] uridine 5’-(monohydrogen diphosphate) |
||
ステアリン酸マグネシウム | 純度試験 (2) 塩化物〈1.03〉 確認試験で得た試料溶液10.0 mLにつき試験を行う.比較液には0.02 mol/L塩酸1.4 mLを加える(0.1%以下). | 純度試験 (2) 塩化物〈1.03〉 確認試験で得た試料溶液10.0 mLに硝酸1 mL及び水を加えて50 mLとする.これを検液とし,試験を行う.比較液は0.02 mol/L塩酸1.4 mLに硝酸1 mL及び水を加えて50 mLとする(0.1%以下). |
タルク | 冒頭 ・・・なお,三薬局方で調和されていない部分は「◆◆」で囲むことにより示す.・・・ | 冒頭 ・・・なお,三薬局方で調和されていない部分のうち,調和合意において,調和の対象とされた項中非調和となっている項の該当箇所は「◆◆」で、調和の対象とされた項以外に日本薬局方が独自に規定することとした項は「◇◇」で囲むことにより示す.・・・ |
純度試験 ◆(2) 酸可溶物 本品約1 gを精密に量り,希塩酸20 mLを加え,50℃で15分間かき混ぜながら加温し,冷後,水を加えて正確に50 mLとし,ろ過する.必要ならば澄明になるまで遠心分離し,この液25 mLをとり,希硫酸1 mLを加えて蒸発乾固し,800±25℃で恒量になるまで強熱するとき,その量は2.0%以下である.◆ | 純度試験 ◇(2) 酸可溶物 本品約1 gを精密に量り,希塩酸20 mLを加え,50℃で15分間かき混ぜながら加温し,冷後,水を加えて正確に50 mLとし,ろ過する.必要ならば澄明になるまで遠心分離し,この液25 mLをとり,希硫酸1 mLを加えて蒸発乾固し,800±25℃で恒量になるまで強熱するとき,その量は2.0%以下である.◇ |
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純度試験 (8) ヒ素 | ||
デキストラン70 | 製造要件 本品は,抗原性を有する可能性のある不純物を除去又は最小とする製造方法で製造する.製造方法は,以下の抗原性試験を実施した場合に適合することが,検証された方法とする. 抗原性試験 本品6.0 gを生理食塩液に溶かして100 mLとし,滅菌し,試料溶液とする.体重250 ~ 300 gの栄養状態の良い健康なモルモット4匹を用い,第1日目,第3日目及び第5日目に試料溶液1.0 mLずつを腹腔内に注射する.別に対照として,同数のモルモットに馬血清0.10 mLを腹腔内に注射する.第15日目に2匹,第22日目に残りの2匹に,試料溶液を注射したモルモットに対しては試料溶液0.20 mLを静脈内に注射し,同様に馬血清を注射したモルモットに対しては馬血清0.20 mLを静脈内に注射する.注射後30分間及び24時間の呼吸困難,虚脱又は致死を観察するとき,試料溶液によって感作し たモルモットは前記の症状を示さない. ただし,馬血清によって感作したモルモットの4匹の全部が呼吸困難又は虚脱を示し,3匹以上が死亡する |
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エンドトキシン〈4.01〉 4.2 EU/g未満. |
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抗原性試験 本品6.0 gを・・・ | ||
発熱性物質〈4.04〉 本品6.0 gを・・・ | ||
テセロイキン(遺伝子組換え) | 確認試験 (2)タンパク質のアミノ酸分析法〈2.04〉「1.タンパク質及びぺプチドの加水分解」の方法2の変法及び方法4により加水分解し,「2.アミノ酸分析法」の方法1により試験を行うとき,アスパラギン酸は11.4 ~ 12.6,グルタミン酸は17.1 ~ 18.9,プロリンは4.5 ~ 5.5,グリシンは1.8 ~ 2.2,システインは2.7 ~ 3.3,メチオニンは4.5 ~ 5.5,ロイシンは20.9 ~ 23.1,チロシンは2.7 ~ 3.3,フェニルアラニンは5.4 ~ 6.6,リシンは10.5 ~ 11.6,ヒスチジンは2.7 ~ 3.3,トリプトファンは0.7 ~ 1.2及びアルギニンは3.6 ~ 4.4である.また,試料溶液(1)から得たクロマトグラムには,構成する18種のアミノ酸のピークを認める. 操作法 (i) 加水分解 本品のタンパク質約50 μgに対応する容量を,2本の加水分解用試験管にとり,それぞれ減圧で蒸発乾固し,一方を試料(1)とする.もう一方に,室温で1時間放置 したギ酸/過酸化水素(30)混液(9:1) 50 μLを加え,4時間氷冷した後,水0.5 mLを加えて減圧で蒸発乾固し,試料(2)とする.メタンスルホン酸1.3 mLに水3.7 mLを加えてよく混和した後,3-(2-アミノエチル)インドール10 mgを加えて溶かし,4 mol/Lメタンスルホン酸溶液とする.クエン酸三ナトリウム二水和物39.2 g,塩酸33 mL,チオジグリコール40 mL及びラウロマクロゴール溶液(1→4) 4 mLを水700mLに溶かし,pH 2.2に調整した後,水を加えて1000 mLとし,カプリル酸100 μLを加えて混和し,希釈用クエン酸ナトリウム溶液とする.試料(1)及び試料(2)に,用時製した4mol/Lメタンスルホン酸溶液50 μLをそれぞれ加え,-70℃に冷却した後,減圧で脱気する.これらの試験管を減圧で融封した後,115±2℃で24時間加熱する.冷後,開封し,4mol/L水酸化ナトリウム試液50 μLを加えた後,希釈用クエン酸ナトリウム溶液0.4 mLを加え,試料溶液(1)及び試料溶液(2)とする.別にL-アスパラギン酸,L-トレオニン,L-セリン,L-グルタミン酸,L-プロリン,グリシン,L-アラニン,L-バリン,L-メチオニン,L-イソロイシン,L-ロイシン,L-チロシン,L-フェニルアラニン,L-リシン塩酸塩,塩化アンモニウム,L-ヒスチジン塩酸塩一水和物及びL-アルギニン塩酸塩をそれぞれ0.25 mmolに対応する量,並びにL-シスチン0.125 mmolに対応する量を精密に量り,0.1 mol/L塩酸試液に溶かし,正確に100 mLとし,アミノ酸標準原液とする.この液1 mLを正確に量り,希釈用クエン酸ナトリウム溶液を加えて正確に25 mLとし,A液とする. L-トリプトファン約20 mgを精密に量り,水に溶かし,正確に1000 mLとし,B液とする.A液及びB液をそれぞれ10 mLずつ正確に量って合わせ,希釈用クエン酸ナトリウム溶液を加えて正確に50 mLとし,アミノ酸標準溶液とする.別にL-システイン酸約17 mgを精密に量り,希釈用クエン酸ナトリウム溶液に溶かし,正確に50 mLとする.この液1 mLを正確に量り,希釈用クエン酸ナトリウム溶液を加えて正確に100 mLとし,システイン酸標準溶液とする. (ⅱ) アミノ酸分析 試料溶液(1)及び試料溶液(2),アミノ酸標準溶液及びシステイン酸標準溶液0.25 mLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,試料溶液(1)から得られるアミノ酸のピークを確認する.また,試料溶液(1)及びアミノ酸標準溶液の各アミノ酸のピーク面積を測定し,試料溶液(1)のアラニンのモル 数を5.0としてアスパラギン酸,グルタミン酸,プロリン,グリシン,メチオニン,ロイシン,チロシン,フェニルアラニン,リシン,ヒスチジン,トリプトファン及びアルギニンの濃度を求めて各アミノ酸のモル比を求める.さらに,試料溶液(2)及びシステイン酸標準溶液のシステイン酸のピーク面積を測定し,システインの濃度を求め,試料溶液(2)のアラニンのモル数を5.0として,システインのモル比を求める. 試験条件 検出器:可視吸光光度計[測定波長:440 nm (プロリン)及び570 nm (プロリン以外のアミノ酸)] カラム:内径4 mm,長さ25 cmのステンレス管に5 μmのポリスチレンにスルホン酸基を結合した液体クロマトグラフィー用強酸性イオン交換樹脂を充塡する. カラム温度:試料注入時は50℃付近の一定温度.一定時間後に昇温し,62℃付近の一定温度 反応槽温度:98℃付近の一定温度 発色時間:約2分 移動相:移動相A,移動相B及び移動相Cを次の表に従って調製後,それぞれにカプリル酸0.1 mLを加える. 移動相及びカラム温度の切換え:アミノ酸標準溶液0.25mLにつき,上記の条件で操作するとき,アスパラギン酸,トレオニン,セリン,グルタミン酸,プロリン,グリシン,アラニン,シスチン,バリン,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,チロシン,フェニルアラニン,リシン,アンモニア,ヒスチジン,トリプトファン,アルギニンの順に溶出し,シスチンとバリンの分離度が2.0以上,アンモニアとヒスチジンの分離度が1.5以上になるように,移動相A,B,Cを順次切り換える.また,グルタミン酸とプロリンの分離度が2.0以上になるように,一定時間後に昇温する. 反応試薬:酢酸リチウム二水和物408 gを水に溶かし,酢酸(100) 100 mL及び水を加えて1000 mLとする.この液にジメチルスルホキシド1200 mL及び2-メトキシエタノール800 mLを加えて(Ⅰ)液とする.別にジメチルスルホキシド600 mL及び2-メトキシエタノール400 mLを混和した後,ニンヒドリン80 g及び水素化ホウ素ナトリウム0.15 gを加えて(Ⅱ)液とする.(Ⅰ)液3000 mLに,20分間窒素を通じた後,(Ⅱ)液1000 mLを速やかに加え,10分間窒素を通じ混和する. 移動相流量:毎分約0.275 mL 反応試薬流量:毎分約0.3 mL システム適合性 システムの性能:アミノ酸標準溶液0.25 mLにつき,上記の条件で操作するとき,トレオニンとセリンの分離度は1.5以上である. | 確認試験 (2) 本品及び確認試験用テセロイキンの適量をとり,それぞれ1 mL中にタンパク質約0.6 mgを含む液となるように水を加える.これらの液320 μLに,pH 9.0の1 mol/Lトリス緩衝液及び薄めたテセロイキン用リシルエンドペプチダーゼ(1→10000)を40 μLずつ加え,37°Cで2時間反応した後,1mol/L塩酸試液40 μLを加えて反応を停止し,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液40 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,両者のクロマトグラムを比較するとき,同一の保持時間のところに同様のピークを認める. 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:214 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:30℃付近の一定温度 移動相A:トリフルオロ酢酸試液 移動相B:液体クロマトグラフィー用アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸混液 (950:50:1) 移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する 流量:毎分1.0 mL システム適合性 システムの性能:標準溶液40 μLにつき,上記の条件で操作するとき,保持時間3分付近に溶媒のピークを認め,保持時間4分から20分付近までにテセロイキンを構成するペプチドの主要な9本のピークを認める.また,6本目のピークと7本目のピークの分離度は1.5以上である. |
分子量 2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール0.242 g,ラウリル硫酸ナトリウム5.0 g及びエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物74 mgを水60mLに溶かす.1 mol/L塩酸試液を加えてpH 8.0とした後,水を加えて100 mLとし,分子量測定用緩衝液とする.本品20 μLを正確に量り,分子量測定用緩衝液20 μL及び2-メルカプトエタノール2 μLを正確に加え,水分を蒸発させないようにして90 ~ 100℃の水浴上で5分間加熱する.冷後,ブロモフェノールブルー溶液(1→2000) 1 μLを正確に加え,振り混ぜ,試料溶液とする.別にテセロイキン用分子量マーカー5 μLを正確に量り,水50 μL,分子量測定用緩衝液55 μL及び2-メルカプトエタノール5 μLをそれぞれ正確に加え,水分を蒸発させないようにして90 ~ 100℃の水浴上で5分間加熱する.冷後,ブロモフェノールブルー溶液(1→2000) 1μLを正確に加え,よく振り混ぜ,分子量標準溶液とする.試料溶液及び分子量標準溶液1 μLにつき,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法により試験を行うとき,主バンドの分子量は14000 ~ 16000である. 試験条件 省略 泳動時間 省略 固定及び染色 省略 分子量の推定 省略 | 分子量 本品10 μLに,水45 μL,還元試液20 μL及びテセロイキン試料用緩衝液25 μLを加え,65℃で10分間加熱し,試料溶液とする.試料溶液10 μL及びテセロイキン用分子量マーカー10 μLにつき,テセロイキンSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動用緩衝液及びテセロイキン用ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行う.泳動後,クーマシーブリリアントブルーG-250を含む液に浸して染色する.その後,脱色してバンドを検出する.テセロイキン用分子量マーカーから得たバンドの移動距離を求め,分子量1.0 × 104 ~ 2.5× 104の範囲で分子量の対数に対して直線回帰し,検量線を作成する.試料溶液から得た主バンドの中心部の相対移動度を求め,検量線より本品の分子量を求めるとき1.40 × 104~ 1.60 × 104である. |
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純度試験 (1) デスメチオニル体 本品1 mLにタンパク質約0.17mgを含む液となるように水を加え,試料溶液とする.この 液1.2 mLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.テセロイキンのピーク面積A2及びテセロイキンに対する相対保持時間約0.8のデスメチオニル体のピーク面積A1を自動積分法により測定し,次式によりデスメチオニル体の量を求めるとき,1.0%以下である. デスメチオニル体の量(%)=A1/(A1 + A2) × 100 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280 nm) カラム:内径7.5 mm,長さ7.5 cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用ジエチルアミノエチル基を結合した合成高分子を充塡し,そのカラム2本を直列に接続する. カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相A:ジエタノールアミン0.658 gを水400 mLに混和し,1 mol/L塩酸試液を加えてpH 9.0に調整した後,水を加えて500 mLとする. 移動相B:pH 6 ~ 9用両性担体液2.6 mL及びpH 8 ~10.5用両性担体液0.5 mLに水300 mLを加えた後,薄めた塩酸(9→100)を加えてpH 7に調整した後,水を加えて400 mLとする. 移動相の切換え及び試料注入方法:移動相Aを送液しながら試料溶液を注入する.試料溶液は0.11 mLずつ10回繰り返し注入し,更に,100 μLを1回注入する.全量注入後,60分間移動相Aを送液した後,移動相Bを送液する.試料溶液を測定した後,カラムの後処理及び洗浄のために,1 mol/L塩化ナトリウム試液を10分間送液した後,移動相Aを送液しながら水酸化ナトリウム試液100 μLを注入し,55分間後に次の試料溶液の注入を開始する. 流量:テセロイキンの保持時間が45 ~ 65分になるように,移動相Bの流量を調整する.ただし,保持時間は,移動相Bに切り換えた時点から測定する. システム適合性 システムの性能:ウマ心臓由来で等電点が6.76及び7.16の2種ミオグロビンの混合物を水に溶かし,約0.5mg/mLの濃度とする.この液50 μL,本品50 μL及び水1.47 mLを混和する.この液1.2 mLにつき,上記の条件で操作するとき,ミオグロビン,テセロイキンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離する. | 純度試験 (1) デスメチオニル体 本品1 mLにタンパク質約0.5 mgを含む液となるように水を加え,試料溶液とする.この液1.2 mLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.テセロイキンのピーク面積A2及びテセロイキンに対する相対保持時間約0.8のデスメチオニル体の ピーク面積A1を自動積分法により測定し,次式によりデスメチオニル体の量を求めるとき,1.0%以下である. デスメチオニル体の量(%)=A1/(A1 + A2) × 100 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:280 nm) カラム:内径7.5 mm,長さ7.5 cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用ジエチルアミノエチル基を結合した合成高分子を充塡し,そのカラム2本を直列に接続する. カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相A:ジエタノールアミン0.66 gを水400 mLに混和し,1 mol/L塩酸試液を加えてpH 9.0に調整した後,水を加えて500 mLとする. 移動相B:pH 7 ~ 9用両性担体液2 mL及びpH 8 ~10.5用両性担体液5 mLに水1500 mLを加え,1 mol/L塩酸試液を加えてpH 7.0に調整した後,水を加えて2000 mLとする. 移動相の切換え及び試料注入方法:移動相Aを送液しながら試料溶液を注入する.試料溶液は100 μLずつ12回繰り返し注入する.全量注入後,60分間移動相Aを送液した後,移動相Bを送液する.試料溶液を測定した後,カラムの後処理及び洗浄のために,1 mol/L塩化ナトリウム試液を10分間送液した後,移動相Aを送液しながら水酸化ナトリウム試液100 μLを注入し,55分後に次の試料溶液の注入を開始する.保持時間は,移動相Bに切り換えた時点から測定する. 流量:毎分 0.8 mL システム適合性 システムの性能:ウマ心臓由来で等電点が6.76及び7.16の2種ミオグロビンの混合物を水に溶かし,約0.5mg/mLの濃度とする.この液200 μL,本品200 μL及び水2.74 mLを混和する.この液1.2 mLにつき,上記の条件で操作するとき,ミオグロビン,テセロイキンの順に溶出し,その分離度は1.5以上である. |
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純度試験 (2) 二量体 本品20 μLに0.2%ラウリル硫酸ナトリウム試液20 μLを加え,試料溶液とする.この液20 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.テセロイキンのピーク面積A2及びテセロイキンに対する相対保持時間0.8 ~ 0.9の二量体のピーク面積A1を自動積分法により測定し,次式により二量体の量を求めるとき,1.0%以下である. 二量体の量(%)=A1/(A1 + A2) × 100 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220 nm) カラム:内径7.5 mm,長さ60 cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用グリコールエーテル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相:ラウリル硫酸ナトリウム1.0 gをpH 7.0の0.1mol/Lリン酸ナトリウム緩衝液に溶かし,1000 mLとする. 流量:テセロイキンの保持時間が30 ~ 40分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:炭酸脱水酵素5 mg及びα-ラクトアルブミン5 mgを水100 mLに溶かした液20 μLに,0.2%ラウリル硫酸ナトリウム試液20 μLを加える.この液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,炭酸脱水酵素,α-ラクトアルブミンの順に溶出し,その分離度は1.5以上である. システムの再現性:試料溶液1 mLを正確に量り,移動相を加えて正確に20 mLとした液1 mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10 mLとする.この液20 μLにつき,上記の条件で試験を3回繰り返すとき,テセロイキンのピーク面積の相対標準偏差は7%以下である. | 純度試験 (2) 二量体 本品1容量に0.2%ラウリル硫酸ナトリウム試液1容量を加え,試料溶液とする.この液20 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う. テセロイキンのピーク面積A2及びテセロイキンに対する相対保持時間0.8 ~ 0.9の二量体のピーク面積A1を自動積分法により測定し,次式により二量体の量を求めるとき,1.0%以下である. 二量体の量(%)=A1/(A1 + A2) × 100 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220 nm) カラム:内径7.5 mm,長さ60 cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフィー用グリコールエーテル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相:ラウリル硫酸ナトリウム1.0 gをpH 7.0の0.1mol/Lリン酸ナトリウム緩衝液に溶かし,1000 mLとする. 流量:テセロイキンの保持時間が30 ~ 40分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:炭酸脱水酵素1 mg及びα-ラクトアルブミン1 mgを水20 mLに溶かした液1容量に,0.2%ラウリル硫酸ナトリウム試液1容量を加える.この液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,炭酸脱水酵素,α-ラクトアルブミンの順に溶出し,その 分離度は1.5以上である. システムの再現性:試料溶液の適量を正確に量り,移動相を加えて正確に200倍に希釈する.この液20 μLにつき,上記の条件で試験を3回繰り返すとき,テセロイキンのピーク面積の相対標準偏差は7%以下である. |
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純度試験 (4) その他の異種タンパク質 本品5 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,各々のピーク面積を自動積分法により測定する.面積百分率法によりそれらの量を求めるとき,テセロイキン及び溶媒以外のピークの合計量は1.0%以下である. 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:30℃付近の一定温度 移動相A:トリフルオロ酢酸の水/アセトニトリル混液(19:1)溶液(1→1000) 移動相B:トリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液(7→10000) 移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する. 流量:1.0 mL/分 面積測定範囲:テセロイキンの保持時間の約1.2倍の範囲 システム適合性 システムの性能:本品83.6 μLに水3.8 μL及びポリソルベート80溶液(1→100) 16.6 μLを加え,1時間以上静置する.この液5 μLにつき,上記の条件で操作するとき,テセロイキンに対する相対保持時間約0.98のピークとテセロイキンのピークは完全に分離する. | 純度試験 (4) その他の異種タンパク質 本品5 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,各々のピーク面積を自動積分法により測定する.面積百分率 法によりそれらの量を求めるとき,テセロイキン及び溶媒以外のピークの合計量は1.0%以下である. 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:25℃付近の一定温度 移動相A:トリフルオロ酢酸試液 移動相B:トリフルオロ酢酸の液体クロマトグラフィー用アセトニトリル溶液(1→1000) 移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する. |
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酢酸 本品0.25 mLを正確に量り,内標準溶液0.25 mLを正確に加え,試料溶液とする.別に酢酸(100) 3 mLを正確に量り,水を加えて正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,水を加えて正確に100 mLとする.この液2 mLを正確に量り,内標準溶液2 mLを正確に加えて標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する酢酸のピーク面積の比Q T及びQ Sを求め,次式により本品1 mL中の酢酸(C2H4O2)の量を求めるとき,2.85 ~ 3.15 mgである. 本品1 mL中の酢酸(C2H4O2)の量(mg) =Q T/Q S × 1.5 × 1.049 × 2 1.5:標準溶液の酢酸(100)濃度(μL/mL) 1.049:25℃における酢酸(100)の密度(mg/μL) 2:希釈倍率 内標準溶液 薄めたプロピオン酸(1→500) 試験条件 検出器:水素炎イオン化検出器 カラム:内径1.2 mm,長さ40 mのガラス管の内面に,ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコールを化学結合させて被覆し,厚さ1.0 μmとしたもの. カラム温度:110℃付近の一定温度 キャリヤーガス:ヘリウム 流量:酢酸の保持時間が約8分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:標準溶液1 μLにつき,上記の条件で操作するとき,酢酸,内標準物質の順に流出し,その分離度は3以上である. システムの再現性:標準溶液1 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対する酢酸のピーク面積の比の相対標準偏差は5%以下である. | 酢酸 本品適量を正確に量り,水で正確に20倍に希釈し,試料溶液とする.別に酢酸(100) 1 mLを正確に量り,水を加えて正確に100 mLとする.この液3 mLを正確に量り,水を加えて正確に200 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20 μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,酢酸のピーク面積AT及びASを測定し,次式により本品1 mL中の酢酸(C2H4O2)の量を求めるとき,2.85 ~ 3.15 mgである. 本品1 mL中の酢酸(C2H4O2)の量(mg) =AT/AS × 0.15 × 1.049 × 20 0.15:標準溶液の酢酸 (100) 濃度(μL/mL) 1.049:25℃における酢酸 (100) の密度(mg/μL) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計 (測定波長:210 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に,5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:リン酸0.7 mLに水900 mLを加え,8 mol/L水酸化ナトリウム試液を加えてpH 3.0に調整した後,水を加えて1000 mLとする.この液950 mLに液体クロマトグラフィー用メタノール50 mLを加える. 流量:酢酸の保持時間が約4分となるように調整する. システム適合性 システムの性能:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,酢酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である. システムの再現性:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,酢酸のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である. |
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低置換度ヒドロキシプロピルセルロース | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,外径20 mm,高さ50 mm,首部の外径20 mm及び内径13 mm,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに直径20 mm,深さ32 mmの穴をあけたもので分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有するか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸0.06 ~ 0.10 g,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る.分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加温器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスターラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸0.06 ~ 0.10g,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨウ化イソプロピル15 ~22 μLを加え,その質量を精密に量る.分解瓶をよく振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. ヒドロキシプロポキシ基(C3H7O2)の量(%) =MS/MT × Q T/Q S × 44.17 MS:定量用ヨウ化イソプロピルの秤取量(mg) MT:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器. カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,その後,毎分35℃で250℃まで昇温し,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL(内標準物質の保持時間約10分). スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨウ化イソプロピル,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システムの再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積の比の相対標準偏差は2.0%以下である. | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,外径20 mm,高さ50 mm,首部の外径20 mm及び内径13 mm,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに直径20 mm,深さ32 mmの穴をあけたもので分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有するか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸0.06 ~ 0.10 g,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る.分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加温器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスターラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸0.06 ~ 0.10g,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨウ化イソプロピル15 ~22 μLを加え,その質量を精密に量る.分解瓶をよく振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. ヒドロキシプロポキシ基(C3H7O2)の量(%) =MS/MT × Q T/Q S × 44.17 MS:定量用ヨウ化イソプロピルの秤取量(mg) MT:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器. カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.なお,必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,次に毎分35℃で250℃まで昇温し,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL(内標準物質の保持時間約10分). スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨウ化イソプロピル,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システムの再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨウ化イソプロピルのピーク面積の比の相対標準偏差は2.0%以下である. |
ヒプロメロース | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,外径20 mm,高さ50 mm,首部の外径20 mm及び内径13 mm,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに直径20 mm,深さ32 mmの穴をあけたもので,分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有するか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸60 ~ 100 mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る. 分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加熱器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスタ ーラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸60 ~ 100mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨードメタン45 μL及び定量用ヨウ化イソプロピル15 ~ 22 μLを加え,再びそれぞれの質量を精密に量る.分解瓶をよく振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比Q Ta,Q Tb及びQ Sa,Q Sbを求める. メトキシ基(CH3O)の量(%) =MSa/M × Q Ta/Q Sa × 21.86 ヒドロキシプロポキシ基(C3H7O2)の量(%) =MSb/M × Q Tb/Q Sb × 44.17 MSa:定量用ヨードメタンの秤取量(mg) MSb:定量用ヨウ化イソプロピルの秤取量(mg) M:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器 カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.なお,必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,次に毎分35℃で250℃まで昇温する.その後,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL (内標準物質の保持時間約10分) スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨードメタン,ヨウ化イソプロピル,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システム再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン,ヨウ化イソプロピルのピーク面積の比の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である. | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに穴をあけたもので,分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有す るか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸60 ~ 100 mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る. 分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加熱器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスタ ーラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸60 ~ 100mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨードメタン45 μL及び定量用ヨウ化イソプロピル15 ~ 22 μLを加え,再びそれぞれの質量を精密に量る.分解瓶をよく振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比Q Ta,Q Tb及びQ Sa,Q Sbを求める. メトキシ基(CH3O)の量(%) =MSa/M × Q Ta/Q Sa × 21.86 ヒドロキシプロポキシ基(C3H7O2)の量(%) =MSb/M × Q Tb/Q Sb × 44.17 MSa:定量用ヨードメタンの秤取量(mg) MSb:定量用ヨウ化イソプロピルの秤取量(mg) M:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 21.86:メトキシ基の式量/ヨードメタンの分子量 ×100 44.17:ヒドロキシプロポキシ基の式量/ヨウ化イソプロピルの分子量 × 100 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器 カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.なお,必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,次に毎分35℃で250℃まで昇温する.その後,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL (内標準物質の保持時間約10分) スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨードメタン,ヨウ化イソプロピル,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システムの再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン,ヨウ化イソプロピルのピーク面積の比の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である. |
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル | 性状 本品は白色~微黄色の粉末である. 本品はメタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない. 融点:約208℃(分解). 本品は結晶多形が認められる. | 性状 本品は白色~微黄色の粉末である. 本品は,メタノール又は酢酸エチルにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない. 融点:約208℃(分解). 本品は結晶多形が認められる. |
純度試験 (2) 類縁物質 本品20 mgをクロロホルム/メタノール混液(9:1) 5 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,クロロホルム/メタノール混液(9:1)を加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に1,2-ジクロロエタン/メタノール/水混液(475:25:1)を展開溶媒として約15 cm展開した後,薄層板を風乾する.これにアル カリ性ブルーテトラゾリウム試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない. | 純度試験 (2) 類縁物質 本品20 mgを酢酸エチル5 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,酢酸エチルを加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/ペンタン(3:2)を展開溶媒として約15 cm展開した後,薄層板を風乾する.これにアルカリ性ブルーテトラゾリウム試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない. |
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ポリスチレンスルホン酸ナトリウム | 冒頭 本品はスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体にスルホン酸基を結合させ,ナトリウム型とした陽イオン交換樹脂である. 本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,ナトリウム(Na:22.99) 9.4 ~ 11.0%を含む. 本品の換算した脱水物1 gは0.110 ~ 0.135 gのカリウム(K:39.10)と交換する. | 冒頭 本品はスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体にスルホン酸基を結合させ,ナトリウム型とした陽イオン交換樹脂である. 本品は定量するとき,換算した脱水物に対し,ナトリウム(Na:22.99) 9.4 ~ 11.5%を含む. 本品の換算した脱水物1 gは0.110 ~ 0.135 gのカリウム(K:39.10)と交換する. |
性状 本品は黄褐色の粉末で,におい及び味はない.本品は水,エタノール(95),アセトン又はジエチルエーテルにほとんど溶けない. | 性状 本品は黄褐色の粉末で,におい及び味はない.本品は水,メタノール,エタノール(99.5)又はアセトンにほとんど溶けない. 本品は希塩酸又は水酸化ナトリウム試液にほとんど溶けない. |
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定量法 (1) ナトリウム 本品の換算した脱水物約1 gを精密に共栓ガラス容器に量り,3 mol/L塩酸試液50 mLを正確に加えて,60分間振り混ぜた後,ろ過する.初めのろ液20 mLを除き,次のろ液5 mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液20 mLを正確に量り,水を加えて正確に1000 mLとし,試料溶液とする.別にナトリウム標準原液適量を正確に量り,水を加えて1 mL中にナトリウム(Na:22.99) 1 ~ 3 μgを含むように正確に薄め,標準溶液とする. 試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法〈2.23〉により試験を行い,標準溶液から得た検量線を用いて,試料溶液中のナトリウム含量を求める. 使用ガス: 可燃性ガス アセチレン 支燃性ガス 空気 ランプ:ナトリウム中空陰極ランプ 波長:589.0 nm | 定量法 (1) ナトリウム 本品の換算した脱水物約0.75 gを精密に量り,3 mol/L塩酸試液50 mLを正確に加えて,60分間振り混ぜた後,孔径0.45 μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10 mLを除き,次のろ液2 mLを正確に量り,水を加えて正確に300 mLとする.この液10 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別に塩化ナトリウム(標準試薬)を130℃で2時間乾燥し,その2.542 gを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液に溶かし,正確に1000 mLとし,標準原液とする.この液の適量を正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて1 mL中にナトリウム(Na:22.99) 1 ~ 3 μgを含むように正確に薄め,標準溶液とする. 試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法〈2.23〉により試験を行い,標準溶液から得た検量線を用いて,試料溶液中のナトリウム含量を求める. 使用ガス: 可燃性ガス アセチレン 支燃性ガス 空気 ランプ:ナトリウム中空陰極ランプ 波長:589.0 nm |
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定量法 (2) カリウム交換容量 本品の換算した脱水物約1.5 gを精密に共栓ガラス容器に量り,カリウム標準原液100 mLを正確に加え,15分間振り混ぜた後,ろ過する.初めのろ液20 mLを除き,次のろ液10 mLを正確に量り,水を加えて正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,水を加えて正確に1000 mLとし,試料溶液とする.別にカリウム標準原液適量を正確に量り,水を加えて1 mL中にカリウム(K:39.10) 1 ~ 5 μgを含むように正確に薄め,標準溶液とする. 試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法〈2.23〉により試験を行い,標準溶液から得た検量線を用いて試料溶液1000 mL中のカリウム含量Y (mg)を求める. 次の式によって本品の換算した脱水物1 g当たりのカリウム交換量を計算するとき,0.110 ~ 0.135 gである. 本品の換算した脱水物1 g当たりのカリウム(K)交換量(mg) =(X - 100Y )/M X :交換前のカリウム標準原液100 mL中のカリウム量(mg) M:脱水物に換算した本品の秤取量(g) 使用ガス: 可燃性ガス アセチレン 支燃性ガス 空気 ランプ:カリウム中空陰極ランプ 波長:766.5 nm | 定量法 (2) カリウム交換容量 本品の換算した脱水物約1.5 gを精密に量り,カリウム標準原液100 mLを正確に加え,15分間振り混ぜた後,孔径0.45 μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10 mLを除き,次のろ液10 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に100 mLとする.この液2 mLを正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて正確に200 mLとし,試料溶液とする.別にカリウム標準原液適量を正確に量り,0.02 mol/L塩酸試液を加えて1 mL中にカリウム(K:39.10) 1 ~ 5 μgを含むように正確に薄め,標準溶液とする. 試料溶液及び標準溶液につき,次の条件で原子吸光光度法〈2.23〉により試験を行い,標準溶液から得た検量線を用いて試料溶液1000 mL中のカリウム含量Y (mg)を求める.次式により本品の換算した脱水物1 g当たりのカリウム交換量を計算するとき,0.110 ~ 0.135 gである. 本品の換算した脱水物1 g当たりのカリウム(K)交換量(mg) =(X - 100Y )/M X :交換前のカリウム標準原液100 mL中のカリウム量(mg) M:脱水物に換算した本品の秤取量(g) 使用ガス: 可燃性ガス アセチレン 支燃性ガス 空気 ランプ:カリウム中空陰極ランプ 波長:766.5 nm |
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メチルセルロース | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,外径20 mm,高さ50 mm,首部の外径20 mm及び内径13 mm,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに直径20 mm,深さ32 mmの穴をあけたもので,分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有するか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸60 ~ 100 mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る. 分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加熱器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスタ ーラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸60 ~ 100mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨードメタン45 μLを加え,再びその質量を精密に量る.分解瓶をよく振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタンのピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. メトキシ基(CH3O)の量(%)=MS/M × Q T/Q S × 21.86 MS:定量用ヨードメタンの秤取量(mg) M:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器. カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,次に毎分35℃で250℃まで昇温し,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL(内標準物質の保持時間約10分). スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨードメタン,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システムの再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタンのピーク面積の比の相対標準偏差は2.0%以下である. | 定量法 (ⅰ) 装置 分解瓶:5 mLの耐圧セラムバイアルで,セプタムは表面がフッ素樹脂で加工されたブチルゴム製で,アルミニウム製のキャップを用いてセラムバイアルに固定して密栓できるもの.又は同様の気密性を有するもの. 加熱器:角型金属アルミニウム製ブロックに穴をあけたもので,分解瓶に適合するもの.加熱器はマグネチックスターラーを用いて分解瓶の内容物をかき混ぜる構造を有す るか,又は振とう器に取り付けられて,毎分約100回の往復振とうができるもの. (ⅱ) 操作法 本品約65 mgを精密に量り,分解瓶に入れ,アジピン酸60 ~ 100 mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを加え,直ちに密栓し,その質量を精密に量る. 分解瓶の内容物の温度が130±2℃になるようにブロックを加熱しながら,加熱器に付属したマグネチックスターラー又は振とう器を用いて60分間かき混ぜる.マグネチックスタ ーラー又は振とう器が使えない場合には,加熱時間の初めの30分間,5分ごとに手で振り混ぜる.冷後,その質量を精密に量り,減量が26 mg未満及び内容物の漏れがないとき,混合物の上層を試料溶液とする.別にアジピン酸60 ~ 100mg,内標準溶液2.0 mL及びヨウ化水素酸2.0 mLを分解瓶にとり,直ちに密栓し,その質量を精密に量り,マイクロシリンジを用いセプタムを通して定量用ヨードメタン45 μLを加え,再びその質量を精密に量る.分解瓶を振り混ぜた後,内容物の上層を標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液1 ~ 2 μLにつき,次の条件でガスクロマトグラフィー〈2.02〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタンのピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. メトキシ基(CH3O)の量(%)=MS/M × Q T/Q S × 21.86 MS:定量用ヨードメタンの秤取量(mg) M:乾燥物に換算した本品の秤取量(mg) 21.86:メトキシ基の式量/ヨードメタンの分子量 ×100 内標準溶液 n-オクタンのo-キシレン溶液(3→100) 試験条件 検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器. カラム:内径0.53 mm,長さ30 mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ジメチルポリシロキサンを厚さ3 μmで被覆する.なお,必要ならば,ガードカラムを使用する. カラム温度:50℃を3分間保持した後,毎分10℃で100℃まで昇温し,次に毎分35℃で250℃まで昇温し,250℃を8分間保持する. 注入口温度:250℃ 検出器温度:280℃ キャリヤーガス:ヘリウム 流量:毎分4.3 mL(内標準物質の保持時間約10分). スプリット比:1:40 システム適合性 システムの性能:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヨードメタン,内標準物質の順に流出し,その分離度は5以上である. システムの再現性:標準溶液1 ~ 2 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対するヨードメタンのピーク面積の比の相対標準偏差は2.0%以下である. |
ロキソプロフェンナトリウム水和物 | 性状 本品は白色~微黄色の粉末である. 本品はメタノールにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない. 融点:約208℃(分解). 本品は結晶多形が認められる. | 性状 本品は白色~微黄色の粉末である. 本品は,メタノール又は酢酸エチルにやや溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない. 融点:約208℃(分解). 本品は結晶多形が認められる. |
純度試験 (3) 類縁物質 本品1.0 gをメタノール10 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に200 mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う. 試料溶液及び標準溶液10 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次に1,2-ジクロロエタン/酢酸(100)混液(9:1)を展開溶媒として約15 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254 nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない. | 純度試験 (3) 類縁物質 本品1.0 gをエタノール(99.5) 10 mLに溶かし,試料溶液とする.この液1 mLを正確に量り,エタノール(99.5)を加えて正確に200 mLとし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う. 試料溶液及び標準溶液10 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次にペンタン/酢酸エチル/酢酸(100)混液(10:9:1)を展開溶媒として約15 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254 nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない. |
第2追補 医薬品各条(生薬等)
新規収載生薬 削除生薬 | |||
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新規 収載 (1品目) | 辛夷清肺湯エキス | 削除 (0品目) | なし |
生薬等の医薬品各条の変更内容です。
赤字が変更部分になります。
アマチャ | 生薬の性状 本品は,通例,しわがよって縮み,暗緑色~暗黄緑色を呈する.水に浸してしわを伸ばすと,ひ針形~鋭頭卵形で,長さ5 ~ 15 cm,幅2 ~ 10 cm,辺縁に鋸歯があり,基部はややくさび状である.両面に粗毛があり,特に葉脈上に多い.細脈は辺縁に達せずに上方に向かって曲がり,互いに連絡し,葉柄は短く葉身の1/5に達しない. 本品は僅かににおいがあり,特異な甘味がある. | 生薬の性状 本品は,通例,しわがよって縮み,暗緑色~暗黄緑色を呈する.水に浸してしわを伸ばすと,ひ針形~鋭頭卵形で,長さ5 ~ 15 cm,幅2 ~ 10 cm,辺縁に鋸歯があり,基部はややくさび状である.向軸面及び背軸面に粗毛があり,特に葉脈上に多い.細脈は辺縁に達しないで上方に向かって曲がり,互いに連絡する.葉柄は短く葉身の1/5に達しない. 本品は僅かににおいがあり,特異な甘味がある. |
インチンコウ | 生薬の性状 本品は卵形~球形の長さ1.5 ~ 2 mm,径約2mmの頭花を主とし,糸状の葉と小花柄からなる.頭花の外面は淡緑色~淡黄褐色,葉の外面は緑色~緑褐色,小花柄の外面は緑褐色~暗褐色を呈する.頭花をルーペ視するとき,総苞片は3 ~ 4列に覆瓦状に並び,外片は卵形で,先端は鈍形,内片は楕円形で外片より長く,長さ1.5 mm,内片の中央部は竜骨状となり,周辺部は広く薄膜質となる.小花は筒状花で,頭花の周辺部のものは雌性花,中央部は両性花である.そう果は倒卵形で,長さ0.8 mmである.質は軽い. 本品は特異な弱いにおいがあり,味はやや辛く,僅かに麻痺性である. | 生薬の性状 本品は卵形~球形の長さ1.5 ~ 2 mm,径約2mmの頭花を主とし,その柄と糸状の葉からなる.頭花の外面は淡緑色~淡黄褐色,柄の外面は緑褐色~暗褐色,葉の外面は緑色~緑褐色を呈する.頭花をルーペ視するとき,総苞片は3 ~ 4列に覆瓦状に並び,外片は卵形で,先端は鈍形,内片は楕円形で外片より長く,長さ1.5 mm,内片の中央部は竜骨状となり,周辺部は広く薄膜質となる.小花は管状花で,頭花の周辺部のものは雌性花,中央部は両性花である.そう果は倒卵形で,長さ0.8 mmである.質は軽い. 本品は特異な弱いにおいがあり,味はやや辛く,僅かに麻痺性である. |
インヨウカク | 生薬の性状 本品は茎及び1 ~ 3回三出複葉からなる.小葉は卵形~広卵形又は卵状ひ針形,長さ3 ~ 20 cm,幅2 ~ 8cmで,小葉柄は長さ1.5 ~ 7 cmである.先端は鋭くとがり,辺縁には長さ0.1 ~ 0.2 cmの刺毛がある.基部は心臓形~深心臓形で,三小葉の側葉では非対称である.表面は緑色~緑褐色でときに艶があり,裏面は淡緑色~淡灰緑褐色を呈し,しばしば有毛で,葉脈が顕著である.質は紙質か又は革質である.葉柄及び茎は円柱形で淡黄褐色~帯紫淡緑褐色を呈し,折りやすい. 本品は僅かににおいがあり,味は僅かに苦い. 本品の葉の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈部には3~ 6本の維管束があり,葉肉部は上面表皮,1層の柵状組織,海綿状組織,下面表皮からなる.葉縁部は円形~楕円形で厚壁組織で埋まる.表皮には多細胞毛がある.葉柄には8 ~20本,小葉柄には6 ~ 15本の維管束がある.本品の茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,下皮は1 ~数細胞層で,皮層の厚壁組織は4 ~ 10細胞層である.維管束は13 ~ 30本あり,楕円形~倒卵形である. | 生薬の性状 本品は茎及び1 ~ 3回三出複葉からなる.小葉は卵形~広卵形又は卵状ひ針形,長さ3 ~ 20 cm,幅2 ~8 cmで,小葉柄は長さ1.5 ~ 7 cmである.先端は鋭くとがり,辺縁には長さ0.1 ~ 0.2 cmの刺毛がある.基部は心臓形~深心臓形で,三小葉の側葉は非対称である.向軸面は緑色~緑褐色でときに艶があり,背軸面は淡緑色~淡灰緑褐色を呈し,しばしば有毛で,葉脈が顕著である.質は紙質か又は革質である.葉柄及び茎は円柱形で淡黄褐色~帯紫淡緑褐色を呈し,折りやすい. 本品は僅かににおいがあり,味は僅かに苦い. 本品の葉の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈部には3~ 6個の維管束があり,葉肉部は向軸側表皮,1細胞層の柵状組織,海綿状組織,背軸側表皮からなる.葉縁部は円形~楕円形で厚壁組織で埋まる.表皮には多細胞毛がある.葉柄には8 ~ 20個,小葉柄には6 ~ 15個の維管束が認められる.本品の茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,下皮は1 ~数細胞層で,皮層の厚壁細胞層は4 ~ 10細胞層である.維管束は13 ~ 30個あり,楕円形~倒卵形である. |
ウヤク | 生薬の性状 本品は紡錘形又はところどころくびれた連珠状を呈し,長さ10 ~ 15 cm,径10 ~ 25 mmである.外面は黄褐色~褐色を呈し,僅かに細根の跡がある.横切面の皮部は褐色,木部は淡黄褐色を呈し,褐色の同心性の輪及び放射状の線がある.質は緻密で堅い. 本品は樟脳様のにおいがあり,味は苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,周皮を残すものでは数細胞層のコルク層がありコルク層の一部はコルク石細胞からなる.油細胞及び繊維を含む皮部柔組織が認められることがある.木部では道管及び木部繊維と,放射組織が交互に配列する.皮部及び木部の柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの砂晶及び柱状晶,径1 ~ 15 μmの単粒のでんぷん粒及び2~ 4粒からなる複粒のでんぷん粒を含む. | 生薬の性状 本品は紡錘形又はところどころくびれた連珠状を呈し,長さ10 ~ 15 cm,径1 ~ 2.5 cmである.外面は黄褐色~褐色を呈し,僅かに細根の跡がある.横切面の皮部は褐色,木部は淡黄褐色を呈し,褐色の同心性の輪及び放射状の線がある.質は緻密で堅い. 本品は樟脳様のにおいがあり,味は苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,二次皮層が残存するものでは,最外層は数細胞層のコルク層で,コルク細胞の一部はコルク石細胞である.二次皮層には油細胞及び繊維を認めることがある.二次皮層が剥離したものでは,最外層は形成層又は二次木部である.木部は道管及び木部繊維と,放射組織が交互に配列する.二次皮層及び木部の柔細胞中に単粒及び2 ~ 4個の複粒のでんぷん粒を含み,単粒の径は1~ 15 μmである.また,シュウ酸カルシウムの結晶は認めないか,又は認めることがあっても,極めて僅かである. |
ウワウルシ | 生薬の性状 本品は倒卵形~へら形を呈し,長さ1 ~ 3 cm,幅0.5 ~ 1.5 cm,上面は黄緑色~暗緑色,下面は淡黄緑色である.全縁で先端は鈍形又は円形でときにはくぼみ,基部はくさび形で,葉柄は極めて短い.葉身は厚く,上面に特異な網状脈がある.折りやすい. 本品は弱いにおいがあり,味は僅かに苦く,収れん性である. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,クチクラは厚く,柵状組織と海綿状組織の柔細胞の形は類似する.維管束中には一細胞列からなる放射組織が扇骨状に2 ~ 7条走り,維管束の上下面の細胞中には,まばらにシュウ酸カルシウムの多角形の単晶及び集晶を含む.他の葉肉組織中には結晶を認めない. | 生薬の性状 本品は倒卵形~へら形を呈し,長さ1 ~ 3 cm,幅0.5 ~ 1.5 cm,向軸面は黄緑色~暗緑色,背軸面は淡黄緑色である.全縁で先端は鈍形又は円形でときにはくぼみ,基部はくさび形で,葉柄は極めて短い.葉身は厚く,向軸面に特異な網状脈が認められる.折りやすい. 本品は弱いにおいがあり,味は僅かに苦く,収れん性である. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,向軸側及び背軸側表皮は厚いクチクラを有し,柵状組織と海綿状組織の柔細胞の形は類似する.維管束中には1細胞列からなる放射組織が扇骨状に2 ~ 7条走り,維管束部の向軸側及び背軸側の細胞中には,まばらにシュウ酸カルシウムの多角形の単晶及び集晶を含む.他の葉肉組織中には結晶を認めない. |
オウセイ | 確認試験 (1) 本品の細切0.5 gに無水酢酸2 mLを加えて水浴上で2分間加温した後,ろ過する.ろ液1 mLに硫酸0.5 mLを穏やかに加えるとき,境界面は赤褐色を呈する. | 確認試験 (1) 本品の粗切0.5 gに無水酢酸2 mLを加えて水浴上で2分間加温した後,ろ過する.ろ液1 mLに硫酸0.5 mLを穏やかに加えるとき,境界面は赤褐色を呈する. |
確認試験 (2) 本品の細切1.0 gに希塩酸10 mLを加えて2分間穏やかに煮沸した後,ろ過し,ろ液に水酸化ナトリウム試液を加えて中和する.この液3 mLにフェーリング試液1 mLを加えて加温するとき,赤色の沈殿を生じる. | 確認試験 (2) 本品の粗切1.0 gに希塩酸10 mLを加えて2分間穏やかに煮沸した後,ろ過し,ろ液に水酸化ナトリウム試液を加えて中和する.この液3 mLにフェーリング試液1 mLを加えて加温するとき,赤色の沈殿を生じる. |
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純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | 純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粗切3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). |
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純度試験 (2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5 ppm以下). | 純度試験 (2) ヒ素〈1.11〉 本品の粗切1.0 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う.ただし,標準色の調製にはヒ素標準液5.0 mLを用いる(5 ppm以下). |
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ガイヨウ | 生薬の性状 本品は縮んだ葉及びその破片からなり,しばしば細い茎を含む.葉の上面は暗緑色を呈し,下面は灰白色の綿毛を密生する.水に浸して広げると,形の整った葉身は長さ4 ~ 15 cm,幅4 ~ 12 cm,1 ~ 2回羽状中裂又は羽状深裂する.裂片は2 ~ 4対で,長楕円状ひ針形又は長楕円形で鋭尖形,ときに鈍形,辺縁は不揃いに切れ込むか全縁である.小型の葉は3中裂又は全縁で,ひ針形を呈する. 本品は特異なにおいがあり,味はやや苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈部の表皮の内側には数細胞層の厚角組織がある.主脈部の中央部には維管束があり,師部と木部に接して繊維束が認められることがある.葉肉部は上面表皮,柵状組織,海綿状組織,下面表皮からなり,葉肉部の表皮には長柔毛,T字状毛,腺毛が認められる.表皮細胞はタンニン様物質を含み,柔細胞は油状物質,タンニン様物質などを含む. | 生薬の性状 本品は縮んだ葉及びその破片からなり,しばしば細い茎を含む.葉の向軸面は暗緑色を呈し,背軸面は灰白色の綿毛を密生する.水に浸してしわを伸ばすと,形の整った葉身は長さ4 ~ 15 cm,幅4 ~ 12 cm,1 ~ 2回羽状中裂又は羽状深裂する.裂片は2 ~ 4対で,長楕円状ひ針形又は長楕円形で,先端は鋭尖形,ときに鈍形,辺縁は不揃いに切れ込むか全縁である.小型の葉は3中裂又は全縁で,ひ針形を呈する. 本品は特異なにおいがあり,味はやや苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈部の向軸側及び背軸側表皮の内側には数細胞層の厚角組織がある.主脈部の中央部には維管束があり,師部と木部に接して繊維束が認められることがある.葉肉部は向軸側表皮,柵状組織,海綿状組織,背軸側表皮からなり,葉肉部の表皮には長柔毛,T字状毛,腺毛が認められる.表皮細胞はタンニン様物質を含み,柔細胞は油状物質,タンニン様物質などを含む. |
カッコウ | 生薬の性状 本品は茎及びこれに対生した葉からなる.葉はしわがよって縮み,水に浸してしわを伸ばすと,卵形~卵状長楕円形を呈し,長さ2.5 ~ 10 cm,幅2.5 ~ 7 cm,辺縁に鈍鋸歯があり,基部は広いくさび形で葉柄を付ける.葉の上面は暗褐色,下面は灰褐色を呈し,両面に密に毛がある.茎は方柱形,中実で,表面は灰緑色を呈し,灰白色~黄白色の毛があり,髄は大きく,類白色で海綿状を呈する.ルーペ視するとき,毛,腺毛及び腺りんを認める. 本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. 本品の葉柄の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,向軸面中央は大きく突出し,その表皮の内側に厚角細胞が認められる.中央部の維管束は2群に分かれる.葉身主脈部の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈の向軸面は大きく突出し,その表皮の内側に厚角細胞が認められる.中央部には扇状に配列した維管束がある.茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,表皮の内側に数細胞層の厚角組織が認められる.ときに表皮下にコルク層が発達することがある.皮層の内側には並立維管束が環状に配列し,師部の外側に師部繊維群が認められる.皮層の柔細胞中に油滴が,髄の柔細胞中にシュウ酸カルシウムの針晶,単晶又は柱状晶が認められる. | 生薬の性状 本品は茎及びこれに対生した葉からなる.葉はしわがよって縮み,水に浸してしわを伸ばすと,卵形~卵状長楕円形を呈し,長さ2.5 ~ 10 cm,幅2.5 ~ 7 cm,辺縁に鈍鋸歯があり,基部は広いくさび形で葉柄を付ける.葉の向軸面は暗褐色,背軸面は灰褐色を呈し,両面に密に毛がある.茎は方柱形,中実で,表面は灰緑色を呈し,灰白色~黄白色の毛があり,髄は大きく,類白色で海綿状を呈する.ルーペ視するとき,毛,腺毛及び腺りんを認める. 本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. 本品の葉柄の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,向軸面中央は大きく突出し,その表皮の内側に厚角細胞が認められる.中央部の維管束は2群に分かれる.葉身主脈部の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主脈の向軸面は大きく突出し,その表皮の内側に厚角細胞が認められる.中央部には扇状に配列した維管束がある.茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,表皮の内側に数細胞層の厚角組織が認められる.ときに表皮下にコルク層が発達することがある.皮層の内側には並立維管束が環状に配列し,師部の外側に師部繊維群が認められる.皮層の柔細胞中に油滴が,髄の柔細胞中にシュウ酸カルシウムの針晶,単晶又は柱状晶が認められる. |
カッコン | 生薬の性状 本品は,通例,一辺約0.5 cmの不正六面体に切断したもの,又は長さ20 ~ 30 cm,幅5 ~ 10 cm,厚さ約1cmの板状に縦割したもので,外面は淡灰黄色~灰白色を呈する.横切面には形成層の特殊な発育による同心性の輪層又はその一部が認められる.ルーペ視するとき,師部は淡灰黄色,木部は多数の道管が小点として認められ,放射組織はやや陥没する.縦切面には繊維性の木部と柔組織とが交互に縦紋を形成する.本品は縦に割れやすく,折面は極めて繊維性である. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かに甘く,後にやや苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,師部には結晶細胞列を伴う繊維束,木部には道管及び木部繊維が著しく,柔組織には多数のでんぷん粒が認められる.でんぷん粒は多面体の単粒,まれに2 ~ 3個からなる複粒で,長径2 ~ 18 μm,多くは8 ~ 12 μm,中央にへそ又は欠裂を認め,層紋がある. | 生薬の性状 本品は,通例,一辺約0.5 cmの不正六面体に切断したもの,又は長さ20 ~ 30 cm,幅5 ~ 10 cm,厚さ約1cmの板状に縦割したもので,外面は淡灰黄色~灰白色を呈する.横切面には形成層の特殊な発育による同心性の輪層又はその一部が認められる.ルーペ視するとき,師部は淡灰黄色,木部は多数の道管が小点として認められ,放射組織はやや陥没する.縦切面には繊維性の木部と柔組織とが交互に縦紋を形成する.本品は縦に割れやすく,折面は極めて繊維性である. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かに甘く,後にやや苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,師部には結晶細胞を伴う繊維束が,木部には道管及び木部繊維がよく発達し,柔組織には多数のでんぷん粒が認められる.でんぷん粒は多面体の単粒,まれに2 ~ 3個からなる複粒で,径2 ~ 18μm,多くは8 ~ 12 μm,中央にへそ又は欠裂を認め,層紋がある.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,師部繊維の周囲の結晶細胞は列をなす. |
キクカ | 生薬の性状 1) Chrysanthemum indicum に由来 本品は径3 ~ 10mmの頭花で,総苞は3 ~ 5列の総苞片からなり,総苞にはしばしば柄を伴う.総苞外片は線形~ひ針形,内片は狭卵形~卵形を呈する.舌状花は一輪で,黄色~淡黄褐色,管状花は多数で淡黄褐色を呈する.総苞の外面は黄褐色~褐色を呈する.質は軽く,砕きやすい. 本品は特有のにおいがあり,味は僅かに苦い. 2) Chrysanthemum morifoliumに由来 本品は径15 ~ 40mmの頭花で,総苞は3 ~ 4列の総苞片からなり,総苞にはしばしば柄を伴う.総苞外片は線形~ひ針形,内片は狭卵形~卵形を呈する.舌状花は多数で,類白色~黄色,管状花は少数で淡黄褐色を呈し,ときに退化して欠くことがある.総苞の外面は緑褐色~褐色を呈する.質は軽く,砕きやすい. 本品は特有のにおいがあり,味は僅かに苦い. | 生薬の性状 1) Chrysanthemum indicum に由来 本品は径3 ~ 10mmの頭花で,しばしば柄を伴う.総苞は3 ~ 5列の総苞片からなり,外片は線形~ひ針形,内片は狭卵形~卵形を呈し,外面は黄褐色~褐色を呈する.舌状花は一列で,黄色~淡黄褐色,管状花は多数で淡黄褐色を呈する.質は軽く,砕きやすい. 本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. 2) Chrysanthemum morifolium に由来 本品は径15 ~40 mmの頭花で,しばしば柄を伴う.総苞は3 ~ 4列の総苞片からなり,外片は線形~ひ針形,内片は狭卵形~卵形を呈し,外面は緑褐色~褐色を呈する.舌状花は多数で,類白色~黄色,管状花は少数で淡黄褐色を呈し,ときに退化して欠くことがある.質は軽く,砕きやすい. 本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. |
クコシ | 確認試験 本品の粉末1.0 gに酢酸エチル5 mLを加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液20 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にヘキサン/酢酸エチル混液(10:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,R f値0.6付近に黄色の主スポットを認める. | 確認試験 本品の粗切1.0 gに酢酸エチル5 mLを加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液20 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にヘキサン/酢酸エチル混液(10:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,R f値0.6付近に黄色の主スポットを認める. |
ゲンチアナ | 確認試験 (1) 本品の粉末をデシケーター(シリカゲル)で48時間乾燥し,その0.1 gをスライドガラス上にとり,内径,高さ各10mmのガラスリングをのせ,更にスライドガラスで覆い,注意して徐々に加熱するとき,上のスライドガラスに淡黄色の結晶が昇華する.この結晶は水又はエタノール(95)に溶けないが,水酸化カリウム試液に溶ける. | 確認試験 (1) 本品の粉末0.1 gをスライドガラス上にとり,内径,高さ各10 mmのガラスリングをのせ,更にスライドガラスで覆い,注意して徐々に加熱するとき,上のスライドガラスに淡黄色の結晶が昇華する.この結晶は水又はエタノール(95)に溶けないが,水酸化カリウム試液に溶ける. |
ゲンチアナ末 | 確認試験 (1) 本品をデシケーター(シリカゲル)で48時間乾燥し,その0.1 gをスライドガラス上にとり,内径,高さ各10 mmのガラスリングをのせ,更にスライドガラスで覆い,注意して徐々に加熱するとき,上のスライドガラスに淡黄色の結晶が昇華する.この結晶は水又はエタノール(95)に溶けないが,水酸化カリウム試液に溶ける. | 確認試験 (1) 本品0.1 gをスライドガラス上にとり,内径,高さ各10 mmのガラスリングをのせ,更にスライドガラスで覆い,注意して徐々に加熱するとき,上のスライドガラスに淡黄色の結晶が昇華する.この結晶は水又はエタノール(95)に溶けないが,水酸化カリウム試液に溶ける. |
牛車腎気丸エキス | 定量法 (3) 総アルカロイド 乾燥エキス約1 g (軟エキスは乾燥物として約1 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.試料溶液及び定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの各ピーク面積,ATM及びASM,ATH及びASH,ATA及びASAを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =CSM × ATM/ASM × 10 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =CSH × ATH/ASH × 10 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =CSA × ATA/ASA × 10 CSM:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルメサコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSH:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSA:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用14- アニソイルアコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン及びベンゾイルメサコニンは231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL (ベンゾイルメサコニンの保持時間約15分) システム適合性 システムの性能:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ1.5%以下である. | 定量法 (3) 総アルカロイド(ベンゾイルメサコニン塩酸塩及び14-アニソイルアコニン塩酸塩,又はベンゾイルメサコニン塩酸塩及びベンゾイルヒパコニン塩酸塩) 乾燥エキス約1 g (軟エキスは乾燥物として約1 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に定量用安息香酸約10 mgを精密に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かし,正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積AM,AH及びAA並びに標準溶液の安息香酸のピーク面積ASを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AM/AS × 1/100 ×4.19 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AH/AS × 1/100 ×4.06 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AA/AS × 1/100 ×3.69 MS:qNMRで含量換算した定量用安息香酸の秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン,ベンゾイルメサコニン及び安息香酸は231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL システム適合性 システムの性能:分離確認用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの順に溶出し,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,安息香酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
ゴミシ | 確認試験 本品の粉末1.0 gにメタノール10 mLを加えて水浴上で3分間振り混ぜながら加温し,冷後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用シザンドリン1 mgをメタノール1 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/ヘキサン/酢酸(100)混液(10:10:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254 nm)を照射するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい. | 確認試験 本品の粗切1.0 gにメタノール10 mLを加えて水浴上で3分間振り混ぜながら加温し,冷後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用シザンドリン1 mgをメタノール1 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/ヘキサン/酢酸(100)混液(10:10:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254 nm)を照射するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい. |
サンシュユ | 純度試験 (2) 総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下. | 純度試験 (2) 総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下(分析用試料は細切とする). |
ジオウ | 確認試験1) 乾ジオウ 本品の細切0.5 gに水5 mLを加えて振り混ぜた後,メタノール20 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用スタキオース2 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液2 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に2-プロパノール/水/メタノール混液(3:2:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに1,3-ナフタレンジオール試液を均等に噴霧し,105℃で5分間加熱するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい.また,これを更に5分間以上加熱するとき,上記のスポットのすぐ下に青色のスポットを認めないか,認めても僅かである. | 確認試験1) 乾ジオウ 本品の粗切0.5 gに水5 mLを加えて振り混ぜた後,メタノール20 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用スタキオース2 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液2μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に2-プロパノール/水/メタノール混液(3:2:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに1,3-ナフタレンジオール試液を均等に噴霧し,105℃で5分間加熱するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい.また,これを更に5分間以上加熱するとき,上記のスポットのすぐ下に青色のスポットを認めないか,認めても僅かである. |
確認試験2) 熟ジオウ 本品の細切0.5 gに水5 mLを加えて振り混ぜた後,メタノール20 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用果糖2 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液(1)とする.また,薄層クロマトグラフィー用マンニノトリオース3 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液(2)とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 2 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に2-プロパノール/水/メタノール混液(3:2:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに1,3-ナフタレンジオール試液を均等に噴霧し,105℃で10分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポットは,標準溶液(1)から得たスポットと色調及びR f値が等しい.また,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液(2)から得た青色のスポットと色調及びR f値が等しい. | 確認試験2) 熟ジオウ 本品の粗切0.5 gに水5 mLを加えて振り混ぜた後,メタノール20 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用果糖2 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液(1)とする.また,薄層クロマトグラフィー用マンニノトリオース3 mgを水/メタノール混液(1:1) 1 mLに溶かして標準溶液(2)とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 2 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に2-プロパノール/水/メタノール混液(3:2:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに1,3-ナフタレンジオール試液を均等に噴霧し,105℃で10分間加熱するとき,試料溶液から得た主スポットは,標準溶液(1)から得たスポットと色調及びR f値が等しい.また,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液(2)から得た青色のスポットと色調及びR f値が等しい. | |
純度試験(1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | 純度試験(1) 重金属〈1.07〉 本品の粗切3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | |
純度試験(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5 ppm以下). | 純度試験(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粗切1.0 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う.ただし,標準色の調製にはヒ素標準液5.0 mLを用いる(5 ppm以下). | |
ショウズク | 日本名別名 | 日本名別名 |
シンギ | 生薬の性状 本品はほぼ円柱形を呈し,長さ20 ~ 100 cm,径0.5 ~ 2.5 cm,外面は黄褐色~赤褐色で,不規則な縦じわがあり,しばしば横長の皮目及び側根の跡がある.外皮は剝がれやすく,剝がれた跡は淡黄褐色~淡赤褐色を呈する.質は柔軟で折りにくく,折面は繊維性で,粉質である.横切面は皮部が類白色,形成層付近はやや褐色を帯び,木部は淡黄褐色を呈し,放射組織が明瞭である. 本品は僅かに特異なにおいがあり,味は僅かに甘い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,コルク層は6 ~ 8細胞層で,その内側に2 ~ 4細胞層のやや厚壁化した柔細胞がある.二次皮層は放射組織が明瞭で,しばしば外側に裂隙が認められる.師部には師部繊維束が階段状に認められる.木部は放射組織が明瞭で,道管は網紋道管,階紋道管,有縁孔紋道管及びらせん紋道管からなり,その周囲に木部組織が認められる.師部繊維束及び木部繊維束の外辺にシュウ酸カルシウムの単晶を含む薄壁性の細胞があり,縦切片では結晶細胞列をなす.単晶は径7 ~ 20 μm.柔組織中に認められるでんぷん粒は単粒及び2 ~ 8個の複粒である. | 生薬の性状 本品はほぼ円柱形を呈し,長さ20 ~ 100 cm,径0.5 ~ 2.5 cm,外面は黄褐色~赤褐色で,不規則な縦じわがあり,しばしば横長の皮目及び側根の跡がある.外皮は剝がれやすく,剝がれた跡は淡黄褐色~淡赤褐色を呈する.質は柔軟で折りにくく,折面は繊維性で,粉質である.横切面は皮部が類白色,形成層付近はやや褐色を帯び,木部は淡黄褐色を呈し,放射組織が明瞭である. 本品は僅かに特異なにおいがあり,味は僅かに甘い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,コルク層は6 ~ 8細胞層で,その内側に2 ~ 4細胞層のやや厚壁化した柔細胞がある.二次皮層は放射組織が明瞭で,しばしば外側に裂隙が認められる.師部には師部繊維束が階段状に認められる.木部は放射組織が明瞭で,道管の周囲に木部繊維が認められる.師部繊維束及び木部繊維束の外辺にシュウ酸カルシウムの単晶を含む薄壁性の結晶細胞があり,単晶の径は7 ~ 20μmである.柔組織中に認められるでんぷん粒は単粒及び2~ 8個の複粒である.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は網紋,階紋,有縁孔紋及びらせん紋道管で,師部繊維束及び木部繊維束の周囲の結晶細胞は列をなす. |
真武湯エキス | 定量法 (3) 総アルカロイド 本品約1 gを精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層は,アンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを用いて,更にこの操作を2回行う.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.試料溶液及び定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.それぞれの液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの各ピーク面積,ATM及びASM,ATH及びASH,ATA及びASAを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =CSM × ATM/ASM × 10 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =CSH × ATH/ASH × 10 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =CSA × ATA/ASA × 10 CSM:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルメサコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSH:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSA:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用14-アニソイルアコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン及びベンゾイルメサコニンは231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL (ベンゾイルメサコニンの保持時間約15分) システム適合性 システムの性能:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ1.5%以下である. | 定量法 (3) 総アルカロイド(ベンゾイルメサコニン塩酸塩及び14-アニソイルアコニン塩酸塩,又はベンゾイルメサコニン塩酸塩及びベンゾイルヒパコニン塩酸塩) 本品約1 gを精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に定量用安息香酸約10 mgを精密に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かし,正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積AM,AH及びAA並びに標準溶液の安息香酸のピーク面積ASを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AM/AS × 1/100 ×4.19 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AH/AS × 1/100 ×4.06 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AA/AS × 1/100 ×3.69 MS:qNMRで含量換算した定量用安息香酸の秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン,ベンゾイルメサコニン及び安息香酸は231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL システム適合性 システムの性能:分離確認用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの順に溶出し,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,安息香酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
センナ | 生薬の性状 本品はひ針形~狭ひ針形を呈し,長さ1.5 ~ 5cm,幅0.5 ~ 1.5 cm,淡灰黄色~淡灰黄緑色である.全縁で先端はとがり,基部は非相称,小葉柄は短い.ルーペ視するとき,葉脈は浮き出て,一次側脈は辺縁に沿って上昇し,直上の側脈に合一する.下面は僅かに毛がある. 本品は弱いにおいがあり,味は苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,両面の表皮は厚いクチクラを有し,多数の気孔及び厚壁で表面に粒状突起のある単細胞毛があり,表皮細胞はしばしば葉面に平行な隔壁によって2層に分かれ,内層に粘液を含む.両面の表皮下には1細胞層の柵状組織があり,海綿状組織は3 ~ 4細胞層からなり,シュウ酸カルシウムの集晶及び単晶を含む.維管束に接する細胞は結晶細胞列を形成する. | 生薬の性状 本品はひ針形~狭ひ針形を呈し,長さ1.5 ~ 5cm,幅0.5 ~ 1.5 cm,淡灰黄色~淡灰黄緑色である.全縁で先端はとがり,基部は非相称,小葉柄は短い.ルーペ視するとき,葉脈は浮き出て,一次側脈は辺縁に沿って上昇し,直上の側脈に合一する.背軸面は僅かに毛がある. 本品は弱いにおいがあり,味は苦い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,向軸側及び背軸側表皮は厚いクチクラを有し,多数の気孔及び厚壁で表面に粒状突起のある単細胞毛がある.表皮細胞はしばしば葉面に平行な隔壁によって2層に分かれ,内層に粘液を含む.葉肉部では,向軸側及び背軸側表皮下に1細胞層の柵状組織,その間に3 ~ 4細胞層の海綿状組織があり,それぞれの組織はシュウ酸カルシウムの集晶を含む.葉脈部では,維管束に隣接してシュウ酸カルシウムの単晶を含む結晶細胞が認められる.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,維管束の周囲の結晶細胞は列をなす. |
ソボク | 確認試験 本品の粉末1 gにメタノール10 mLを加えて5分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液5 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/水/ギ酸/2-プロパノール混液(20:1:1:1)を展開溶媒として約7cm展開した後,薄層板を風乾する.これに炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧し,薄層板を風乾するとき,R f値0.7付近に赤紫色のスポットを認める. | 確認試験 本品の細切1 gにメタノール10 mLを加えて5分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液5 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/水/ギ酸/2-プロパノール混液(20:1:1:1)を展開溶媒として約7cm展開した後,薄層板を風乾する.これに炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧し,薄層板を風乾するとき,R f値0.7付近に赤紫色のスポットを認める. |
ソヨウ | 生薬の性状 本品は,通例,しわがよって縮んだ葉からなり,しばしば細い茎を含む.葉は両面とも帯褐紫色,又は上面は灰緑色~帯褐緑色で下面は帯褐紫色を呈する.水に浸してしわを伸ばすと,葉身は広卵形~倒心臓形で,長さ5 ~ 12 cm,幅5 ~ 8 cm,先端はややとがり,辺縁に鋸歯があり,基部は広いくさび状を呈する.葉柄は長さ3 ~ 5 cmである.茎及び葉柄の横切面は方形である.葉をルーペ視するとき,両面に毛を認め,毛は葉脈上に多く,他はまばらである.下面には細かい腺毛を認める.本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. | 生薬の性状 本品は,通例,しわがよって縮んだ葉からなり,しばしば細い茎を含む.葉は向軸面及び背軸面とも帯褐紫色,又は向軸面は灰緑色~帯褐緑色で背軸面は帯褐紫色を呈する.水に浸してしわを伸ばすと,葉身は広卵形~倒心臓形で,長さ5 ~ 12 cm,幅5 ~ 8 cm,先端はややとがり,辺縁に鋸歯があり,基部は広いくさび状を呈する.葉柄は長さ3 ~5 cmである.茎及び葉柄の横切面は方形である.葉をルーペ視するとき,向軸面及び背軸面に毛を認め,毛は葉脈上に多く,他はまばらである.背軸面には細かい腺毛を認める.本品は特異なにおいがあり,味は僅かに苦い. |
ダイオウ | 確認試験 本品の粉末1.0 gに水10 mLを加えて振り混ぜた後,ジエチルエーテル10 mLを加えて振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用レイン1 mgをアセトン10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/水混液(20:3:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい.また,このスポットは,炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧するとき,赤色を呈する. | 確認試験 本品の粉末1.0 gに水10 mLを加えて振り混ぜた後,ジエチルエーテル10 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用レイン1 mgをアセトン10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/水混液(20:3:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい.また,このスポットは,炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧するとき,赤色を呈する. |
ダイオウ末 | 確認試験 本品1.0 gに水10 mLを加えて振り混ぜた後,ジエチルエーテル10 mLを加えて振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用レイン1 mgをアセトン10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/水混液(20:3:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい.また,このスポットは,炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧するとき,赤色を呈する. | 確認試験 本品1.0 gに水10 mLを加えて振り混ぜた後,ジエチルエーテル10 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用レイン1 mgをアセトン10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/水混液(20:3:2)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びRf値が等しい.また,このスポットは,炭酸ナトリウム試液を均等に噴霧するとき,赤色を呈する. |
タイソウ | 純度試験 (2) 総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下. | 純度試験 (2) 総BHCの量及び総DDTの量〈5.01〉 各々0.2 ppm以下(分析用試料は細切とする). |
タンジン | 生薬の性状 本品はほぼ円柱形で,長さ5 ~ 25 cm,径0.3 ~1.5 cm,やや湾曲し,しばしば側根を付ける.外面は赤褐色,暗赤褐色又は黒褐色で,不規則な粗い縦じわがある.質は堅く折りやすい.折面は緻密であるか又は粗く裂隙があり,皮部は灰黄白色又は赤褐色,木部は淡黄白色又は黒褐色を呈する. 本品は僅かににおいがあり,味は初め甘く,後に僅かに苦く渋い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,最外層は通常コルク層で,まれにその外側に柔組織又は内皮がある.二次皮層中に厚壁細胞が数個散在するか又は認められない.形成層は明瞭である.二次木部の道管は放射状に配列し,しばしば中心部に向かって合一する.道管周囲に木部繊維が認められる.一次木部は2 ~ 3部分に分かれる.縦切片では,二次木部の道管は主に孔紋道管及び網紋道管である. | 生薬の性状 本品はほぼ円柱形で,長さ5 ~ 25 cm,径0.3~1.5 cm,やや湾曲し,しばしば側根を付ける.外面は赤褐色,暗赤褐色又は黒褐色で,不規則な粗い縦じわがある.質は堅く折りやすい.折面は緻密であるか又は粗く裂隙があり,皮部は灰黄白色又は赤褐色,木部は淡黄白色又は黒褐色を呈する. 本品は僅かににおいがあり,味は初め甘く,後に僅かに苦く渋い. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,最外層は通常コルク層で,まれにその外側に柔組織又は内皮がある.二次皮層中に厚壁細胞が数個散在するか又は認められない.形成層は明瞭である.二次木部の道管は放射状に配列し,しばしば中心部に向かって合一する.道管周囲に木部繊維が認められる.一次木部は2 ~ 3部分に分かれる.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,二次木部の道管は主に孔紋及び網紋道管である. |
チョウトウコウ | 定量法 本品の中末約0.2 gを精密に量り,共栓遠心沈殿管にとり,メタノール/希酢酸混液(7:3) 30 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物にメタノール/希酢酸混液(7:3) 10 mLを加えて更に2回,同様に操作する.全抽出液を合わせ,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別に定 量用リンコフィリン約5 mgを精密に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)に溶かして正確に100 mLとする.この液1 mLを正確に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて正確に10mLとし,標準溶液(1)とする.別にヒルスチン1 mgをメタノール/希酢酸混液(7:3) 100 mLに溶かし,標準溶液(2)とする.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のリンコフィリン及びヒルスチンのピーク面積ATa及びATb並びに標準溶液(1)のリンコフィリンのピーク面積ASを測定する. 総アルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン)の量(mg) =MS × (ATa + 1.405ATb)/AS × 1/20 MS:定量用リンコフィリンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ25 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:酢酸アンモニウム3.85 gを水200 mLに溶かし,酢酸(100) 10 mLを加え,水を加えて1000 mLとする.この液にアセトニトリル350 mLを加える. 流量:リンコフィリンの保持時間が約17分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:定量用リンコフィリン5 mgをメタノール/希酢酸混液(7:3) 100 mLに溶かす.この液5mLにアンモニア水(28) 1 mLを加えて50℃で2時間加熱,又は還流冷却器を付けて10分間加熱する.冷後,反応液1 mLを量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて5 mLとする.この液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,リンコフィリン以外にイソリンコフィリンのピークを認め,リンコフィリンとイソリンコフィリンの分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液(1) 20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リンコフィリンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. | 定量法 本品の中末約0.2 gを精密に量り,共栓遠心沈殿管にとり,メタノール/希酢酸混液(7:3) 30 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物にメタノール/希酢酸混液(7:3) 10 mLを加えて更に2回,同様に操作する.全抽出液を合わせ,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別に定量用リンコフィリン約5 mgを精密に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)に溶かして正確に100 mLとする.この液1mLを正確に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて正確に10 mLとし,標準溶液(1)とする.別にヒルスチン1mgをメタノール/希酢酸混液(7:3) 100 mLに溶かし,標準溶液(2)とする.試料溶液,標準溶液(1)及び標準溶液(2) 20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のリンコフィリン及びヒルスチンのピーク面積ATa及びATb並びに標準溶液(1)のリンコフィリンのピーク面積ASを測定する. 総アルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン)の量(mg) =MS × (ATa + 1.23ATb)/AS × 1/20 MS:定量用リンコフィリンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ25 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:酢酸アンモニウム3.85 gを水200 mLに溶かし,酢酸(100) 10 mLを加え,水を加えて1000 mLとする.この液にアセトニトリル350 mLを加える. 流量:リンコフィリンの保持時間が約17分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:定量用リンコフィリン5 mgをメタノール/希酢酸混液(7:3) 100 mLに溶かす.この液5 mLにアンモニア水(28) 1 mLを加えて50℃で2時間加熱,又は還流冷却器を付けて10分間加熱する.冷後,反応液1mLを量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて5mLとする.この液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,リンコフィリン以外にイソリンコフィリンのピークを認め,リンコフィリンとイソリンコフィリンの分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液(1) 20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リンコフィリンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
チンピ | 定量法 本品の粉末約0.1 gを精密に量り,メタノール30 mLを加え,還流冷却器を付けて15分間加熱し,冷後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物にメタノール20 mLを加えて同様に操作する.全抽出液を合わせ,メタノールを加えて正確に50 mLとする.この液5 mLを正確に量り,水を加えて正確に10 mLとし,試料溶液とする.別に定量用ヘスペリジンをデシケーター(シリカゲル)で24時間以上乾燥し,その約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かして正確に100mLとする.この液5 mLを正確に量り,水を加えて正確10 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のヘスペリジンのピーク面積AT及びASを測定する. ヘスペリジンの量(mg)=MS × AT/AS × 1/2 MS:定量用ヘスペリジンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:水/アセトニトリル/酢酸(100)混液(82:18:1) 流量:毎分1.0 mL (ヘスペリジンの保持時間約15分) システム適合性 システムの性能:定量用ヘスペリジン及び薄層クロマトグラフィー用ナリンギン1 mgずつをメタノール10mLに溶かし,水を加えて20 mLとする.この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ナリンギン,ヘスペリジンの順に溶出し,その分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ヘスペリジンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. | 定量法 本品の粉末約0.1 gを精密に量り,メタノール30 mLを加え,還流冷却器を付けて15分間加熱し,冷後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物にメタノール20 mLを加えて同様に操作する.全抽出液を合わせ,メタノールを加えて正確に50 mLとする.この液5 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に10 mLとし,試料溶液とする.別に定量用ヘスペリジンをデシケーター(シリカゲル)で24時間以上乾燥し,その約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かして正確に100 mLとする.この液5 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に10 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のヘスペリジンのピーク面積AT及びASを測定する. ヘスペリジンの量(mg)=MS × AT/AS × 1/2 MS:定量用ヘスペリジンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:水/アセトニトリル/酢酸(100)混液(82:18:1) 流量:毎分1.0 mL (ヘスペリジンの保持時間約15分) システム適合性 システムの性能:定量用ヘスペリジン及び薄層クロマトグラフィー用ナリンギン1 mgずつをメタノール10 mLに溶かし,水を加えて20mLとする.この液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ナリンギン,ヘスペリジンの順に溶出し,その分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ヘスペリジンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
テンモンドウ | 純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | 純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粗切3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). |
(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5 ppm以下). | (2) ヒ素〈1.11〉 本品の粗切1.0 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う.ただし,標準色の調製にはヒ素標準液5.0 mLを用いる(5 ppm以下). | |
当帰芍薬散エキス | 定量法 (1) (E )-フェルラ酸 本操作は光を避け,遮光した容器を用いて行う.乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,薄めたメタノール(1→2) 50 mLを正確に加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に定量用(E )-フェルラ酸約10 mgを精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に溶かして正確に100 mLとする.この液2 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液の(E )-フェルラ酸のピーク面積AT及びASを測定する. (E )-フェルラ酸の量(mg) = MS × AT/AS × 1/50 MS:定量用(E )-フェルラ酸の秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:320 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:リン酸二水素ナトリウム7.8 gを水1000 mLに溶かし,リン酸2 mLを加える.この液850 mLにアセトニトリル150 mLを加える. 流量:毎分1.0 mL ((E )-フェルラ酸の保持時間約10分) システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,(E )-フェルラ酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,(E )-フェルラ酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. | 定量法 (1) (E )-フェルラ酸 本操作は光を避け,遮光した容器を用いて行う.乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,薄めたメタノール(1→2) 50 mLを正確に加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に定量用(E )-フェルラ酸約10 mgを精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に溶かして正確に100 mLとする.この液2 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液の(E )-フェルラ酸のピーク面積AT及びASを測定する. (E )-フェルラ酸の量(mg) = MS × AT/AS × 1/50 MS:qNMRで含量換算した定量用(E )-フェルラ酸の秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:320 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:リン酸二水素ナトリウム二水和物7.8 gを水1000 mLに溶かし,リン酸2 mLを加える.この液850mLにアセトニトリル150 mLを加える. 流量:毎分1.0 mL ((E )-フェルラ酸の保持時間約10分) システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,(E )-フェルラ酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,(E )-フェルラ酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
定量法 (3) アトラクチレノリドⅢ 乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,薄めたメタノール(1→2) 50 mLを正確に加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に定量用アトラクチレノリドⅢをデシケーター(シリカゲル)で24時間以上乾燥し,その約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100 mLとする.この液5 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のアトラクチレノリドⅢのピーク面積AT及びASを測定する. アトラクチレノリドⅢの量(mg)=MS × AT/AS × 1/40 MS:定量用アトラクチレノリドⅢの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:水/アセトニトリル/リン酸混液(550:450:1) 流量:毎分1.0 mL (アトラクチレノリドⅢの保持時間約10分) システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,アトラクチレノリドⅢのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,アトラクチレノリドⅢのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. | 定量法 (3) アトラクチレノリドⅢ 乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,薄めたメタノール(1→2) 50 mLを正確に加えて15分間振り混ぜた後, ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別に定量用アトラクチレノリドⅢ約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100 mLとする.この液5 mLを正確に量り,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれ の液のアトラクチレノリドⅢのピーク面積AT及びASを測定する. アトラクチレノリドⅢの量(mg)=MS × AT/AS × 1/40 MS:定量用アトラクチレノリドⅢの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:水/アセトニトリル/リン酸混液(550:450:1) 流量:毎分1.0 mL (アトラクチレノリドⅢの保持時間約10分) システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,アトラクチレノリドⅢのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,アトラクチレノリドⅢのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
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トウジン | 確認試験 本品の粉末2.0 gに水50 mLを加えて水浴中で1時間加熱する.冷後,ろ過し,ろ液を酢酸エチル20 mLずつで2回洗浄する.水層を分取し,水飽和1-ブタノール30 mLずつを用い2回抽出する.水飽和1-ブタノール層を合わせ,水浴中で低圧(真空)で溶媒を留去する.残留物にメタノール1 mLを加えて試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液5 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に1-プロパノール/水/酢酸エチル混液(6:5:2)を展開溶媒として約10 cm展開した後,薄層板を風乾する.これにナフトレゾルシン・リン酸試液を均等に噴霧し,105℃で10分間加熱するとき,R f値0.5付近に橙色~赤紫色のスポットを認める. | 確認試験 本品の粗切2.0 gに水50 mLを加えて水浴中で1時間加熱する.冷後,ろ過し,ろ液を酢酸エチル20 mLずつで2回洗浄する.水層を分取し,水飽和1-ブタノール30 mLずつを用い2回抽出する.水飽和1-ブタノール層を合わせ,水浴中で低圧(真空)で溶媒を留去する.残留物にメタノール1 mLを加えて試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液5 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に1-プロパノール/水/酢酸エチル混液(6:5:2)を展開溶媒として約10 cm展開した後,薄層板を風乾する.これにナフトレゾルシン・リン酸試液を均等に噴霧し,105℃で10分間加熱するとき,R f値0.5付近に橙色~赤紫色のスポットを認める. |
純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | 純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粗切3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). |
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(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5 ppm以下). | (2) ヒ素〈1.11〉 本品の粗切1.0 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う.ただし,標準色の調製にはヒ素標準液5.0 mLを用いる(5 ppm以下). | |
ニクズク | 日本名別名 | 日本名別名 |
ニンドウ | 生薬の性状 本品は葉及び短い茎に対生する葉からなる.葉は短い葉柄を付け,楕円形で全縁,長さ3 ~ 7 cm,幅1 ~ 3cm,上面は緑褐色,下面は淡灰緑色を呈し,ルーペ視するとき,両面に軟毛をまばらに認める.茎は径1 ~ 4 mm,外面は灰黄褐色~帯紫褐色で,横切面は円形,中空である. 本品はほとんどにおいがなく,味は収れん性で,後僅かに苦い. 本品の葉の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,最外層は上下面とも表皮からなり,表皮には単細胞性の非腺毛と多細胞性の腺毛が認められる.主脈部では,表皮の内側数細胞層は厚角組織からなり,中央部には維管束がある.葉肉部では上面表皮に接して柵状組織があり,下面表皮に接して海綿状組織がある.腺毛には褐色の分泌物が含まれ,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの集晶を含み,でんぷん粒が認められることがある. | 生薬の性状 本品は茎及びこれに対生した葉からなる.葉は短い葉柄を付け,楕円形で全縁,長さ3 ~ 7 cm,幅1 ~ 3cm,向軸面は緑褐色,背軸面は淡灰緑色を呈し,ルーペ視するとき,両面に軟毛をまばらに認める.茎は径1 ~ 4mm,外面は灰黄褐色~帯紫褐色で,横切面は円形,中空である. 本品はほとんどにおいがなく,味は収れん性で,後僅かに苦い. 本品の葉の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,最外層は向軸側,背軸側とも表皮からなり,表皮には単細胞性の非腺毛と多細胞性の腺毛が認められる.主脈部では,表皮の内側数細胞層は厚角組織からなり,中央部には維管束がある.葉肉部では向軸側表皮に接して柵状組織があり,背軸側表皮に接して海綿状組織がある.腺毛には褐色の分泌物が含まれ,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの集晶を含み,でんぷん粒が認められることがある. |
バクモンドウ | 確認試験 本品の中切5 gに水15 mL及び酢酸エチル25 mLを加えて10分間振り混ぜた後,遠心分離し,酢酸エチル層を分取する.この液10 mLをとり,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をアセトン0.5 mLに溶かし,試料溶液とする.別に薄層クロマトグラフィー用メチルオフィオポゴナノンA1 mgをメタノール1 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液20 μL及び標準溶液10 μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にヘキサン/酢酸エチル/酢酸(100)混液(30:10:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに塩化鉄(Ⅲ)・メタノール試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい. |
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純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). | 純度試験 (1) 重金属〈1.07〉 本品の中切3.0 gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0 mLを加える(10 ppm以下). |
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(2) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5 ppm以下). | (2) ヒ素〈1.11〉 本品の中切1.0 gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う.ただし,標準色の調製にはヒ素標準液5.0 mLを用いる(5 ppm以下). | |
(3) 細根部 本品は,異物〈5.01〉に従い試験を行うとき,細根部1.0%以上を含まない. | ||
八味地黄丸エキス | 定量法 (3) 総アルカロイド 乾燥エキス約1 g (軟エキスは乾燥物として約1 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.試料溶液及び定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの各ピーク面積,ATM及びASM,ATH及びASH,ATA及びASAを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =CSM × ATM/ASM × 10 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =CSH × ATH/ASH × 10 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =CSA × ATA/ASA × 10 CSM:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルメサコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSH:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) CSA:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液中の定量用14- アニソイルアコニン塩酸塩の濃度(mg/mL) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン及びベンゾイルメサコニンは231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL (ベンゾイルメサコニンの保持時間約15分) システム適合性 システムの性能:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:定量用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ1.5%以下である. | 定量法 (3) 総アルカロイド(ベンゾイルメサコニン塩酸塩及び14-アニソイルアコニン塩酸塩,又はベンゾイルメサコニン塩酸塩及びベンゾイルヒパコニン塩酸塩) 乾燥エキス約1 g (軟エキスは乾燥物として約1 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1mol/L塩酸試液3.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除いた後,ジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,ジエチルエーテル層を除く.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて30分間振り混ぜた後,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にアンモニア試液1.0 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物をブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かして正確に10 mLとし,この液を遠心分離し,上澄液を試料溶液とする.別に定量用安息香酸約10 mgを精密に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)に溶かし,正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,ブシ用リン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(1:1)を加えて正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン及び14-アニソイルアコニンのピーク面積AM,AH及びAA並びに標準溶液の安息香酸のピーク面積ASを測定する. ベンゾイルメサコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AM/AS × 1/100 ×4.19 ベンゾイルヒパコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AH/AS × 1/100 ×4.06 14-アニソイルアコニン塩酸塩の量(mg) =MS × AA/AS × 1/100 ×3.69 MS:qNMRで含量換算した定量用安息香酸の秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:ベンゾイルヒパコニン,ベンゾイルメサコニン及び安息香酸は231 nm,14-アニソイルアコニンは254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ブシ用リン酸塩緩衝液/テトラヒドロフラン混液(183:17) 流量:毎分1.0 mL システム適合性 システムの性能:分離確認用ブシモノエステルアルカロイド混合標準試液20 μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベンゾイルメサコニン,ベンゾイルヒパコニン,14-アニソイルアコニンの順に溶出し,ベンゾイルメサコニンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液20 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,安息香酸のピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
ハッカ | 生薬の性状 本品は茎及びそれに対生する葉からなり,茎は方柱形で淡褐色~赤紫色を呈し,細毛がある.水に浸してしわを伸ばすと,葉は卵円形~長楕円形で,両端はとがり,長さ2 ~ 8 cm,幅1 ~ 2.5 cm,辺縁に不ぞろいの鋸歯があり,上面は淡褐黄色~淡緑黄色,下面は淡緑色~淡緑黄色を呈する.葉柄は長さ0.3 ~ 1 cmである.ルーペ視するとき,毛,腺毛及び腺りんを認める. 本品は特異な芳香があり,口に含むと清涼感がある. | 生薬の性状 本品は茎及びこれに対生した葉からなり,茎は方柱形で淡褐色~赤紫色を呈し,細毛がある.水に浸してしわを伸ばすと,葉は卵円形~長楕円形で,両端はとがり,長さ2 ~ 8 cm,幅1 ~ 2.5 cm,辺縁に不ぞろいの鋸歯があり,向軸面は淡褐黄色~淡緑黄色,背軸面は淡緑色~淡緑黄色を呈する.葉柄は長さ0.3 ~ 1 cmである.ルーペ視するとき,毛,腺毛及び腺りんを認める. 本品は特異な芳香があり,口に含むと清涼感がある. |
ビワヨウ | 生薬の性状 本品は長楕円形~広ひ針形で,長さ12 ~ 30 cm,幅4 ~ 9 cm,先端はとがり,基部はくさび形で,短い葉柄を付け,辺縁には粗い鋸歯がある.ときに,短径5 ~ 10mm,長径数cmの短冊状に切裁されている.上面は緑色~緑褐色を呈し,下面は淡緑褐色で,淡褐色の綿毛を残存する.葉脈部は淡黄褐色を呈し,下面に突出している. 本品は僅かににおいがあり,味はほとんどない. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,上面及び下面のクチクラは厚く,柵状組織はおおむね4 ~ 5細胞層で,ところどころに葉緑粒を欠く大型の細胞を認める. 主脈部では並立維管束は木部側の基本組織の湾入によって一部切断されたほぼ環状を呈し,師部に接する繊維群を認める.葉肉中にはシュウ酸カルシウムの単晶及び集晶を認める.綿毛は単細胞性で湾曲し,太さ約25 μm,長さ1.5 mmに達する. | 生薬の性状 本品は長楕円形~広ひ針形で,長さ12 ~ 30 cm,幅4 ~ 9 cm,先端はとがり,基部はくさび形で,短い葉柄を付け,辺縁には粗い鋸歯がある.ときに,短径0.5 ~ 1cm,長径数cmの短冊状に切裁されている.向軸面は緑色~緑褐色を呈し,背軸面は淡緑褐色で,淡褐色の綿毛を残存する.葉脈部は淡黄褐色を呈し,背軸面に突出している. 本品は僅かににおいがあり,味はほとんどない. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,向軸側及び背軸側表皮は厚いクチクラを有し,柵状組織はおおむね4 ~ 5細胞層で,ところどころに葉緑体を欠く大型の細胞を認める. 主脈部では並立維管束は木部側の基本組織の湾入によって一部切断されたほぼ環状を呈し,師部に接する繊維群を認める.葉肉部の組織中にはシュウ酸カルシウムの単晶及び集晶を認める.綿毛は単細胞性で湾曲し,太さ約25 μm,長さ1.5mmに達する. |
ブシ | 生薬の性状 1) ブシ1 本品は径10 mm以下の不整な多角形に破砕されている.外面は暗灰褐色~黒褐色を呈する.質は堅く,切面は平らで,淡褐色~暗褐色を呈し,通常角質で光沢がある. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の横切片及び縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である.柔細胞中のでんぷん粒は通例糊化しているが,ときにでんぷん粒が認められるものもある.でんぷん粒は円形若しくは楕円形の単粒で径2 ~ 25 μm,又は2 ~ 10数個の複粒として認められる.でんぷん粒のへそは明らかである. 2) ブシ2 本品はほぼ倒円錐形で,長さ15 ~ 30 mm,径12 ~ 16 mm,又は縦ときに横に切断され,長さ20 ~ 60mm,幅15 ~ 40 mm,厚さ200 ~ 700 μm,又は径12 mm以下の不整な多角形に破砕されている.外面は淡褐色~暗褐色又は黄褐色を呈する.質は堅く,通例,しわはなく,切面は平らで,淡褐色~暗褐色又は黄白色~淡黄褐色を呈し,通常角質,半透明で光沢がある. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の横切片及び縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,外側から擬上皮,一次皮層,内皮,二次皮層,形成層,木部が認められる.一次皮層には楕円形~楕円状四角形,短径30 ~ 75μm,長径60 ~ 150 μmの厚壁細胞がある.内皮は接線方向に長い1細胞層の細胞からなっている.形成層輪は星形又は不整の多角形~円形であり,木部の道管群はV字形を呈する. 二次皮層及び髄中に独立した形成層輪が認められるものもある.道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である.柔細胞中のでんぷん粒は糊化している. 3) ブシ3 本品は径5 mm以下の不整な多角形に破砕されている.外面は灰褐色を呈する.質は堅く,切面は平らで,淡灰褐色~灰白色を呈し,光沢がない. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の横切片及び縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である.柔細胞中のでんぷん粒は円形若しくは楕円形の単粒で径2 ~ 25 μm,又は2~ 10数個の複粒として認められる.でんぷん粒のへそは明らかである. | 生薬の性状 1) ブシ1 本品は径10 mm以下の不整な多角形に破砕されている.外面は暗灰褐色~黒褐色を呈する.質は堅く,切面は平らで,淡褐色~暗褐色を呈し,通常角質で光沢がある. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である.柔細胞中のでんぷん粒は通例糊化しているが,ときにでんぷん粒が認められるものもある.でんぷん粒は円形若しくは楕円形で径2 ~ 25 μm,単粒又は2 ~ 10数個の複粒として認められる.でんぷん粒のへそは明らかである. 2) ブシ2 本品はほぼ倒円錐形で,長さ15 ~ 30 mm,径12 ~ 16 mm,又は縦ときに横に切断され,長さ20 ~ 60mm,幅15 ~ 40 mm,厚さ0.2 ~ 0.7 mm,又は径12 mm 以下の不整な多角形に破砕されている.外面は淡褐色~暗褐色又は黄褐色を呈する.擬上皮を除いたものでは,外面が黄白色〜黄褐色である.質は堅く,通例,しわはなく,切面は平らで,淡褐色~暗褐色又は黄白色~淡黄褐色を呈し,通常角質,半透明で光沢がある. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,外側から擬上皮,一次皮層,内皮,二次皮層,形成層,木部が認められる.擬上皮を除いたものでは,擬上皮に加えて,一次皮層及び内皮の一部を欠くものがある.一次皮層には楕円形~楕円状四角形で,短径30 ~ 75 μm,長径60 ~ 150 μmの厚壁細胞がある.内皮は接線方向に長い1細胞層の細胞からなっている.形成層輪は星形又は不整の多角形~円形であり,木部の道管群はV字形を呈する. 二次皮層及び髄中に独立した形成層輪が認められるものもある.柔細胞中のでんぷん粒は糊化している.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である. 3) ブシ3 本品は径5 mm以下の不整な多角形に破砕されている.外面は灰褐色を呈する.質は堅く,切面は平らで,淡灰褐色~灰白色を呈し,光沢がない. 本品は弱い特異なにおいがある. 本品の切片を鏡検〈5.01〉するとき,道管は孔紋,階紋,網紋又はらせん紋道管である.柔細胞中のでんぷん粒は円形若しくは楕円形で径2 ~ 25 μm,単粒又は2 ~ 10数個の複粒として認められる.でんぷん粒のへそは明らかである. |
ベラドンナエキス | 性状 本品は暗褐色で,特異なにおいがあり,味は苦い. | 性状 本品は暗褐色で,特異なにおいがある. |
防已黄耆湯エキス | 定量法 (1) シノメニン 乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液5.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除く.水層にジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作する.水層に薄めた水酸化ナトリウム試液(1→10) 5.0 mL及びメタノール10 mLを加えて15分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物に薄めたメタノール(1→2)20 mLを加えて15分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.先の上澄液と合わせ,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別に定量用シノメニン約5 mgを精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に 溶かして正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のシノメニンのピーク面積AT及びASを測定する. シノメニンの量(mg) = MS × AT/AS × 1/2 MS:定量用シノメニンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:30℃付近の一定温度 移動相:ラウリル硫酸ナトリウム3 gにアセトニトリル350 mLを加えて振り混ぜた後,水650 mL及びリン酸1 mLを加えて溶かす. 流量:毎分1.0 mL (シノメニンの保持時間約18分) システム適合性 システムの性能:試料溶液,シノメニン標準溶液及び定量法(2)のグリチルリチン酸標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,試料溶液にシノメニン及びグリチルリチン酸のピークを認め,グリチルリチン酸,シノメニンの順に溶出し,その分離度は4.5以上である.また,グリチルリチン酸のピーク以外にシノメニンのピークの前後に明瞭なピークを認め,シノメニンとそれぞれのピークとの分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シノメニンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. | 定量法 (1) シノメニン 乾燥エキス約0.5 g (軟エキスは乾燥物として約0.5 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた後,0.1 mol/L塩酸試液5.0 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除く.水層にジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作する.水層に薄めた水酸化ナトリウム試液(1→10) 5.0 mL及びメタノール10 mLを加えて15分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物に薄めたメタノール(1→2)20 mLを加えて15分間振り混ぜた後,遠心分離し,上澄液を分取する.先の上澄液と合わせ,薄めたメタノール(1→2)を加えて正確に50 mLとし,試料溶液とする.別に定量用シノメニン約5 mgを精密に量り,薄めたメタノール(1→2)に溶かして正確に100 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のシノメニンのピーク面積AT及びASを測定する. シノメニンの量(mg) = MS × AT/AS × 1/2 MS:qNMRで含量換算した定量用シノメニンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:30℃付近の一定温度 移動相:ラウリル硫酸ナトリウム3 gにアセトニトリル350 mLを加えて振り混ぜた後,水650 mL及びリン酸1 mLを加えて溶かす. 流量:毎分1.0 mL (シノメニンの保持時間約18分) システム適合性 システムの性能:試料溶液,シノメニン標準溶液及び定量法(2)のグリチルリチン酸標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,試料溶液にシノメニン及びグリチルリチン酸のピークを認め,グリチルリチン酸,シノメニンの順に溶出し,その分離度は4.5以上である.また,グリチルリチン酸のピーク以外にシノメニンのピークの前後に明瞭なピークを認め,シノメニンとそれぞれのピークとの分離度は1.5以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シノメニンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である. |
ボクソク | 生薬の性状 本品は板状又は半管状の皮片で,厚さ5 ~ 15mm,外面は灰褐色~暗褐色を呈し,内面は褐色~淡褐色を呈する.外面は厚い周皮を付け,縦に粗い裂け目があり,内面には縦の隆起線がある.横切面は褐色~淡褐色を呈し,ところどころに石細胞群による白色の細点を認める. 本品はにおい及び味はほとんどない. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,コルク層にはコルク石細胞が散在し,二次皮層には繊維群がほぼ階段状に並び,大きな石細胞群が不規則に配列する.柔組織中にシュウ酸カルシウムの集晶が散在する.石細胞や繊維細胞に隣接してシュウ酸カルシウムの単晶を含む細胞が認められ,縦切片では結晶細胞列となる. | 生薬の性状 本品は板状又は半管状の皮片で,厚さ5 ~ 15mm,外面は灰褐色~暗褐色を呈し,内面は褐色~淡褐色を呈する.外面は厚い周皮を付け,縦に粗い裂け目があり,内面には縦の隆起線がある.横切面は褐色~淡褐色を呈し,ところどころに石細胞群による白色の細点を認める. 本品はにおい及び味はほとんどない. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,コルク層にはコルク石細胞が散在し,二次皮層には師部繊維群がほぼ階段状に並び,大きな石細胞群が不規則に配列する.柔組織中にシュウ酸カルシウムの集晶が散在する.石細胞や師部繊維に隣接してシュウ酸カルシウムの単晶を含む結晶細胞が認められる.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,繊維細胞に接する結晶細胞は列をなす. |
ホミカエキス | 性状 本品は黄褐色~褐色の粉末で,弱いにおいがあり,味は極めて苦い. | 性状 本品は黄褐色~褐色の粉末で,弱いにおいがある. |
ホミカエキス散 | 性状 本品は黄褐色~灰褐色の粉末で,僅かに弱いにおいがあり,味は苦い | 性状 本品は黄褐色~灰褐色の粉末で,僅かに弱いにおいがある. |
ホミカチンキ | 性状 本品は黄褐色の液で,味は極めて苦い. 比重 d 20/20:約0.90 | 性状 本品は黄褐色の液である. 比重 d 20/20 :約0.90 |
マクリ | 確認試験 本品の粉末2 gに希エタノール10 mLを加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別にカイニン酸5 mgを希エタノール10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にギ酸エチル/水/ギ酸混液(5:1:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに噴霧用ニンヒドリン・エタノール試液を均等に噴霧し,105℃で5分間加熱するとき,試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい. | 確認試験 本品の粗切2 gに希エタノール10 mLを加えて15分間振り混ぜた後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.別にカイニン酸5 mgを希エタノール10 mLに溶かし,標準溶液とする.これらの液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液及び標準溶液5 μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にギ酸エチル/水/ギ酸混液(5:1:1)を展開溶媒として約7 cm展開した後,薄層板を風乾する.これに噴霧用ニンヒドリン・エタノール試液を均等に噴霧し,105℃ で5分間加熱するとき, 試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは,標準溶液から得たスポットと色調及びR f値が等しい. |
モクツウ | 生薬の性状 本品は円形又は楕円形の切片で厚さ0.2 ~ 0.3 cm,径1 ~ 3 cmである.切面の皮部は暗灰褐色を呈し,木部は淡褐色の道管部と灰白色の放射組織とが交互に放射状に配列する.髄は淡灰黄色で,明らかである.側面は灰褐色で,円形又は横に長い楕円形の皮目がある. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かにえぐい. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主として結晶細胞列を伴う繊維束と石細胞群とからなる輪層が師部の外辺を弧状に囲んでいる.皮層の放射組織は単晶を含む厚壁細胞からなる.形成層付近は明らかで,髄周辺の細胞は極めて厚壁である.木部放射組織及び髄周辺の柔細胞にはシュウ酸カルシウムの単晶及びでんぷん粒を含む.でんぷん粒の径は8 μm以下である. | 生薬の性状 本品は円形又は楕円形の切片で厚さ0.2 ~ 0.3cm,径1 ~ 3 cmである.切面の皮部は暗灰褐色を呈し,木部は淡褐色の道管部と灰白色の放射組織とが交互に放射状に配列する.髄は淡灰黄色で,明らかである.側面は灰褐色で,円形又は横に長い楕円形の皮目がある. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かにえぐい. 本品の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,主として結晶細胞を伴う繊維束と石細胞群とからなる輪層が師部の外辺を弧状に囲んでいる.二次皮層の放射組織は単晶を含む厚壁細胞からなる.形成層付近は明らかで,髄周辺の細胞は極めて厚壁である.木部放射組織及び髄周辺の柔細胞にはシュウ酸カルシウムの単晶及びでんぷん粒を含む.でんぷん粒の径は8μm以下である.縦切片を鏡検〈5.01〉するとき,繊維束の周囲の結晶細胞は列をなす. |
ヤクモソウ | 生薬の性状 本品は茎,葉及び花からなり,通例,横切したもの.茎は方柱形で,径0.2 ~ 3 cm,黄緑色~緑褐色を呈し,白色の短毛を密生する.髄は白色で切面中央部の多くを占める.質は軽い.葉は対生し,有柄で3全裂~ 3深裂し,裂片は羽状に裂け,終裂片は線状ひ針形で先端は鋭形,又は鋭尖形,上面は淡緑色を呈し,下面は白色の短毛を密生し,灰緑色を呈する.花は輪生し,がくは筒状で上端は針状に5裂し,淡緑色~淡緑褐色,花冠は唇形で淡赤紫色~淡褐色を呈する. 本品は僅かににおいがあり,味は僅かに苦く,収れん性である. 本品の茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,四稜を認め,Leonurus sibiricusの稜は一部がこぶ状に突出する.表皮には,1 ~ 3細胞からなる非腺毛,頭部が1 ~ 4細胞からなる腺毛及び8細胞からなる腺りんが認められる.稜部では表皮下に厚角組織が発達し,木部繊維の発達が著しい.皮層は数細胞層の柔細胞からなる.維管束は並立維管束で,ほぼ環状に配列する.師部の外側には師部繊維を認める.皮層及び髄中の柔細胞にシュウ酸カルシウムの針晶又は板状晶が認められる. | 生薬の性状 本品は茎,葉及び花からなり,通例,横切したものである.茎は方柱形で,径0.2 ~ 3 cm,黄緑色~緑褐色を呈し,白色の短毛を密生する.髄は白色で切面中央部の多くを占める.質は軽い.葉は対生し,有柄で3全裂~ 3深裂し,裂片は羽状に裂け,終裂片は線状ひ針形で先端は鋭形,又は鋭尖形,向軸面は淡緑色を呈し,背軸面は白色の短毛を密生し,灰緑色を呈する.花は輪生し,がくは筒状で上端は針状に5裂し,淡緑色~淡緑褐色,花冠は唇形で淡赤紫色~淡褐色を呈する. 本品は僅かににおいがあり,味は僅かに苦く,収れん性である. 本品の茎の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,四稜を認め,Leonurus sibiricusの稜は一部がこぶ状に突出する.表皮には,1 ~ 3細胞からなる非腺毛,頭部が1 ~ 4細胞からなる腺毛及び8細胞からなる腺りんが認められる.稜部では表皮下に厚角組織が発達し,木部繊維の発達が著しい.皮層は数細胞層の柔細胞からなる.維管束は並立維管束で,ほぼ環状に配列する.師部の外側には師部繊維を認める.皮層及び髄の柔細胞中にシュウ酸カルシウムの針晶又は板状晶が認められる. |
ヨクイニン | 確認試験 本品の横切面にヨウ素試液を滴下するとき,内乳は暗赤褐色,胚盤は暗灰色を呈する. | 確認試験 本品を横切し,薄めたヨウ素試液(1→10)に5秒間浸漬した後,取り出し,余分な試液を拭き取り,切面を観察するとき,内乳は暗赤褐色を呈する. |
ヨクイニン末 | 確認試験 本品の少量をスライドガラス上にとり,ヨウ素試液を滴下して鏡検〈5.01〉するとき,通例,径10 ~ 15 μm,ほぼ等径性で鈍多角形の単でんぷん粒及び複でんぷん粒は帯赤褐色を呈し,脂肪油,アリューロン粒と共存して柔細胞中に含まれる小球形のでんぷん粒は青紫色を呈する. | 確認試験 本品の少量をスライドガラス上にとり,薄めたヨウ素試液(1→10)を滴下して鏡検〈5.01〉するとき,通例,径10~ 20 μm,ほぼ等径性で鈍多角形の単粒及び複粒のでんぷん粒は帯赤褐色を呈し,脂肪油,アリューロン粒と共存して柔細胞中に含まれる小球形のでんぷん粒は青紫色を呈する. |
純度試験 異物 本品を鏡検〈5.01〉するとき,ケイ酸化した細胞壁を持つ組織の破片,石細胞その他厚壁木化した細胞,網紋道管,階紋道管,孔紋道管,繊維及び毛の破片,ヨウ素試液で青紫色を呈する径10 μm以上の大型でんぷん粒を認めない. | 純度試験 異物 本品を鏡検〈5.01〉するとき,ケイ酸化した細胞壁を持つ組織の破片,石細胞その他厚壁木化した細胞,網紋道管,階紋道管,孔紋道管,繊維及び毛の破片を認めない.また,薄めたヨウ素試液(1→10)で青紫色を呈する径20μmを超える大型でんぷん粒は認めないか,又は認めることがあっても僅かである. |
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抑肝散加陳皮半夏エキス | 基原 本品は定量するとき,製法の項に規定した分量で製したエキス当たり,サイコサポニンb2 0.6 ~ 2.4 mg,グリチルリチン酸(C42H62O16:822.93) 10 ~ 30 mg及びヘスペリジン18 ~72 mgを含む. | 基原 本品は定量するとき,製法の項に規定した分量で製したエキス当たり,サイコサポニンb2 0.6 ~ 2.4 mg,グリチルリチン酸(C42H62O16:822.93) 10 ~ 30 mg,ヘスペリジン18~72mg及び総アルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン) 0.15 mg以上を含む. |
定量法 (4) 総アルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン) 乾燥エキス約1 g (軟エキスは乾燥物として約1 gに対応する量)を精密に量り,ジエチルエーテル20 mLを加えて振り混ぜた 後,1 mol/L塩酸試液3 mL及び水7 mLを加えて10分間振り混ぜ,遠心分離し,ジエチルエーテル層を除く.水層にジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作する.水層に水酸化ナトリウム試液10 mL及びジエチルエーテル20 mLを加えて10分間振り混ぜた後,遠心分離し,ジエチルエーテル層を分取する.水層にジエチルエーテル20 mLを加えて同様に操作し,これを2回繰り返す.全抽出液を合わせ,40℃以下,低圧(真空)で溶媒を留去した後,残留物を移動相に溶かして正確に10 mLとし,試料溶液とする.別に定量用リンコフィリン及び定量用ヒルスチン約5 mgずつを精密に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)に溶かし,正確に100 mLとする.この液10 mLを正確に量り,メタノール/希酢酸混液(7:3)を加えて正確に50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のリンコフィリン及びヒルスチンのピーク面積ATR及びATH並びにASR及びASHを測定する. 総アルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン)の量(mg) =(MSR × ATR/ASR + MSH × ATH/ASH) × 1/50 MSR:定量用リンコフィリンの秤取量(mg) MSH:定量用ヒルスチンの秤取量(mg) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5 μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:40℃付近の一定温度 移動相:ラウリル硫酸ナトリウム1 gにメタノール600 mLを加えて振り混ぜた後,水400 mL及び酢酸(100)5 mLを加えて溶かす. 流量:毎分1.0 mL システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,リンコフィリン及びヒルスチンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,1.5以下である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,リンコフィリン及びヒルスチンのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ1.5%以下である. |
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レンニク | 生薬の性状 本品は卵形体~楕円体で,一端には乳頭状の突起があり,その周辺はへこんでいる.長さ1.0 ~ 1.7 cm,幅0.5 ~ 1.2 cm,外面は淡赤褐色~淡黄褐色を呈し,突起部は暗赤褐色を呈する.内果皮は艶がなく,剝離しにくい.内部は黄白色の胚乳からなり,中央部にある胚は緑色である. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かに甘く,やや油様で,胚は極めて苦い. 本品中央部の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,内果皮は柔組織からなり,ときに脱落して見られないことがある.種皮は表皮と圧縮された柔細胞からなる柔組織で形成され,柔組織中に維管束が散在する.内乳は表皮と柔組織で形成される.残存する内果皮中には,シュウ酸カルシウムの集晶及びタンニン様物質を含み,種皮の柔細胞中にはタンニン様物質を含み,内乳の柔組織中にはでんぷん粒を含む. | 生薬の性状 本品は卵形体~楕円体で,一端には乳頭状の突起があり,その周辺はへこんでいる.長さ1.0 ~ 1.7 cm,幅0.5 ~ 1.2 cm,外面は淡赤褐色~淡黄褐色を呈し,突起部は暗赤褐色を呈する.内果皮は艶がなく,剝離しにくい.内部は黄白色の子葉からなり,中央部にある胚は緑色である. 本品はほとんどにおいがなく,味は僅かに甘く,やや油様で,胚は極めて苦い. 本品中央部の横切片を鏡検〈5.01〉するとき,内果皮は柔組織からなり,ときに脱落して見られないことがある.種皮は表皮と圧縮された柔細胞からなる柔組織で形成され,柔組織中に維管束が散在する.種皮の内側には子葉が見られる.残存する内果皮中にはシュウ酸カルシウムの集晶及びタンニン様物質を,種皮の柔細胞中にはタンニン様物質を,子葉の柔組織中にはでんぷん粒を含む. |
ロートエキス | 性状 本品は褐色~暗褐色で,特異なにおいがあり,味は苦い.本品は水に僅かに混濁して溶ける. | 性状 本品は褐色~暗褐色で,特異なにおいがある.本品は水に僅かに混濁して溶ける. |
ロートエキス散 | 性状 本品は帯褐黄色~灰黄褐色の粉末で,僅かに弱いにおいがあり,味は僅かに苦い. | 性状 本品は帯褐黄色~灰黄褐色の粉末で,僅かに弱いにおいがある. |
ロートエキス・アネスタミン散 | 性状 本品は僅かに褐色を帯びた白色の粉末で,味は僅かに苦く,舌を麻痺させる. | 性状 本品は僅かに褐色を帯びた白色の粉末である. |
ロートエキス・カーボン散 | 性状 本品は黒色の飛散しやすい粉末で,味はない. | 性状 本品は黒色の飛散しやすい粉末である. |
複方ロートエキス・ジアスターゼ散 | 性状 本品は淡黄色の粉末で,味は苦い. | 性状 本品は淡黄色の粉末である. |
ローヤルゼリー | 定量法 本品の乾燥物0.2 gに対応する量を精密に量り,メタノール20 mLを加え,30分間超音波処理して分散させた後,メタノールを加えて正確に50 mLとする.この液を遠心分離し,上澄液2 mLを正確に量り,内標準溶液2 mLを正確に加え,水25 mL及びメタノールを加えて50 mLとし,試料溶液とする.別に定量用10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100 mLとする.この液3 mLを正確に量り,内標準溶液2 mLを正確に加え,水25 mL及びメタノールを加えて50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸のピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. 10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の量(mg) =MS × Q T/Q S × 3/4 MS:定量用10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の秤取量(mg) 内標準溶液 パラオキシ安息香酸プロピルのメタノール溶液(1→5000) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:50℃付近の一定温度 移動相:水/液体クロマトグラフィー用メタノール/リン酸混液(550:450:1) 流量:10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の保持時間が約10分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸,内標準物質の順に溶出し,その分離度は6以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対する10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸のピーク面積の比の相対標準偏差は1.0%以下である. | 定量法 本品の乾燥物0.2 gに対応する量を精密に量り,メタノール20 mLを加え,30分間超音波処理して分散させた後,メタノールを加えて正確に50 mLとする.この液を遠心分離し,上澄液2 mLを正確に量り,内標準溶液2 mLを正確に加え,水25 mL及びメタノールを加えて50 mLとし,試料溶液とする.別に定量用10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸約10 mgを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100 mLとする.この液3 mLを正確に量り,内標準溶液2 mLを正確に加え,水25 mL及びメタノールを加えて50 mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10 μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対する10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸のピーク面積の比Q T及びQ Sを求める. 10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の量(mg) =MS × Q T/Q S × 3/4 MS:qNMRで含量換算した定量用10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の秤取量(mg) 内標準溶液 パラオキシ安息香酸プロピルのメタノール溶液(1→5000) 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215 nm) カラム:内径4.6 mm,長さ15 cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する. カラム温度:50℃付近の一定温度 移動相:水/液体クロマトグラフィー用メタノール/リン酸混液(550:450:1) 流量:10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸の保持時間が約10分になるように調整する. システム適合性 システムの性能:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で操作するとき,10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸,内標準物質の順に溶出し,その分離度は6以上である. システムの再現性:標準溶液10 μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,内標準物質のピーク面積に対する10-ヒドロキシ-2-(E )-デセン酸のピーク面積の比の相対標準偏差は1.0%以下である. |
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第2追補 参考情報 参照スペクトル
参照紫外可視吸収スペクトル→5品目が新たに収載
参照赤外吸収スペクトル→7品目が新たに収載、1品目が削除
紫外可視吸収スペクトル (追加) | 赤外吸収スペクトル (追加) |
---|---|
アリビプラゾール オキサリプラチン トルバプタン フェブキソスタット ロルノキシカム | アリビプラゾール エデト酸ナトリウム水和物 オキサリプラチン シクロホスファミド水和物 トルバプタン フェブキソスタット ロルノキシカム |
赤外吸収スペクトル (削除) |
|
クリンダマイシンリン酸エステル |
第2追補 参考情報
参考情報 変更内容
(まえがき) ・・・通常,固体又は粉体の密度は三つのレベルで定義される. (1) 結晶密度 空隙のない均一系とみなされ,真密度とも称される. (2) 粒子密度 開口部のない空隙,又は気体により置換されない粒子内細孔も固体又は粉体の体積として評価される. (3) かさ密度 粉体層内に形成される空隙部分も固体又は粉体の体積として評価されることから,みかけ密度とも称される.通常,疎充塡時の粉体の密度をかさ密度,タップ充塡時の密度をタップ密度と定義される. 一般に,液体や気体の密度は温度と圧力のみに依存するが,固体又は粉体の密度は分子又は粒子の集合状態に依存する.したがって,固体又は粉体の密度は,当該物質の結晶構造,結晶化度によって変化することはもちろんであるが,試料が非晶質であるか,その一部が非晶質である場合,試料の調製法又は処理法によって変化する.したがって,二つの固体又は粉体が化学的には同一物質であっても,それらの固体構造が違えば,異なる密度を与える.固体又は粉体粒子の密度は,粉末状医薬品及び医薬品原料の重要な物理的特性であることから,日本薬局方では,粒子密度は「粉体の粒子密度測定法」,かさ密度は「かさ密度及びタップ密度測定法」として,それぞれの密度測定法を規定している. 固体又は粉体の密度は,単位体積当たりの質量(kg/m3)であり,通例,g/cm3で表す(1 g/cm3=1000 kg/m3). | (まえがき) ・・・通常,固体又は粉体の密度は三つのレベルで定義される. (1) 結晶密度 空隙のない均一系とみなされ,真密度とも称される. (2) 粒子密度 開孔部のない空隙,又は気体により置換されない粒子内細孔も固体又は粉体の体積として評価される. (3) かさ密度 粉体層内に形成される空隙部分も固体又は粉体の体積として評価されることから,みかけ密度とも称される.通常,疎充塡時の粉体の密度は疎充塡かさ密度,タップ充塡時の密度はタップ充塡かさ密度と定義される. 一般に,液体や気体の密度は温度と圧力のみに依存するが,固体又は粉体の密度は分子又は粒子の集合状態に依存する.したがって,固体又は粉体の密度は,当該物質の結晶構造,結晶化度によって変化することはもちろんであるが,試料が非晶質であるか,その一部が非晶質である場合,試料の調製法又は処理法によって変化する.したがって,二つの固体又は粉体が化学的には同一物質であっても,それらの固体構造が違えば,異なる密度を与える.固体又は粉体粒子の密度は,粉末状医薬品及び医薬品原料の重要な物理的特性であることから,日本薬局方では,粒子密度は「3.03 粉体の粒子密度測定法」,かさ密度は「3.01 かさ密度測定法」として,それぞれの密度測定法を規定している. 固体又は粉体の密度は,単位体積当たりの質量(kg/m3)であり,通例,g/cm3で表す(1 g/cm3=1000 kg/m3). |
結晶密度(Crystal Density) ある物質の結晶密度とは, 分子の充塡配列(molecular packing arrangement)の基本部分(fundamental part)に属さない,全ての空隙を除いた単位体積当たりの平均質量である.これはその物質の特定の結晶構造に固有な特性であり,測定法に依存しない.結晶密度は,計算又は簡単な測定によって求めることができる. A. 計算による結晶密度は,以下の方法によって求められる. 1) 例えば,単結晶のX線回折データ又は粉末X線回折データの指標化によって得られる結晶学的データ(体積と単位格子の組成) 2) 当該物質の分子量 B. 測定による結晶密度は,単結晶の質量と体積の測定により,その比(質量/体積)として与えられる. | 結晶密度(Crystal Density) ある物質の結晶密度とは, 分子の充塡配列(molecular packing arrangement)の基本部分(fundamental part)に属さない,全ての空隙を除いた単位体積当たりの平均質量である.これはその物質の特定の結晶構造に固有な特性であり,測定法に依存しない.結晶密度は,計算又は簡単な測定によって求めることができる. A. 計算による結晶密度は,例えば,単結晶のX線回折データ又は粉末X線回折データの指標化によって得られる結晶学的データ(単位格子の体積と組成)から与えられる. B. 測定による結晶密度は,単結晶の質量と体積の測定により,その比(質量/体積)として与えられる. |
粒子密度(Particle Density) 粒子密度は,結晶密度に加えて粒子内の空隙(粒子内部の閉じた空隙,及び開孔部はあるが気体が浸入できない空隙)も粒子体積の一部と評価して求められる密度である.すなわち,粒子密度は測定された体積に依存するが,体積の評価は測定法に依存する.粒子密度の測定は,日本薬局方では「粉体の粒子密度測定法」として,ピクノメーター法を規定している. ピクノメーター法による密度は,気体置換型ピクノメーターを用いて,質量既知の粉体の体積を置換された気体の体積に等しいものと評価することにより求める.ピクノメーター法による密度の測定においては,気体の浸入が可能な開孔部のある空隙は粉体の体積とみなされないが,気体が浸入できない密閉状態にある空隙は粉体の体積の一部とみなされる.ヘリウムは拡散性が高く,開孔部のあるほとんどの空隙に浸入できるため,粒子密度測定用気体として推奨される.したがって,細かく粉砕された粉体のピクノメーター法による粒子密度は,一般には結晶密度とあまり違わない.このため,この方法による粒子密度は,非晶質又は部分的に結晶性である試料の真密度の最良の推定値とみなされ,製造工程中にある医薬品粉末の製造管理に広く役立てることができる. | 粒子密度(Particle Density) 粒子密度は,結晶密度に加えて粒子内の空隙(粒子内部の閉じた空隙及び開孔部はあるが気体が浸入できない空隙)も粒子体積の一部と評価して求められる密度である.すなわち,粒子密度は測定された体積に依存し,体積の評価は測定法に依存する.粒子密度の測定は,日本薬局方では「3.03 粉体の粒子密度測定法」として,ピクノメーター法を規定している. ピクノメーター法による密度は,気体置換型ピクノメーターを用いて,質量既知の粉体の体積を置換された気体の体積に等しいものと評価することにより求める.ピクノメーター法による密度の測定においては,気体の浸入が可能な開孔部のある空隙は粉体の体積とみなされないが,気体が浸入できない密閉状態にある空隙は粉体の体積の一部とみなされる.ヘリウムは拡散性が高く,開孔部のあるほとんどの空隙に浸入できるため,粒子密度測定用気体として推奨される.したがって,細かく粉砕された粉体のピクノメーター法による粒子密度は,一般には結晶密度とあまり違わない.このため,この方法による粒子密度は,非晶質又は部分的に結晶性である試料の真密度の最良の推定値とみなされ,製造工程中にある医薬品粉末の製造管理に広く役立てることができる. |
かさ密度及びタップ密度(Bulk Density and Tapped Density) 粉体のかさ密度は,粒子間の空隙も粉体体積の一部と評価して求められる.したがって,かさ密度は粉体の粒子密度と粉体層中での粒子の空間配列に依存する. また,粉体のかさ密度は粉体層の僅かな揺動によっても,その空間配列が変化するため,再現性よくかさ密度を測定することは極めて難しい.したがって,かさ密度の測定値を示す場合,どのようにして測定したか,その測定条件を明記することが重要である. 日本薬局方では「かさ密度及びタップ密度測定法」を規定している. A. かさ密度は,ふるいを通してメスシリンダー中へ注入した質量既知の粉体の体積(かさ体積)を測定することにより求められる(定質量法).別に日本薬局方では,一定容量(かさ体積)の粉体の質量を測定することにより,かさ密度を求める方法(定容量法)も規定している. B. タップ密度は,粉体試料を入れた測定用メスシリンダーを機械的にタップすることにより求められる.初期のかさ体積を測定した後,メスシリンダーを一定の測定条件(タップ速度及び落下高さ)の下で機械的にタップし,連続する二つの測定間での体積変化が許容範囲内となるまで測定を繰り返す(定質量法).別に日本薬局方では,タップ充塡された一定容量(かさ体積)の粉体の質量を測定することにより,タップ密度を求める方法(定容量法)も規定している. | かさ密度(Bulk Density) 粉体のかさ密度は,粒子間の空隙も粉体体積の一部と評価して求められる.したがって,かさ密度は粉体の粒子密度と粉体層中での粒子の空間配列に依存する. また,粉体のかさ密度は粉体層の僅かな揺動によっても,その空間配列が変化するため,再現性よくかさ密度を測定することは極めて難しい.したがって,かさ密度の測定値を示す場合,測定条件と共に,どのように測定したかを明記することが重要である. 日本薬局方では「3.01 かさ密度測定法」を規定している. A. 疎充塡かさ密度は,ふるいを通してメスシリンダー中へ注入した質量既知の粉体の体積(疎充塡体積)を測定することにより求められる(定質量法).別に日本薬局方では,一定容量(疎充塡体積)の粉体の質量を測定することにより,疎充塡かさ密度を求める方法(定容量法)も規定している. B. タップ充塡かさ密度は,粉体を入れたメスシリンダーを機械的にタップすることにより求められる.初期の疎充塡体積を測定した後,メスシリンダーを一定の測定条件(タップ速度及び落下高さ)で機械的に規定の回数タップし,連続する2回の測定間で体積変化が許容範囲内となるまで測定を繰り返す(定質量法).別に日本薬局方では,タップ充塡された一定容量の粉体の質量を測定することにより,タップ充塡かさ密度を求める方法(定容量法)も規定している. |
一般試験法「3.01 かさ密度測定法」での用語の定義変更に伴う
変更になります
(まえがき) 製薬工業における粉体の広範囲な利用によって,粉体の流動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製剤に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定値を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出されている.このような種々の試験法が開発されているのは当然である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,これが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にしているからである.本項では,文献中で最も多く報告されている粉体の流動性の評価法について概説する.医薬品粉体の流動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はないが,本項では製剤開発の過程で有用であると思われる幾つかの試験法の標準化について述べる. 粉体の流動性を評価するために,一般には四つの測定法又は試験法,すなわち,「1.安息角測定法」,「2.圧縮度又はHausner比測定法」,「3.オリフィスからの流出速度測定法」,及び「4.せん断セル法」が汎用されている.また,これらの基本的測定法の各々について多数の変法が用いられているので,これらの試験法や変法の標準化が可能であれば好都合である. この目標を意識しながら,以下に最もよく用いられている方法について述べる.実験的に考慮すべき重要な事項は同じであるので,測定法の標準化を推奨する.一般に,いかなる粉体の流動性測定法であっても,実用的かつ有用であり,更に再現性があって感度が良く,意味のある結果が得られなければならない.しかしながら,ある一つの簡便な流動性測定法が広範囲な流動性を適切に又は完全に評価できるというものではない.製剤研究者や技術者の必要性に応じて,種々の見地から粉体の流動性を評価するために,多数の標準化された試験法をうまく利用することが適切な評価につながる. | (まえがき) 医薬品では幅広く粉体が利用されることから,粉体の流動性を評価するための種々の方法が考案されてきた.製剤に関する文献中には,粉体の流動性に関する種々の測定値を製造特性と関係づけようとする多数の論文が出されている.このような種々の試験法が開発されているのは当然である.なぜならば,粉体の挙動は多面的であるので,これが粉体の流動性を評価しようとする努力を面倒にしているからである.本項では,医薬品に最も多く用いられる粉体の流動性の評価法について記述する.医薬品粉体の流動性を適切に評価できる単純で簡便な測定法はないが,本項では,幾つかの試験法の標準化を提案している. 粉体の流動性評価に広く用いられている四つの試験項目及び測定法,すなわち,「1.安息角」,「2.圧縮度又はHausner比」,「3.オリフィスからの流出」,及び「4.せん断セル法」である. 一般に,いかなる粉体の流動性測定法であっても,実用的かつ有用であり,更に再現性があって感度が良く,意味のある結果が得られなければならない.これらいずれの手法を用いた測定でも,複数回の測定が望ましい.繰返しになるが,ある一つの流動性測定法では,製薬用途で遭遇する広範囲な流動性を適切に又は完全に評価できない.製剤研究者や技術者の必要性に応じて,種々の見地から粉体の流動性を評価するために,多数の標準化された試験法をうまく利用することが適切な評価につながる. |
1. 安息角測定法 安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法では円錐形成時の試料の分離・偏析や,粉体の圧密又はエアレーションのために,実験上に困難を生じる.これらの難点があるにもかかわらず,本測定法は製薬工業において利用され続けており,製造面での諸問題を予測する際の価値を示す多数の例が文献中に見られる. 安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に対する三次元的角度である. | 1. 安息角 安息角は,粉体の流動性を評価するために幾つかの科学分野で用いられてきている.安息角は,粒子間摩擦,又は粒子間の運動に対する抵抗性に関係する特性値である.安息角の試験結果は,測定法に大きく依存する.本測定法では円錐形成時の粉体の分離・偏析や圧密又はエアレーションのために,実験上に困難を生じる.これらの難点があるにもかかわらず,本測定法は製薬工業において利用され続けており,製造面での諸問題を予測する際の価値を示す多数の例が文献中に見られる. 安息角は,次項で述べる方法のいかんにかかわらず,形成される堆積体が円錐状であると仮定した際の水平面に対する三次元的角度である. |
1.1. 基本的測定法 多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的変数の扱いにより次のように分類される. (ⅰ) 粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高さを変える. (ⅱ) 堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(すなわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形成に応じて基底板の直径を変える. 1.2. 基本的測定法の変法 前項の基本的測定法に加えて,以下のような変法が用いられている. (ⅰ) 排出安息角:一定の直径を持つ円板上にある過剰量の試料を容器から排出させることによって測定する.円板上に形成された円錐から,排出安息角を測定する. (ⅱ) 動的安息角:片面が透明で平らな面を持つ円筒内に粉体を入れ,これを一定速度で回転させる.動的安息角は円筒内で流動している粉体層の斜面が水平面との間で形成する角度として測定される.内部運動摩擦角は粉体の最上層を流下する粒子と粗い表面仕上げとされている円筒と一緒に回転している粒子を分離している面によって定義される. | 1.1. 安息角測定法 多数の安息角測定法が提案されているが,静的安息角を測定するための最も一般的な方法は,二つの重要な実験的変数の扱いにより次のように分類される. (ⅰ) 粉体を流下させる漏斗の高さを基底板に対して固定しておくか,又は堆積体が形成されるにつれて漏斗の高さを変える. (ⅱ) 堆積体が形成される基底板の直径を一定とする(すなわち,堆積体の直径は既知である)か,又は堆積体の形成に応じて基底板の直径を変える. 上記の基本的な測定法に加えて,以下のような変法も用いられている. (ⅰ) 排出安息角:一定の直径を持つ円板上にある過剰量の粉体を容器から排出させることによって測定する.円板上に形成された円錐から,排出安息角を測定する. (ⅱ) 動的安息角:片面が透明で平らな面を持つ円筒内に粉体を入れ,これを一定速度で回転させる.動的安息角は円筒内で流動している粉体層の斜面が水平面との間で形成する角度として測定される.内部運動摩擦角は粉体の最上層を流下する粒子と粗い表面仕上げとされている円筒と一緒に回転している粒子を分離している面によって定義される. |
1.3. 安息角に関する流動性の一般的尺度 安息角を用いて粉体の流動性を定性的に説明する際に多少の違いはあるが,Carr1)による分類(表1)は有用である.処方設計において40 ~ 50°の安息角を持つ試料であっても良好な結果が得られることもあるが,安息角が50°を超えると,製造に適さないことが多い. | 1.2. 安息角に関する流動性の程度 安息角を用いて粉体の流動性を定性的に説明する際に多少の違いはあるが,Carr1)による分類(表1)は有用である.処方設計において40 ~ 50°の安息角を持つ試料であっても良好な結果が得られることもあるが,安息角が50°を超えると,製造に適さないことが多い. |
表1 流動特性と対応する安息角1) | 表1 流動性の程度と対応する安息角1) | ||||||
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流動性の程度 | 架橋防止対策 | 安息角(°) | 流動性の程度 | 安息角(°) | |||
極めて良好 良好 やや良好 普通 やや不良 不良 極めて不良 | 不要 限界点架橋あり 攪拌や振とうが必要 | 25 ~ 30 31 ~ 35 36 ~ 40 41 ~ 45 46 ~ 55 56 ~ 65 >66 | 極めて良好 良好 やや良好(架橋防止対策不要) 普通(架橋の限界点あり) やや不良(攪拌や振とうが必要 ) 不良 極めて不良 | 25 ~ 30 31 ~ 35 36 ~ 40 41 ~ 45 46 ~ 55 56 ~ 65 >66 |
1.4. 測定に関して留意すべき点 安息角は個々の粉体に固有な物性値ではない.すなわち,粉体の円錐を形成させるために用いた方法に大きく依存する.この点に関して,次のような重要な点が挙げられている. (ⅰ) 上方から落下してくる粉体の衝撃によって円錐の頂点がゆがむ.円錐を注意深く形成させることによって,衝撃によるゆがみは軽減される. (ⅱ) 円錐が形成される円板の性質が安息角に影響する.粉体層の上に円錐を形成させることができる“共通の基底部”を用いて円錐を形成させるのがよい.これは,円錐を形成させる粉体層を保持するための外縁部を用いることによって可能となる. | 1.3. 測定に関して留意すべき点 安息角は個々の粉体に固有な物性値ではない.すなわち,粉体の円錐を形成させるために用いた方法に大きく依存する.この点に関して,次のような重要な点が挙げられている. (ⅰ) 上方から落下してくる粉体の衝撃によって円錐の頂点がゆがむ.円錐を注意深く形成させることによって,衝撃によるゆがみは軽減される. (ⅱ) 円錐が形成される円板の性質が安息角に影響する.粉体層の上に円錐を形成させることができる“共通の基底部”を用いて円錐を形成させるとよい.これは,円錐を形成させる粉体層を保持するための外縁部を用いることによって可能となる. |
1.5. 推奨される測定手順 粉体層を保持するための保持縁を持つ,固定された円板上に安息角を形成させる.円板は振動しないようにする.対称性のある円錐を注意深く形成させるために,円錐の高さに応じて漏斗の高さを変えるのが良い.この場合,漏斗が動くので,振動しないように注意する.円錐の先端部に落下する粉体の衝撃を最小限にするために,漏斗脚部下端の高さは堆積体の頂点から約2 ~ 4 cmの位置に保つ.対称性のある円錐を首尾よく又は再現性よく形成させることができない場合には,本法は適切ではない.円錐の高さを測定することによって,次式から安息角αを求める. tanα=高さ/(0.5×円板の直径) | 1.4. 推奨される測定手順 粉体層を保持するための保持縁を持つ,固定された円板上に安息角を形成させる.円板は振動しないようにする.対称性のある円錐を注意深く形成させるために,円錐の高さに応じて漏斗の高さを変えると良い.この場合,漏斗が動くので,振動しないように注意する.円錐の先端部に落下する粉体の衝撃を最小限にするために,漏斗脚部下端の高さは堆積体の頂点から約2 ~ 4 cmの位置に保つ.対称性のある円錐を首尾よく又は再現性よく形成させることができない場合には,本法は適切ではない.円錐の高さを測定することによって,次式から安息角αを求める. tanα=高さ/(0.5×円板の直径) |
2. 圧縮度及びHausner比測定法 最近,圧縮度(Compressibility Index)とこれに密接に関係するHausner比の測定法が,粉体の流動特性を予測するための簡便で,迅速かつ一般的な方法となってきている.粉体のかさ密度,粒子径や粒子形状,表面積,含水率,付着性の全てが,測定した圧縮度に影響するので,圧縮度はこれらの粉体物性の総合的な尺度とされてきた.圧縮度及びHausner比は,粉体のかさ体積とタップ後のかさ体積を測定することによって求められる. | 2. 圧縮度及びHausner比 圧縮度とこれに密接に関係するHausner比は,粉体の粒子サイズや粒子形状,真密度,表面積,含水率,付着性などに影響されるため,粉体の流動特性を予測することができる.圧縮度及びHausner比は,粉体の疎充塡体積とタップ充塡体積から算出される.詳細はかさ密度測定法〈3.01〉を参照すること. |
2.1. 基本的測定法 圧縮度とHausner比の測定法には幾つかの方法があるが,基本的な手順は,粉体の(1)疎充塡時のかさ体積V0及び(2)これ以上のかさ体積変化が生じなくなるまで試料をタップした後の最終かさ体積Vfを測定することである.圧縮度(%)とHausner比は,次式によって求められる. 圧縮度=(V0 - Vf)/V0 × 100 Hausner比=V0/Vf 圧縮度(%)とHausner比は,疎充塡時のかさ密度(ρbulk)とタップ密度(ρtapped)の測定値を用いて,次式により求めることもできる. 圧縮度=(ρtapped - ρbulk)/ρtapped × 100 Hausner比=ρtapped/ρbulk これらの変法として,タップ中に生じるかさ体積変化に代わって,圧密率が測定されることもある.圧縮度(%)とHausner比を用いて,表2に示された流動性の尺度が一般的に認められている. | 2.1. 圧縮度及びHausner比測定法 圧縮度とHausner比の測定法はやや異なるが,基本的な手順は,同一の粉体試料について疎充塡体積V0と,これ以上の体積変化が生じなくなるまで試料をタップした後の最終タップ充塡体積Vfを測定することである.次式により圧縮度とHausner比を計算する. 圧縮度=(V0 - Vf)/V0 × 100 Hausner比=V0/Vf 圧縮度とHausner比は,疎充塡かさ密度(ρuntapped)とタップ充塡かさ密度(ρtapped)の測定値を用いて,次式により求めることもできる. 圧縮度=(ρtapped - ρuntapped)/ρtapped × 100 Hausner比=ρtapped/ρuntapped これらの変法として,タップ中に生じるかさ体積変化に代わって,圧密率が測定されることもある.圧縮度とHausner比について,広く報告されている流動性の程度を表2に示す. |
表2 流動性の尺度1) | 表2 流動性の程度と対応する圧縮度及びHausner比 | ||||||
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圧縮度(%) | 流動性の程度 | Haunsner比 | 圧縮度(%) | 流動性の程度 | Haunsner比 | ||
≦ 10 11 ~ 15 16 ~ 20 21 ~ 25 26 ~ 31 32 ~ 37 >38 | 極めて良好 良好 やや良好 普通 やや不良 不良 極めて不良 | 1.00 ~ 1.11 1.12 ~ 1.18 1.19 ~ 1.25 1.26 ~ 1.34 1.35 ~ 1.45 1.46 ~ 1.59 >1.60 | ≦ 10 11 ~ 15 16 ~ 20 21 ~ 25 26 ~ 31 32 ~ 37 >38 | 極めて良好 良好 やや良好 普通 やや不良 不良 極めて不良 | 1.00 ~ 1.11 1.12 ~ 1.18 1.19 ~ 1.25 1.26 ~ 1.34 1.35 ~ 1.45 1.46 ~ 1.59 >1.60 |
2.2. 測定に関して留意すべき点 圧縮度とHausner比は個々の粉体に固有な特性値ではない.すなわち,これらは用いた測定法に依存する.(1)疎充塡時のかさ体積V0,(2)最終かさ体積Vf,(3)疎充塡時のかさ密度ρbulk,及び(4)タップ密度ρtappedの測定に影響する,次のような幾つかの重要な点が指摘されている. (ⅰ) 用いたメスシリンダーの直径 (ⅱ) タップ密度を得るための粉体のタップ回数 (ⅲ) 試験に用いた粉体の質量 (ⅳ) タップ中のメスシリンダー内における粉体試料の回転 | (2.1. 圧縮度及びHausner比測定法 続き) 圧縮度とHausner比は粉体に固有な特性値ではなく,用いた測定法に依存する.疎充塡体積V0,最終タップ充塡体積Vf,疎充塡かさ密度ρuntapped,及びタップ充塡かさ密度ρtappedの測定に影響するため考慮すべき重要な点は以下のとおりである. (ⅰ) 用いたメスシリンダーとホルダーの直径と質量 (ⅱ) タップ充塡かさ密度を得るための粉体のタップ回数 (ⅲ) タップの高さ (ⅳ) 試験に用いた粉体の質量 (ⅴ) タップ中のメスシリンダー内における粉体試料の回転 |
2.3. 推奨される測定手順 100 gの試料を用いて250 mLのメスシリンダーによって行う.これより少量であってもよいが,用いた試料量及びメスシリンダーの容積を結果と共に記載しておく.3回の測定値の平均を用いることが望ましい. | |
3. オリフィスからの流出速度測定法 粉体の流出速度は多くの因子に依存するが,そのうちの幾つかは粒子自体の特性に関係しており,また他の幾つかは測定法に関係する.オリフィスからの粉体の流出速度は,粉体の流動性のより有効な尺度であるとされてきた.ここで特に重要なことは,自由流動性のある試料であっても脈動型の流動パターンが観察されるので,流出を連続的にモニターすることが有用であるということである.また,容器が空になる際も流出速度の変化が見られる.これまでにオリフィス径,粒子径及び粒子密度に対する流出速度に関係する幾つかの実験式が提案されているが,オリフィスからの流出速度の測定は,自由流動性のある粉体に関してのみ有用である. オリフィスからの流出速度は,一般には多種類の容器(円筒状容器,ファネル,ホッパー)のいずれにおいても,これらから流出する試料の単位時間当たりの質量として測定される.流出速度の測定は間けつ的又は連続的に行うことができる. | 3. オリフィスからの流出 粉体の流出は多くの因子に依存するが,そのうちの幾つかは粒子自体の特性に関係しており,また他の幾つかは測定法に関係する.粉体の流動度の測定には,(粉体がアーチングを生じ,それ以上流出することができなくなるオリフィス径である“アーチング径”を評価することにより)オリフィスからの粉体の流出性とその流出速度を観測する方法が使用されてきた.ここで特に重要なことは,自由流動性のある粉体であっても脈動型の流動パターンが観察されるので,流出を連続的にモニターすることが有用であるということである.また,容器が空になる際も流出速度の変化が見られる.これまでにオリフィス径,粒子径及び粒子密度に対する流出速度に関係する幾つかの実験式が提案されている.粉体のアーチング径の評価は,粉体が凝集性を有する場合も自由流動性を有する場合も適用できるが,オリフィスからの流出速度の測定は,自由流動性を有する粉体にのみ適用可能である. オリフィスからの流出速度は,一般には多種類の容器(円筒状容器,ファネル,ホッパー)のいずれにおいても,これらから流出する試料の単位時間当たりの質量として測定される.流出速度の測定は間けつ的又は連続的に行うことができる. |
3.1. 基本的測定法 オリフィスからの流出速度を測定する際に最も共通する問題点は,三つの重要な実験的変数に基づいて次のように分類できる. (1) 粉体を入れた容器の種類 一般的な容器は円筒状容器,ファネル又はホッパーである. (2) 用いたオリフィスの大きさと形状 オリフィス径とその形状は,粉体の流出速度を測定する際の重要な因子である. (3) 流出速度の測定法 流出速度は,ある種の記録装置が付属した電子天秤を用いて連続的に測定することができる.また,流出速度は,不連続な試料についても個別的に測定することができる(例えば,100 gの粉体がオリフィスを通過するのに要する0.1秒単位までの時間,又は10秒間にオリフィスを通過する0.1 g単位までの粉体の質量). | 3.1. オリフィスからの流出試験法 オリフィスからの流出速度を測定する際に最も共通する問題点は,三つの重要な実験的変数に基づいて次のように分類できる. (1) 粉体を入れた容器の種類 一般的な容器は円筒状容器,ファネル又はホッパーである. (2) 用いたオリフィスの大きさと形状 オリフィス径とその形状は,粉体の流出速度を測定する際の重要な因子である. (3) 流出速度の測定法 流出速度は,ある種の記録装置が付属した電子天秤を用いて連続的に測定することができる.また,流出速度は,不連続な試料についても個別的に測定することができる(例えば,100 gの粉体がオリフィスを通過するのに要する0.1秒単位までの時間,又は10秒間にオリフィスを通過する0.1 g単位までの粉体の質量). |
3.2. 基本的測定法の変法 質量基準又はかさ体積基準のいずれの流出速度も測定することができる.質量基準速度の方が測定しやすいが,高密度の試料では大きな測定値が得られる.錠剤機の臼中への粉体の充塡はかさ体積基準であるので,この場合にはかさ体積基準の流出速度を測定することが望ましい.容器から粉体が流出しやすくするためにバイブレーターを取り付けることもあるが,これは結果の解析を複雑にする.ロータリー式錠剤機の運転条件をより精密に再現するための振動式オリフィス装置が提案されている.粉体が流出する最小オリフィス径も確認することができる. | 3.2. オリフィスからの流出試験法の変法 質量基準又はかさ体積基準のいずれの流出速度も測定することができる.質量基準速度の方が測定しやすいが,高密度の粉体では大きな測定値が得られる.錠剤機の臼中への粉体の充塡はかさ体積基準であるので,この場合にはかさ体積基準の流出速度を測定することが望ましい.容器から粉体が流出しやすくするためにバイブレーターを取り付けることもあるが,これは結果の解析を複雑にする.ロータリー式錠剤機の運転条件をより精密に再現するための振動式オリフィス装置が提案されている.粉体が流出する最小オリフィス径も確認することができる. |
3.3. オリフィスからの流出速度に関する流動性の一般的尺度 流出速度は用いた測定法に極めて大きく依存するので,一般的な尺度はない.また文献の結果を比較することも困難である. | (3.2. オリフィスからの流出試験法の変法 続き) 流出速度は用いた測定法に極めて大きく依存するので,一般的な尺度はない.また文献の結果を比較することも困難である. |
3.4. 測定に関して留意すべき点 オリフィスからの流出速度は,個々の粉体に固有な物性値ではない.これは用いた方法に極めて大きく依存する.これらの方法に影響する,次のような幾つかの重要な点が指摘されている. (ⅰ) オリフィス径と形状 (ⅱ) 容器の材質(金属,ガラス,プラスチック) (ⅲ) 容器内での粉体層の直径と高さ | 3.3. 測定に関して留意すべき点 オリフィスからの流出は,個々の粉体に固有な物性値ではない.これは用いた方法に極めて大きく依存する.これらの方法に影響する,次のような幾つかの重要な点が指摘されている. (ⅰ) オリフィス径と形状 (ⅱ) 容器の材質(金属,ガラス,プラスチック) (ⅲ) 容器内での粉体層の直径と高さ |
3.5. 推奨される測定手順 オリフィスからの流出速度測定は,ある程度の流動性を持つ粉体のみに用いることができる.したがって,付着性粉体には用いることができない.粉体層の高さがオリフィス径より十分に大きければ,流出速度は実質的には粉体層の高さには関係しない.円筒状容器は流出にほとんど影響しないので,容器としてこれを用いる.この形状では容器の壁面に沿った粉体ではなく,粉体層内での粉体の運動による流速を測定していることになる.粉体層の高さが円筒状容器の直径の2倍未満の場合には,粉体の流出速度はしばしば増加する.オリフィスの形状は円形とし,円筒状容器は防振状態とする.円筒状容器の寸法に関する一般的な指標は次のとおりである. (ⅰ) オリフィス径>粒子径の6倍 (ⅱ) 円筒状容器の直径>オリフィス径の2倍 容器としてホッパーを用いるのは適切であり,製造に際しての流出をよく表している.また,ファネル,特に軸管を持つものについては,流出速度は軸管と粉体間の摩擦と同様に,軸管の直径と長さによって決まるので,これを用いるのは得策ではない.円錐の先端を切断したものも良いが,流出は粉体-壁面間の摩擦係数に影響されるので,適切な材質を選択することが重要である.円筒状容器内のオリフィスについては,粉体層内での流動パターンをより確実にするために,口径を変えられるような機能を持つ平面状の底板を用いる.流出速度は間けつ的又は連続的に測定できる.電子天秤を用いた連続測定は,瞬間的な流出速度の変動をより効果的に検出することができる. | 3.4. 推奨される測定手順 オリフィスからの流出速度測定は,ある程度の流動性を持つ粉体のみに用いることができる.したがって,付着性粉体には用いることができない.粉体層の高さがオリフィス径より十分に大きければ,流出速度は実質的には粉体層の高さには関係しない.円筒状容器は流出にほとんど影響しないので,容器としてこれを用いる.この形状では容器の壁面に沿った粉体ではなく,粉体層内での粉体の運動による流速を測定していることになる.粉体層の高さが円筒状容器の直径の2倍未満の場合には,粉体の流出速度はしばしば増加する.オリフィスの形状は円形とし,円筒状容器は防振状態とする.円筒状容器の寸法に関する一般的な指標は次のとおりである. (ⅰ) オリフィス径>粒子径の6倍 (ⅱ) 円筒状容器の直径>オリフィス径の2倍 容器としてホッパーを用いるのは適切であり,製造に際しての流出をよく表している.また,ファネル,特に軸管を持つものについては,流出速度は軸管と粉体間の摩擦と同様に,軸管の直径と長さによって決まるので,これを用いるのは得策ではない.円錐の先端を切断したものも良いが,流出は粉体-壁面間の摩擦係数に影響されるので,適切な材質を選択することが重要である.円筒状容器内のオリフィスについては,粉体層内での流動パターンをより確実にするために,口径を変えられるような機能を持つ平面状の底板を用いる.流出速度は間けつ的又は連続的に測定できる.電子天秤を用いた連続測定は,瞬間的な流出速度の変動をより効果的に検出することができる. |
4. せん断セル法 より基本的な原理に基づいた粉体の流動性研究やホッパーの設計を進めようとする努力の中で,粉体の流動性をより完全かつ正確に定義した評価ができる,種々の粉体せん断試験器や方法が開発されている.せん断セル法は医薬品粉体の研究において広範囲に用いられている.本法によれば,せん断応力-せん断ひずみの関係を表す破壊包絡線,内部摩擦角,非限界降伏力,引っ張り強度,フロー・ファクターや,その他の流動性指数のような種々の2次的パラメーターを含む広範囲なパラメーターが得られる.また,本法では実験上のパラメーターをより正確に制御することができるので,流動特性は圧密荷重,時間,その他の環境条件の関数として測定することもできる.これらの方法は,限界応力状態にあるホッパーや貯槽用容器のパラメーターを測定するのにうまく利用されている. | 4. せん断セル法 より基本的な原理に基づいた粉体の流動性研究やホッパーの設計を進めようとする際,粉体の流動性をより完全かつ正確に定義した評価ができる,種々の粉体せん断試験装置や方法が開発されている.せん断セル法は,医薬品粉体の研究において広範囲に用いられている.本法によれば,粉体層が横滑りし始める直前のせん断応力と垂直応力の関係を表す破壊包絡線,内部摩擦角,非限界降伏力,粉体の凝集,フローファンクションのような種々の関連するパラメーターを含む広範囲なパラメーターが得られる.また,本法では実験上のパラメーターをより正確に制御することができるので,流動特性は圧密荷重,時間,その他の環境条件の関数として測定することもできる.これらの方法を用いることにより,ホッパーや貯槽用容器の限界寸法を適切に求めることができる. |
4.1. 基本的測定法 せん断セルの第一のタイプは,せん断セルリングの下部の固定部分と上部の可動部分との間でせん断面を形成させ,水平方向に引っ張り破断する円筒型せん断セルである.この方法では,所定の手順に従ってせん断セル内の粉体層を圧密した後,上部リングを移動させることによって粉体層をせん断するのに要する力を測定する.一方,第二のタイプである回転型せん断セルは試料量が少なくて済むなど,円筒型せん断セルを上回る幾つかの利点がある.しかし,設計上,リングの内壁面近くにある試料の方がそれより内側の部分にある試料より多くせん断されるので,粉体層が均一にせん断されないという欠点がある.第三のタイプのせん断セル(平行平板型)は,下部の固定した粗な面と上部の粗な可動面との間で薄いサンドイッチ状の粉体層を形成している. いずれのせん断セル法も利点と欠点を持っているが,詳細については本項では触れない.粉体の流動性を評価する他の方法については,文献中で多くの変法が述べられている.一般にせん断セル法の大きな利点は,実験的により制御しやすいことである.しかし,本法は一般に測定に際して長時間を要し,また多量の試料と熟練が必要である. | 4.1. 測定法 せん断セルの第一のタイプは,上下に二分割できる固定セルと可動セルとの境にせん断面を形成させる並進せん断セルに相当する.この方法では,所定の手順に従ってせん断セル内の粉体層を圧密した後,粉体層をせん断するのに要する力を測定する.並進せん断セルは円筒型又は矩形状の箱型である. 第二のタイプのせん断セルは,回転せん断セルに相当する.これには,円筒型のものと環状型のものがある.これらは,試料量が少なくて済むなど,並進せん断セルを上回る幾つかの利点がある.しかし,設計上,回転せん断セルの周囲に近い試料の方が,より内側にある試料より多くせん断されるので,粉体層が均一にせん断されないという欠点がある. いずれのせん断セル法も利点と欠点を持っているが,詳細については本項では触れない.粉体の流動性を評価する他の方法については,文献中で多くの変法が述べられている.一般にせん断セル法の大きな利点は,実験的により制御しやすいことである. |
PDGの調和合意内容を反映した変更になります
(まえがき) 日本薬局方収載生薬の基原植物及び基原動物の学名表記法は,論文等で使用される分類学的に用いられる学名表記と若干異なっている.これは,主に局方が学術書ではなく法令であるために生じる問題である.局方での学名の表記と,分類学的に通常使用される学名表記との不一致について,局方利用者の誤解を避ける目的で,本表に,局方で表記した学名と分類学的に通常使用される学名表記との関係を示す. | (まえがき) 日本薬局方収載生薬の基原植物,藻類,真菌類及び基原動物の学名表記法は,論文等で使用される分類学的に用いられる学名表記と若干異なっている.これは,日局が学術書ではなく法令であるために生じる問題である.日局での学名表記と,分類学的に通常使用される学名表記との不一致について,日局利用者の誤解を避けるため,本表に,日局で表記した学名と分類学的に通常使用される学名表記との関係を示す.また,日局に記載されている植物の科名は,新エングラーの分類体系に基づくものが採用されている.1998年に,DNAの塩基配列情報に基づくAPGの分類体系が発表されて以降,数度の改訂を経て,植物分類学では現在,主にAPGの分類体系が用いられていることから,新エングラーとAPGの分類体系における科名の関係を併記する. なお,APGの分類体系の対象外である裸子植物,藻類,真菌類及び動物については,米倉1)及びGBIF2)に従った. |
センコツ | コウホネ Nuphar japonica De Candolle = Nuphar japonica DC. | コウホネ Nuphar japonica De Candolle = Nuphar japonica DC. |
ネムロコウホネ Nuphar pumila De Candolle = Nuphar pumila (Timm) DC. | ネムロコウホネ Nuphar pumila De Candolle = Nuphar pumila (Timm) DC. |
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上記種の種間雑種 | ||
基原植物に「その他同属植物」などが含まれる場合は,学名の表記はないが本表に記載している. 参考資料 寺林進ら,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,41,407-418 (2010). | 1) 米倉浩司,新維管束植物分類表,北隆館,東京,2019, ISBN 978-4-8326-1008-8. 2) Global Biodiversity Information Facility, https://www.gbif.org. (Accessed April 15, 2022). 3) 寺林進ら,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,41,407-418 (2010). 4) 基原植物に「その他同属植物」などが含まれる場合は,学名の表記はないが本表に記載している. 5) 髙野昭人ら,医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,52,291-302 (2021). 6) APG IV の対象外である裸子植物,藻類,真菌類及び動物には,#印を付している. |
(まえがき) 薄層クロマトグラフィーは,適当な固定相で作られた薄層を用い,混合物を移動相で展開させて,それぞれの成分に分離する方法であり,物質の確認又は純度の試験などに用いる.生薬及び生薬を主たる原料とする製剤(生薬製剤)の薄層クロマトグラフィーは,生薬及び漢方処方エキスに配合される生薬の特徴的な成分又は成分群の含有の有無を確認することなどに用いられる. | (まえがき) 生薬及び生薬を主たる原料とする製剤(生薬製剤)の薄層クロマトグラフィーは,生薬及び漢方処方エキスに配合される生薬の特徴的な成分又は成分群の含有の有無を確認することなどに用いられる.本参考情報では,生薬及び生薬製剤について薄層クロマトグラフィーの試験を実施する際に,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉を補完する事項を以下に記載する. |
以降、全面改訂 | 以降、全面改訂 |
一般試験法「2.03 薄層クロマトグラフィー」の改正に伴う
記載内容の見直しになります